ものづくり補助金平成28年度学術研究、専門・技術サービス業青森県

リードタイムの短縮と測定分析結果の精度UPで他社との差別化

株式会社環境工学

成果測定時間が約80%削減

この事例のポイント

  • 多様化するニーズに応えるため、分析項目や試験方法が増え、社内だけでは調査・計測に対応しきれず外部発注が増えていた。
  • 測定分析設備としてサプレッサ式イオンクロマトグラフ装置とBOD自動測定システムの2つを導入した。
  • 測定時間が約80%削減。サプレッサ式イオンクロマトグラフ装置の導入で、陽イオン・陰イオンの測定分析からデータ処理までが自動化され、サンプル抽出…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社環境工学
所在地青森県 弘前市
業種技術サービス業
従業員数30人

事業の背景

当社は青森県内で環境計量証明、環境影響評価、生態系調査、施設設計管理を主な業務とする環境総合コンサルタント業である。環境計量部門は内製化以来受注率を伸ばし、平成27年度には売上の約50%を占めている。近年は分析項目や試験方法の多様化、短納期といった顧客からの要望や業務量の増加が続いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能多様化するニーズに応えるため、分析項目や試験方法が増え、社内だけでは調査・計測に対応しきれず外部発注が増えていた。
  • コスト・採算外注が増えた結果、外注費がかさみ、会社の収益に影響が出ていた。

やったこと

測定分析設備としてサプレッサ式イオンクロマトグラフ装置とBOD自動測定システムの2つを導入した。イオンクロマトグラフ装置は主に海水、河川水、工業排水などの水質測定や、排気などの大気測定に使う。BOD自動測定システムは有機物(微生物)の量を測定する装置で、機械が自動で希釈し、4検体同時に測定できる。導入機器は同業者の評判などを参考に、精度と使い勝手を確認して選んだ。

  • 検査測定サプレッサ式イオンクロマトグラフ装置BOD自動測定システム

事業の効果

  • 測定時間が約80%削減
  • 納期 2週間→1週間
  • 作業時間全体では427分、83%の削減
  • 測定時間282分削減(削減率80%)
  • 立ち上げ時間145分削減(削減率88%)
  • 測定分析設備の導入前後で顧客数は10〜15%増加

サプレッサ式イオンクロマトグラフ装置の導入で、陽イオン・陰イオンの測定分析からデータ処理までが自動化され、サンプル抽出から自動で測定できるためリードタイムが大幅に短縮した。深夜稼働で翌朝に測定が完了することも可能になった。BOD自動測定システムは最大328検体を連続測定でき、自動化により精度のばらつきと人為的ミスが減った。測定時間や希釈時間も短縮し、外注が減って収益力が向上し、顧客数も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決外注費増加が収益に影響という課題を示し、イオンクロマト導入で測定時間80%削減、納期2週間から1週間への短縮と具体的に書かれている。
  • 4
    費用対効果測定時間が約80%削減され、検体数は最大328まで連続測定可能とあり、費用対効果の一端が数字で示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性環境計量証明など事業の柱は読めるが、今回の設備導入が過去の取組とどう一貫するかは書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    環境計量証明など事業の柱は読めるが、今回の設備導入が過去の取組とどう一貫するかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客要望の短納期化や外注増加が課題として書かれ、強みは精度向上と他社差別化として触れられているが、市場動向の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外注費増加が収益に影響という課題を示し、イオンクロマト導入で測定時間80%削減、納期2週間から1週間への短縮と具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    測定時間80%削減や顧客数10〜15%増加は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    精度管理チームを新設し有資格者を配置したとあるが、人材や事務処理体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客要望と風力・太陽光発電の周辺環境調査需要は触れられているが、ターゲットの整理は十分ではない。

  • 事業化までの道筋3

    今後は食品分野や北東北3県への展開を考えると書かれ、時期や手順は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    環境計量の分野で一般的な測定手法の導入とされ、高付加価値化や高価格化を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    公共工事や風力・太陽光発電の環境調査需要への対応がうかがえるが、国が補助する理由までは書かれていない。

  • 費用対効果4

    測定時間が約80%削減され、検体数は最大328まで連続測定可能とあり、費用対効果の一端が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    データ処理の自動化や専用ソフトの利用はあるが、地域やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    青森県内の環境調査業務として地域に根ざす点は読めるが、雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

今後の展望

県内全域や北東北3県での環境調査に対応できるよう事業展開を考えている。風力発電や太陽光発電の工事に伴う周辺環境の調査が増えている。食品分野にも応用でき、農薬の残留検査など食品分野への事業拡大も検討している。精度管理チームを新設し、有資格者による再現性確認や内部精度管理を行っている。シクロデキストリンポリマーなどの新素材開発にも取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。