ものづくり補助金平成28年度製造業岩手県

さきがけのビールを創る街なかファクトリー多様なビールが広める人と人の輪

株式会社ベアレン醸造所

成果試作時の麦芽使用量 500kg→40kg

この事例のポイント

  • 実験的な試作やさまざまな要望に応えられない。
  • 1ロット200ℓのビール醸造設備を導入し、本社工場の醸造設備と同じ構造の設備を、最少製造単位200ℓとしてコンパクト化した。
  • 試作時の麦芽使用量 500kg→40kg。小規模ビール醸造設備の導入により、小ロットで試作品を製造できるようになり、麦芽やホップの使用量が大幅に減って開発コスト…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ベアレン醸造所
所在地岩手県 盛岡市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野デザイン
従業員数58人
資本金2,375万円
設立2001年

事業の背景

株式会社ベアレン醸造所は1900年代初頭からヨーロッパの伝統的文化を尊重し、盛岡市北山の本社工場でさまざまなクラフトビールを製造・販売してきた。現在は手作りのクラフトビールを約40種製造しており、地域密着を旗印に県内各地のイベントへの出店や工場ビール祭などを積極的に行っている。県内産の果実を使ったクラフトビールの製造に思い至り、その生産をはかる製造設備が必要となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力実験的な試作やさまざまな要望に応えられない。
  • コスト・採算本社工場の仕込み釜の最少製造単位は2,500ℓのため、試作品開発でも同量の醸造が必要となり、主原料や副原料にかかる費用が大きかった。
  • 新製品・新技術試作品開発は他のクラフトビール醸造と並行して行うため、新しいクラフトビールの試作を本社工場の醸造設備で行うのが難しかった。

やったこと

1ロット200ℓのビール醸造設備を導入し、本社工場の醸造設備と同じ構造の設備を、最少製造単位200ℓとしてコンパクト化した。当社が出資する創作レストラン「菜園マイクロブルワリー with Kitchen」内に取り付け、レストラン利用客にビール製造工程を見てもらい、開発したクラフトビールを飲んでもらう形にした。試作品開発では、麦芽500kg、ホップ5kgが必要だったところ、小規模醸造設備の導入後は麦芽40kg、ホップ0.5kgで試作できるようになった。

加工機小規模ビール醸造設備(1ロット200ℓ)

新しい製品・サービス:岩手県産の原料を使ったクラフトビールや、釜石で自生するセリ科の植物「ハマボウフウ」を用いたクラフトビール。2019年ラグビーワールドカップ開催に向けて新設された釜石鵜住居復興スタジアムの完成に合わせて開発し、2018年8月19日のスタジアムオープン記念試合で会場限定販売したところ大きな手応えがあった。

事業の効果

  • 試作時の麦芽使用量 500kg→40kg
  • 試作時のホップ使用量 5kg→0.5kg
  • ビール製造の最少単位 2,500ℓ→200ℓ

小規模ビール醸造設備の導入により、小ロットで試作品を製造できるようになり、麦芽やホップの使用量が大幅に減って開発コストが削減された。少量単位での製造は製造回転期間を短くし、商品開発のスピード化につながっている。レストラン利用客の感想や意見を直接聞けるため、商品開発へのフィードバックも期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から岩手の素材を使うクラフトビール製造を続け、県内産果実の製造へ広げる流れが書かれている。経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地域密着や県内イベント出店など強みは示されるが、市場動向との比較や競争優位の具体的記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    試作時の麦芽500kg・ホップ5kgの負担が課題とされ、麦芽40kg・ホップ0.5kgへの削減という具体的な改善が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    小ロット化による開発コスト削減は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    社員数58名は示されるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    県内産原料を使った商品開発と、イベントでの手応えや飲食客からの意見聴取という顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    レストラン内設置や月4回製造といった運用方法は書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決の段取りは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    県内産果実や釜石の植物を使うなど、高付加価値の独自商品を志向する点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    岩手の農作物や地域経済の発展、ラグビーW杯会場の地域イベントへの貢献がうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    開発コストの大幅削減は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    岩手県産原料と県内各地の特産品を使う計画で、地域の特性を活かした商品開発と地域経済発展の目標が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内産の農作物や特産品を使ったクラフトビールの製造、販売へつなげ、岩手のPRに努めるとともに地域経済の発展に貢献していきたい。

事業者の声

新しい原料を使ったビールの開発は、難しい部分もあるがチャレンジ精神を忘れずに取り組んでいきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。