ものづくり補助金平成28年度製造業山形県

外観自動検査機導入による自動車部品のハイスピード検査ラインの構築

株式会社伊藤製作所

成果検査時間 32秒→10秒

この事例のポイント

  • 全数目視検査で検査時間に個人差があり、仕掛品の停滞が増えていた。
  • 画像処理を用いた外観自動検査機を開発・導入し、自動車部品のハイスピード検査ラインを構築した。
  • 検査時間 32秒→10秒。新しい外観自動検査機の導入により検査時間が大幅に削減され、1日あたり延べ46時間の人工による検査時間の短縮が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社伊藤製作所
所在地山形県 山形市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数60人
資本金5,000万円
設立1963年

事業の背景

昭和22年に山形市で創業し、ミシン部品の生産から事業を始めた。自動車、半導体製造装置、産業機械など幅広い分野の精密部品を製造しており、難削材の超精密・高精度加工を得意としている。現在受注している自動車部品のコネクタボルトは年間売上の20%を占めている。生産工程で加工時の切りくずが製品に付着することがあり、全数目視検査を行っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能全数目視検査で検査時間に個人差があり、仕掛品の停滞が増えていた。
  • 品質・精度ヒューマンエラーによりNG品を見逃すことがあった。
  • コスト・採算見逃し防止のため検査工数と検査人員が増えていた。

やったこと

画像処理を用いた外観自動検査機を開発・導入し、自動車部品のハイスピード検査ラインを構築した。導入したのはコネクタボルト画像検査装置で、光学カメラと画像解析装置を備えている。各工程で定点撮影を9コマごとにおおよそ20回撮影して部品を解析し、内周面及び外周面の異物付着や形状不良などの合否判定を自動で行う。平成29年12月15日に設置し、翌日から10日間の測定テスト期間を経て実稼働した。サンプルデータでは検査時間が32秒から10秒になることを確認した。

  • 検査測定コネクタボルト画像検査装置外観自動検査機

事業の効果

  • 検査時間 32秒→10秒
  • 外観検査時間を約75%短縮する
  • 検査時間が約699%削減(誤記の可能性があり原文のまま)
  • 検査人員 7名→4名

新しい外観自動検査機の導入により検査時間が大幅に削減され、1日あたり延べ46時間の人工による検査時間の短縮が実現した。個人によるバラつきがなくなり、不良品流出もなくなることを確認した。月産16万個の場合、検査人員は7名から4名へ約半減し、コスト削減と生産性向上の体制が整った。現場のモニターやPCとLANで接続し、日次・月次のデータ分析で品質データを確認し、NG品を減らしながら作り込みを強化できる体制も整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性コネクタボルトは売上の20%を占め、A社エンジン向けで全数納入しており、難削材の超精密加工という強みを検査で裏付けている。
  • 4
    課題の認識と解決目視検査で検査時間のバラつき・見逃しを課題と特定し、検査時間を32秒から10秒へ短縮する計画で解決を図っている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標検査時間を約75%短縮し、1日延べ46時間削減、7名から4名への体制変更と具体的な目標・効果を示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用自動車部品の供給網における品質安定化に触れているが、地域への経済波及や雇用創出の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のミシン部品からの加工技術の蓄積があり、精密部品製造の延長として検査自動化を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    コネクタボルトは売上の20%を占め、A社エンジン向けで全数納入しており、難削材の超精密加工という強みを検査で裏付けている。

  • 課題の認識と解決4

    目視検査で検査時間のバラつき・見逃しを課題と特定し、検査時間を32秒から10秒へ短縮する計画で解決を図っている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    検査時間を約75%短縮し、1日延べ46時間削減、7名から4名への体制変更と具体的な目標・効果を示している。

  • 事業を進める体制3

    導入後に10日間の測定テスト期間を設け、実質稼働に至った手順が示され、従業員60名の製造体制で運用している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客の全数検査ニーズと不良品流出ゼロの要請に応え、A社の次期モデルでも増産が見込まれる受注見通しがある。

  • 事業化までの道筋3

    導入から稼働までの日程と、今後は検査精度向上と原価低減に取り組む段階的な計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    画像処理による外観自動検査を自動車部品の検査ラインに適用し、高精度加工と組み合わせた高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品の供給網における品質安定化に触れているが、地域への経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    検査工数の削減と生産性向上、年間売上が5年後に3割以上伸びる想定を示し、費用対効果の方向性が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    画像処理と光学カメラを用いた自動検査装置を導入し、現場モニターとLANで品質データを分析して対策に反映する仕組みを構築している。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    自動車部品の検査自動化という製造の高度化には触れているが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    山形市の地場企業として精密部品を製造している事実はあるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は弱い。

今後の展望

コネクタボルトは乗用自動車のエンジン部品などに使われ、今後も増産が見込まれる。今後は検査精度を向上させ、さらなる検査時間の削減と原価低減を進めて注文拡大につなげる。5年後には現状の年間売上高を約3割以上伸ばすことを想定している。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。