ものづくり補助金平成28年度製造業山形県

最新マシニングセンタ導入による加工範囲の拡大と品質、生産性の向上

株式会社ファルシオン東北

成果加工範囲 1倍→1.5倍

この事例のポイント

  • 大型サイズの加工は自社設備では対応できず、外注に頼るほかなく受注機会を逃していた。
  • 最新モデルの門形マシニングセンタ(2パレット仕様)を導入した。
  • 加工範囲 1倍→1.5倍。大型ベースプレートなどの加工を自社で行えるようになり、外注に頼っていた受注機会を取り戻した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ファルシオン東北
所在地山形県 川西町
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数4人
資本金100万円
設立2011年

事業の背景

当社はベースプレートの加工を主力とし、自動車や半導体産業向けに製造装置の部品を供給している。近年は新興国が低価格を武器に存在感を増し、難易度の低い安価な加工品は価格競争により海外へ移りつつある。国内のニーズは高精度・高品質、短納期、大型化へ進むとみられる。従来設備で対応できる小さなサイズは競合が多く受注競争が激しい一方、大型サイズは自社設備で加工できず外注に依存していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型サイズの加工は自社設備では対応できず、外注に頼るほかなく受注機会を逃していた。
  • 集客・繁閑従来設備で対応できる小物の加工は競合他社が多く、激しい受注競争にさらされていた。
  • 品質・精度国内の需要は高精度・高品質、短納期、大型化へ進むとみられるが、それに十分応えられていなかった。

やったこと

最新モデルの門形マシニングセンタ(2パレット仕様)を導入した。最大加工範囲はX1500×Y800×Z660mmで、従来設備の約1.5倍に拡大した。加工精度も向上し、これまで外注していた加工公差の厳しい製品を自社で加工できるようになった。2パレット仕様により、一方に バイスを搭載した小物用、もう一方にバイスを載せない大物用として使い分けられるようにした。ツール収納本数は60本で、ツール交換時間が劇的に減少した。

加工機門形マシニングセンタ(2パレット仕様)

事業の効果

  • 加工範囲 1倍→1.5倍

大型ベースプレートなどの加工を自社で行えるようになり、外注に頼っていた受注機会を取り戻した。加工範囲と精度の向上により、これまで対応できなかった加工公差の厳しい製品や付加価値の高い製品も受注できるようになった。2パレット仕様によりバイスの着脱が不要になって作業効率と生産性が上がり、短納期対応とコストダウンが可能になって他社との差別化が進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    ベースプレート加工をメインとしてきた既存事業との関係はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内需要は高精度・高品質・短納期・大型化に向かうと書かれ、他社との差別化を図るとあるが、自社の強み弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    従来は大型サイズを外注に頼り受注機会を逃していたという課題が示され、大型加工の内製化で受注拡大につなげる計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工範囲が従来の約1.5倍に拡大し、2パレットで生産性向上とあるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員4名の会社であることは書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・高品質・短納期・大型化へのニーズと、医療機器関連への取引先の広がりが書かれ、選ばれる理由も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は医療機器関連など新分野への対応を進めるとあるが、スケジュールや課題の解決方法までは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型ベースプレートや高精度加工は同分野で競合が多いと書かれ、高付加価値化を図る内容とはいえ、水準の明示は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国内需要の変化や国内生産の維持といった波及効果の記述はわずかで、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果2

    加工範囲1.5倍や外注削減は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新分野や医療機器関連への展開は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療機器など新分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大型化、高精度・高品質化、短納期に対応できる生産体制が整い、受注機会の損失を防ぐだけでなく、新たな受注増や今まで参入していなかった分野への道が開かれた。主な取引先は医療機器関連にも力を入れており、これまで培った技術力を活かして高品質化や寸法・形状精度の高度化に応え、新たな分野にも柔軟に対応できる生産体制を整えていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。