ものづくり補助金平成24年度島根県

自動鋳鉄黒鉛球状化率測定装置の開発

エステック株式会社

成果測定時間 10分→4分

この事例のポイント

  • 球状黒鉛鋳鉄の黒鉛球状化率測定は人手によるところが多く、効率化が進んでいない。
  • 測定面の研磨から測定値の結果出力までを一体で行う自動球状化率測定装置を開発した。
  • 測定時間 10分→4分。2台の装置で行っていた作業を1台に集約したことで、研磨工程と測定工程の連動作業が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名エステック株式会社
所在地島根県 松江市
業種はん用機械器具製造業
技術分野鋳造
資本金8,500万円
設立1991年

事業の背景

エステック株式会社は島根県松江市に本社を置き、試料の調製装置開発を皮切りに切断機など工場用設備を製造している。そのほとんどがものづくり企業からの相談を発端とした開発である。鋳物メーカーでは生産された鋳物の黒鉛球状化率を確保できているか測定することが必須となっており、自動化の要望が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力球状黒鉛鋳鉄の黒鉛球状化率測定は人手によるところが多く、効率化が進んでいない。
  • 人手・技能人手による測定は1検体あたり10〜30分かかり、測定者ごとに測定値のばらつきが生じて製品の信頼性に影響するおそれがある。
  • 生産能力鋳造製品の生産量が増加傾向にあり、測定作業のさらなる煩雑化が予測される。

やったこと

測定面の研磨から測定値の結果出力までを一体で行う自動球状化率測定装置を開発した。研磨工程では研磨面の安定性を確保するため様々な状態で試作を行い、加工条件を絞り込んで標準的な加工条件を設定した。測定は独自の測定システムを構築し、基本システムは株式会社より開発を行った。研磨面のキズなどを除去する外乱自動除去機能を含めた。研磨工程と測定工程の2台の装置を1台に集約し、専用解析ソフトを組み込んだ試作装置を完成させた。

  • 検査測定自動球状化率測定装置
  • ソフト黒鉛球状化率自動測定用専用解析ソフト

新しい製品・サービス:黒鉛球状化率自動測定装置(自動研磨部分と画像解析システムを含む)

事業の効果

  • 測定時間 10分→4分

2台の装置で行っていた作業を1台に集約したことで、研磨工程と測定工程の連動作業が実現した。研磨開始から測定結果出力までを4分で行え、目標の5分以内を達成した。測定値の安定化については、研磨面のキズ残りや面のうねりにより観察に適さない視野が取り込まれることがあるため、研磨条件の見直しなどが今後の課題として残っている。測定精度は現状の手作業レベルと同等を目指した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決人手による測定が10〜30分かかる課題を示し、5分以内・精度は手作業同等という目標で装置を開発し、4分で出力を達成したと書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標目標5分に対し研磨開始から結果出力まで4分で達成したとあり、付加価値の数値目標の実現性が事例から読み取れる。ただし付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け手作業では測定者ごとにばらつきが生じるという課題と、誰が測定しても同じ結果が得られる必要性が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制基本システムは株式会社との共同開発とあるが、体制や人材、事務処理能力についての記述はわずかにしかない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    製造業の鋳物メーカー向けに試料調製装置から切断機まで長年開発してきた実績が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内390社の代表的鋳物メーカーの2〜3割へアプローチし、東南アジア展開も行うとあるが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    人手による測定が10〜30分かかる課題を示し、5分以内・精度は手作業同等という目標で装置を開発し、4分で出力を達成したと書かれている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標5分に対し研磨開始から結果出力まで4分で達成したとあり、付加価値の数値目標の実現性が事例から読み取れる。ただし付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    基本システムは株式会社との共同開発とあるが、体制や人材、事務処理能力についての記述はわずかにしかない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    手作業では測定者ごとにばらつきが生じるという課題と、誰が測定しても同じ結果が得られる必要性が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    販売レベルへの引き上げに向けて試験使用を重ね、協力企業を探すとあり、測定値安定化の課題と見直しも書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ダクタイル鋳鉄の黒鉛球状化率を自動測定する装置は一般に普及していない分野で、測定工程の自動化を実現した点が書かれている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    自動車部品や水道管など重要部品の品質確保に寄与するとあるが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    測定時間が10〜30分から4分へ短縮されたと書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像解析と自動研磨を組み合わせ、外乱自動除去機能を備えた測定システムを開発したとあり、デジタル技術の活用がうかがえる。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    製造業の品質確認を支える装置開発とあり、構造転換への言及は乏しく、海外展開の記述がわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

今後の試験使用で経験を重ね、積極的に協力いただける企業を探して製品化を進める。国内の代表的な鋳物メーカー約390社のうち2〜3割程度の企業へアプローチし、東南アジアを中心に海外展開する企業への提案も行う。

  • 目標:研磨開始から測定結果出力まで5分以内を目標とした。

事業者の声

今回の補助事業に採択され黒鉛球状化率自動測定のための専用解析ソフトを組込んだ試作装置が完成し目標レベルの性能を達成することが出来ました。今後信頼性の向上を図り販売へ繋げていきます。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。