ものづくり補助金平成28年度製造業宮城県

三次元積層型X線センサの顧客開拓のためのデバイスサンプル作成

東北マイクロテック株式会社

この事例のポイント

  • CVD装置でウェハを持ち上げるリフトピンが熱ストレスによって固着し、搬送エラーが頻発していた。
  • リフトピンの固着を防ぐため、新たな下部電極基盤へ換装した。
  • 従来のセンサと比べてX線吸収率が高く、低被ばく量で高解像のX線画像を得られるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名東北マイクロテック株式会社
所在地宮城県
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野材料製造プロセス,情報処理,精密加工,接合・実装
設立2010年

事業の背景

2010年に創業した東北マイクロテック株式会社は、東北大学が開発した次世代集積回路となる三次元LSIの製造技術を実用製品化するために設立された。現在は医療研究用センサの試作受注を中心に、様々なデバイスサンプルの試作や小ロット生産に対応している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度CVD装置でウェハを持ち上げるリフトピンが熱ストレスによって固着し、搬送エラーが頻発していた。
  • 生産能力搬送エラーの影響でウェハの取り出しに半日以上かかることがあり、品質維持と生産性の向上にはこの問題の解決が必要不可欠だった。

やったこと

リフトピンの固着を防ぐため、新たな下部電極基盤へ換装した。リフトピンは下部電極に作り込まれるが、固着が起こりにくい構造とするためリフトピン周辺のスペースを広くした。また、ピン自体の強度を高めて変形を防いだ。課題解決によって積層型X線フラットパネルディテクタの試作を進め、信号処理LSIとセンサLSIをマイクロバンプ技術で接合した積層チップの試作品を完成させた。

新しい製品・サービス:三次元積層型X線センサ

事業の効果

従来のセンサと比べてX線吸収率が高く、低被ばく量で高解像のX線画像を得られるようになった。従来技術の100倍以上の高解像度を実現したとされている。リフトピンの固着問題が解決したことで、積層型X線フラットパネルディテクタの試作が推進された。試作品の受注が研究機関からの受注につながり、今後は他の積層型センサデバイス事業への展開も見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    2010年創業で、東北大学が開発した三次元LSIの製造技術を実用製品化するための設立と明記されており、技術基盤との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    金バンプ接続に新技術を適用してX線センサの解像度を100倍以上に向上させ、大型ウェハを作れる点も強みとして挙げられている。

  • 課題の認識と解決4

    リフトピンの熱ストレス固着という課題を特定し、下部電極基盤への換装とピン周辺スペース拡大、ピン強度向上で解決した経緯が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    解像度100倍以上という達成済みの結果は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    代表取締役の名前とコメントはあるが、従業員数や製造・事務体制など遂行体制を読み取れる記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療研究用センサの試作受注や小ロット生産に対応し、研究機関からの受注につながっているなど、顧客と需要の裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作受注から本格受注へ進め、その成果をもとに他の積層型センサデバイス事業へ展開する予定と書かれているが、時期や方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来技術の100倍以上の高解像度とX線吸収率の向上、低被ばく量を実現し、高水準の性能で差別化していることが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療・研究分野や天文観測など利用先の広がりは書かれているが、経済波及効果や雇用創出の数字や記述はない。

  • 費用対効果2

    低被ばく量や高解像度の効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    三次元LSIや積層型センサ、マイクロバンプ接合による積層チップの試作完成など、先端的な技術でイノベーションを支える姿勢が示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    次世代集積回路の三次元LSIや積層型センサという成長分野への進出が示されているが、産業構造への影響は具体的に書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    東北大学との連携は書かれているが、地域の雇用や地域経済の成長への貢献を読み取れる記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造されるX線センサパネルは医療用として活用されているが、天文観測用など様々な利用方法が考えられる。今後は、試作受注の成果をもとに、その他の積層型センサデバイス事業に展開する予定である。

事業者の声

微細貫通配線や世界最小マイクロバンプ接合などの技術で、最先端の積層型センサなどを開発しています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。