ものづくり補助金平成28年度製造業青森県

凍結乾燥りんごを用いた新規氷菓の効率的な製造技術の開発

株式会社はとや製菓

この事例のポイント

  • 氷菓を製造するための製造ラインに必要な機器の導入が課題となり、フリーズドライ商品に果汁を染み込ませて凍らせる商品アイデアを形にできていなかった。
  • 真空脱気ヒートシール機、急速冷凍機、冷凍保管庫の3つの機器を導入して商品開発に取り組んだ。
  • 真空脱気ヒートシール機の導入により、カシス果汁や人参ジュースを染み込ませて水分量が多くてもシーリングができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社はとや製菓
所在地青森県 青森市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数48人
資本金2,200万円
設立1963年

事業の背景

当社は青森県産のりんご、大豆、カシスなどの食材にこだわった菓子を製造・販売している。主力のフリーズドライ商品「ソフトりんご」は大ヒット商品である。「ソフトりんご」誕生の頃から、果汁を染み込ませて凍らせる氷菓のアイデアは温めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力氷菓を製造するための製造ラインに必要な機器の導入が課題となり、フリーズドライ商品に果汁を染み込ませて凍らせる商品アイデアを形にできていなかった。
  • 新製品・新技術当社にとって氷菓の商品開発は初めての試みであったため、製造条件や冷凍保存の温度条件、品質設計を明確にすることが課題だった。

やったこと

真空脱気ヒートシール機、急速冷凍機、冷凍保管庫の3つの機器を導入して商品開発に取り組んだ。りんごのフリーズドライ商品「ソフトりんご」に青森県産カシスのピューレを染み込ませた「あおもりカシス味」と、りんご果汁とふかうら雪人参ジュースを混ぜて染み込ませた「ふかうら雪人参味」の2種類を試作した。染み込ませる果汁の濃さや割合を検討し、果汁の量を調節してちょうどよいシャーベットになるよう試作を重ね、製造方法を確立した。

新しい製品・サービス:氷菓「冷や。林檎」

事業の効果

真空脱気ヒートシール機の導入により、カシス果汁や人参ジュースを染み込ませて水分量が多くてもシーリングができるようになった。ふかうら雪人参ジュースと混ぜることで、りんご果汁を使ったときの褐変を克服した。急速冷凍庫と冷凍保管庫により商品を一度に大量製造でき、高い品質を保ったまま長期間在庫を保管できるようになった。検品作業が機械による自動選別に置き換わり人件費が大幅に削減され、大量発注に対応できる生産体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性青森県産カシス・りんご・ふかうら雪人参を使い、自社の大ヒット商品を活かした差別化を事例が強調している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け地元の土産店・物産店・キヨスクに販売ルートがあり、観光客と地元住民という顧客像と、1個・3個セットなどのニーズ対応が示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値フリーズドライ商品を凍らせる氷菓で、ヒット商品を基にした独自性があり、他社製品との差別化ができていると述べている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの数値目標は記載がなく、人件費削減と大量発注対応の記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    ソフトりんご誕生時から温めていたアイディアを形にした点で、既存商品と氷菓開発の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    青森県産カシス・りんご・ふかうら雪人参を使い、自社の大ヒット商品を活かした差別化を事例が強調している。

  • 課題の認識と解決3

    褐変やシーリング不良という課題を認識し、ふかうら雪人参ジュースの混合などで解決し商品化した点が読み取れる。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は記載がなく、人件費削減と大量発注対応の記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    機器導入後5ヶ月で商品化し、既存の販売ルートを持つ従業員48名規模の体制で実施した点が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元の土産店・物産店・キヨスクに販売ルートがあり、観光客と地元住民という顧客像と、1個・3個セットなどのニーズ対応が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作で果汁の濃さや割合を検討し製造方法を確立、今後は宣伝強化と販売店の絞り込みを計画している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    フリーズドライ商品を凍らせる氷菓で、ヒット商品を基にした独自性があり、他社製品との差別化ができていると述べている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    地域ブランド食材を使い地産地消を進め、地元企業として青森県産食材の魅力を引き出す点が示されている。

  • 費用対効果2

    人件費削減と大量発注への対応は触れられているが、補助金額に対する付加価値額や費用対効果の数字がない。

  • イノベーションへの貢献2

    窒素充填対応の包装機や自動選別によるデジタル的な検品の導入は触れているが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    青森県産食材を活かした地域性の高い商品で、観光と地元需要の両方を取り込み、地域の食材ブランド発信につながる点が読み取れる。

今後の展望

氷菓「冷や。林檎」は機器導入後約5か月で商品化し、青森県内の土産店、物産店、キヨスクなどで常温販売している。観光客向けに加え、県内の地元の人にも自宅で凍らせて食べてもらえるよう宣伝に力を入れ、何軒かの店舗で集中的に販売して周知を図る。将来は生産体制を整えて海外への輸出につなげたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。