ものづくり補助金平成28年度製造業秋田県

迅速アルコール測定システムによる作業の最高効率化

喜久水酒造合資会社

この事例のポイント

  • 従来の分析方法では一検体の確認に1時間程度を要し、最盛期には酒母と醪の数が最大23検体になるため全量分析ができず、サンプルを数点ずつローテーションで分析していた。
  • 迅速なアルコール測定と分析結果の個人差の解消、酸状態の正確な把握を行うため、アルコール測定システムとアミノ酸測定システムを導入した。
  • システム導入後は、サンプルをセッティングすれば分析要員が他の業務に取り掛かれるようになり、結果も自動出力されるため省力化が大きく図られた。

事業者のプロフィール

事業者名喜久水酒造合資会社
所在地秋田県 能代市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野測定計測
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1876年

事業の背景

喜久水酒造は明治8年創業の能代市の酒造メーカーで、自社保有の旧国鉄跡トンネルの地下貯蔵庫で低温熟成した清酒を販売している。主力ブランドは「能代シリーズ」(朱金泥、比羅夫、花散里など)。清酒の完成までには酒母に2週間、醪に4週間程度を要し、日々の分析で発酵の進行具合を確認しながら搾りのタイミングを計っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の分析方法では一検体の確認に1時間程度を要し、最盛期には酒母と醪の数が最大23検体になるため全量分析ができず、サンプルを数点ずつローテーションで分析していた。
  • 品質・精度日々の気温で変化する酸の状態への対応が遅れることがあった。
  • 人手・技能2人の分析要員が交代で分析を行っていたため、個人によって所要時間や結果に差が出ることがあった。
  • 人手・技能清酒製造の分析に2人の要員がほぼ拘束される状態だった。

やったこと

迅速なアルコール測定と分析結果の個人差の解消、酸状態の正確な把握を行うため、アルコール測定システムとアミノ酸測定システムを導入した。導入したシステムは、サンプルをセッティングするだけで以降の作業を機械が自動で行い、分析結果がパソコンに出力される。ガラス器具に残った水滴やサンプル温度、浮標の読み取り誤差などの個人差に左右されず、正確な分析が可能になった。機器の洗浄も自動で完了し、片付けが簡略化された。これまで使用していたフラスコ等の和器具は一切不要になった。

  • 検査測定アルコール測定システムアミノ酸測定システム

新しい製品・サービス:大吟醸 俺の亀 大地

事業の効果

システム導入後は、サンプルをセッティングすれば分析要員が他の業務に取り掛かれるようになり、結果も自動出力されるため省力化が大きく図られた。分析の個人差がなくなり正確な分析が可能になった。蔵人に余裕が生まれ、自ら考えて行動するようになった。酒質の安定化が図られたと実感している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    地域経済への波及能代市の契約栽培農家の酒米や旧国鉄トンネルの地下貯蔵を活かし、地域の個性と見学者の呼び込みにつなげる取組が具体的に読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制2人の分析要員が交代で分析していたことや専務が杜氏を務めることはうかがえるが、補助事業の遂行体制は書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    旧国鉄トンネルでの低温熟成や地元の契約栽培米を使った新商品開発など過去の取組との一貫性は読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県外卸売りをせず地元能代での提供を重視する方針や、トンネル貯蔵庫の年間100人超の見学が書かれており強みはうかがえるが、市場や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    分析に2人が拘束され、最大23検体を全量分析できず一部のみ分析していた課題は具体的だが、高付加価値化や成長への計画は書かれていない。

事業の実現可能性2.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    2人の分析要員が交代で分析していたことや専務が杜氏を務めることはうかがえるが、補助事業の遂行体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    地元能代の酒造りや県外に出さない方針は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは整理されていない。

  • 事業化までの道筋2

    システム導入後の活動予定という見出しはあるが、中長期の遂行方法やスケジュールの具体的な記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    大吟醸「俺の亀 大地」が杜氏3年目の新酒鑑評会で金賞を受賞しており高水準の品質はうかがえるが、分野の普及度との比較は書かれていない。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域に根ざした酒造りや年間100人超の見学による地域への人の呼び込みがうかがえるが、経済波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    分析要員の拘束が解消され省力化が大きく図られたとあるが、投入額や付加価値増加など費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    分析の自動化や結果のパソコン出力などデジタル活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    能代市の契約栽培農家の酒米や旧国鉄トンネルの地下貯蔵を活かし、地域の個性と見学者の呼び込みにつなげる取組が具体的に読み取れる。

今後の展望

地域に根ざした酒造りを続け、地元能代での飲用と見学を通じて県外から人を呼び込み、当社商品の個性をアピールしていく。

  • 目標:従来は一検体の確認に1時間程度必要であった

事業者の声

個人差なく正確な分析が可能になったことも大きいが、システム導入で一番良かったと感じているのは、酒造りにこれまで以上に集中できるようになったこと。蔵人に余裕が生まれ、自ら考えて行動するようになった。蔵内の清掃含め、これまで単純に「作業」として捉えていたものにも意味を見出してくれるようになったことが大きい。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。