ものづくり補助金平成28年度製造業青森県

全自動裁断設備導入によるマスカスタマイゼーションへの取り組み

丸和繊維工業株式会社

成果裁断精度 30mm→20mm

この事例のポイント

  • アパレル業界の不振が続き、OEM事業の受注量が年々減少している。
  • CADシステム(柄合わせシステム)と自動裁断機(CAMシステム)を導入した。
  • 裁断精度 30mm→20mm。プロジェクターでパターンを布に直接映すことで紙への印刷が不要になり、作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名丸和繊維工業株式会社
所在地青森県 墨田区
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数100人
資本金6,000万円
設立1991年

事業の背景

当社は大手アパレルブランドの紳士服、婦人服、スポーツウェアを中心にOEM生産を行っている。平成23年度から自社ブランドも手がけ、百貨店や直営店、インターネット等で販売している。近年アパレル業界は不振が続き、OEM事業の受注量は年々減少している。一部取引先からカスタムオーダーの受注協力要請が増え、レギュラーサイズのほかリラックス・スリムサイズの製造も求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑アパレル業界の不振が続き、OEM事業の受注量が年々減少している。
  • 生産能力既存の裁断設備では柄合わせの効率が低く、生産能力に課題があるため、極小ロットやカスタムオーダーへの対応が難しい。

やったこと

CADシステム(柄合わせシステム)と自動裁断機(CAMシステム)を導入した。CADシステムはCAMシステムを作動させるためのデータを作成するシステムである。CAMシステムは、裁断テーブルの天井に設置したプロジェクターで布の上にパターンデータを映し、それに沿って布にマーキングして裁断する。ヘッドに搭載したカメラで柄を探し、柄合わせの際に自動で裁断箇所をマーキングする。プロジェクターの設置のためカーテン付きのヤグラを天井に設置した。CAMシステム投入前に大裁ちするための延反テーブルと全自動型ストレートカッターも導入し、大裁ちから流れ作業で操作できるようにした。

新しい製品・サービス:自社ブランド「TINDUSTYLE TOKYO」でシャツ、ルームウェア、ジャケットなどを東京の本社ビルとインターネットで販売していく。

事業の効果

  • 裁断精度 30mm→20mm
  • 作業時間 8時間→3時間
  • 作業人数を増やすことなく1日あたり250枚〜350枚の服を製造できるようになった

プロジェクターでパターンを布に直接映すことで紙への印刷が不要になり、作業時間が大幅に短縮された。CAMシステムが柄合わせを自動で行うため、布を無駄にしない裁断レイアウトを考える必要もなくなり、紙も布も無駄なく裁断できるようになった。社員がシステムを使いこなし、発注元から届くパターンデータを自分たちで扱えるようになったことで、裁断に必要な人員を削減でき、生産性も向上した。小ロットへの対応体制が整い、これまで取引のなかった企業からも小ロットの発注が増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決極小ロットやカスタムオーダーへの対応が課題と明示され、裁断時間8時間から3時間への短縮など解決策との対応が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1日あたり250枚から350枚の製造、裁断精度±30mmから±20mm、作業時間8時間から3時間と数値目標と成果が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け極小ロットやカスタムオーダーの需要、既存の取引先からの発注増加、自社ブランドの販売先など顧客と受注の裏付けが書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制社員がCADとCAMを使いこなせるようになったとあるが、体制や事務処理能力を示す記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    OEM受注減少を背景に自社ブランド展開へ進む方向は読めるが、事例では過去の取組との一貫性を裏付ける記述が少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    独自技術「胴体六断・胴体縫製」や名だたるブランドの品質維持の経験が強みとして挙げられている。市場動向の分析までは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    極小ロットやカスタムオーダーへの対応が課題と明示され、裁断時間8時間から3時間への短縮など解決策との対応が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日あたり250枚から350枚の製造、裁断精度±30mmから±20mm、作業時間8時間から3時間と数値目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    社員がCADとCAMを使いこなせるようになったとあるが、体制や事務処理能力を示す記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    極小ロットやカスタムオーダーの需要、既存の取引先からの発注増加、自社ブランドの販売先など顧客と受注の裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    自社ブランド展開や多能工化の方針は述べられているが、導入から実施までのスケジュールや進め方の記述は少ない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    自社独自技術「胴体六断・胴体縫製」が紹介されているが、同分野での高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及は薄いが、墨田区の拠点や人材育成の取組がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果4

    裁断に必要だった人員の削減、1日あたりの製造枚数の増加など生産性の向上が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMとプロジェクターによるデジタル化が中心で、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    小ロット・カスタム対応の方向性はうかがえるが、市場の成長分野への進出や構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    墨田区の本社ビルを拠点に東京から自社ブランドを販売する点から、地域の特性を活かす姿勢が読み取れる。

今後の展望

自社ブランド商品の展開にさらに力を入れ、作業時間短縮で生まれた余力を商品開発に充てる。作業員は多能工を目指し、ラインごとに目標設定をして個人のスキルを引き上げ、納期短縮や品質向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。