ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業青森県

色の悩みお助け隊スピード調色で本当に必要な色と量の塗料を提供

八戸塗料販売株式会社

この事例のポイント

  • 調色作業は手作業の工程が多く、微細な配合調整を職人の勘に頼っており、調色技術が未熟だと品質にムラが生じ、取引先からのクレームや経営圧迫、環境負荷につながっている。
  • 塗料メーカーの店頭計量調色システムについて検討し、ユニラントCCMシステムを導入した。
  • 検証の結果、これまでバラツキの生じていた品質が安定し、依頼者から同色の再発注があった場合にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名八戸塗料販売株式会社
所在地青森県 八戸市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

当社は1974年に塗料卸売業として青森県八戸市で創業し、造船所や建設会社、鉄工所などの取引先ニーズに沿った塗料を調色して納品、販売している。当地域は塗料業界の激戦区で競合他社も多い。国内の塗料市場はほぼ横ばいで、主要売上の船舶用は市場の1割未満にとどまり、市場の多くを建築用が占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度調色作業は手作業の工程が多く、微細な配合調整を職人の勘に頼っており、調色技術が未熟だと品質にムラが生じ、取引先からのクレームや経営圧迫、環境負荷につながっている。
  • 人手・技能従業員の高齢化が進み、調色の技術継承も大きな課題となっている。
  • 納期・工程取引先ニーズが多様化する中で、調色の高精度化や短納期化、小ロットでの小売直販への対応が急務となっている。

やったこと

塗料メーカーの店頭計量調色システムについて検討し、ユニラントCCMシステムを導入した。このシステムはほぼ全ての塗料メーカーの商品を調色することが可能である。導入の効果を検証するため、サンプル色のテスト調色を実施した。

その他ユニラントCCMシステム

新しい製品・サービス:色の悩みお助け隊 スピード調色

事業の効果

検証の結果、これまでバラツキの生じていた品質が安定し、依頼者から同色の再発注があった場合にも対応できるようになった。熟練者の手作業と比べて作業時間が短縮され、操作を習熟すれば全従業員が対応できるようになった。これにより経験豊富な従業員を現場の管理業務や営業に振り向けるとともに、若手とベテランのノウハウを交えた付加価値のある商品やサービスを提供していく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成16年の経営革新計画承認や創業以来の塗料卸の実績があり、調色作業を事業の根幹と位置付けて調色システム導入につなげている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地域は塗料業界の激戦区だが、関西ペイントのトタン屋根用塗料で9年連続全国1位という実績があり、強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    調色のムラ、職人の勘への依存、高齢化、短納期化といった課題を挙げ、システム導入で品質安定と高精度化を図る対応が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、他社と異なる付加価値のある商品やサービスの提供に触れる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員14名の体制と、システム習熟により全従業員が対応可能になったという記述はあるが、事務処理や遂行体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロットや小売直販への対応を課題とし、工務店、ハウスメーカー、ホームセンター、DIY個人という顧客ターゲットと選ばれる理由を示している。

  • 事業化までの道筋3

    既存住宅の小規模リフォーム市場を見据え、HP強化と北東北から東北への販路拡大に取り組む方針は示されているが、時期や手順は不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    調色の高精度化により、熟練者の技術と若手のノウハウを組み合わせた他社と異なる付加価値のある商品提供を目指すとしている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域に根差した社会貢献を掲げ、地元工務店やホームセンターへの引き合い増加など地域の事業者への波及が示されている。

  • 費用対効果2

    作業時間の短縮や品質安定の効果は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    調色システムというデジタル機器の導入はあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    新築住宅の着工減少に対し、増加傾向の既存住宅の小規模リフォームへの進出を図るとしており、市場構造の変化への対応が示されている。

  • 地域経済への波及3

    八戸を拠点に北東北の工務店や住宅会社を軸とした販路を計画し、地域の特性を活かして地域の事業者と連携する方針が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新築住宅の着工件数が減少する中、既存住宅の部分ごとの小規模リフォームが増加すると見込まれ、地元工務店やハウスメーカー、ホームセンター、DIYで施工する個人からの受注が期待できる。他社が敬遠しがちな小ロットにも対応して差別化を図り、HP等の営業ツールを強化して北東北の工務店やハウスメーカーを軸に東北地方全体への販路開拓に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。