ものづくり補助金平成28年度学術研究、専門・技術サービス業山形県

UAV-LiDARシステム(無人航空機測量計測レーザー)を用いた三次元航空測量の精度向上と作業効率の改善

株式会社寒河江測量設計事務所

この事例のポイント

  • 写真測量解析ではデータ容量が大きく、後処理に時間がかかっていた。
  • 最新の業務用無人航空機(UAV・ドローン)に測量計測用レーザー(LiDAR)を搭載した。
  • UAV-LiDARシステムにより、想像以上のスピードで精度の高いデータを取得できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社寒河江測量設計事務所
所在地山形県 寒河江市
業種技術サービス業
従業員数48人
資本金3,000万円
設立1966年

事業の背景

創業53年の地域総合建設コンサルタント企業で、橋や道路の建設・維持、社会インフラ整備の調査、測量、補償コンサル、設計などを行っている。建設業界では労働者不足が問題となっており、一人当たりの生産性向上や安全で魅力ある職場づくりが急務とされている。国土交通省のi-Constructionに取り組むことが求められ、新技術の導入や事故削減が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力写真測量解析ではデータ容量が大きく、後処理に時間がかかっていた。
  • 品質・精度写真測量では測量精度に限界があった。
  • 人手・技能熟練技術者の離職や若手の入職不足により、技能労働者の人手不足が著しい。
  • コスト・採算測量精度を上げるには草木伐採などの従来以上の事前準備が必要だった。

やったこと

最新の業務用無人航空機(UAV・ドローン)に測量計測用レーザー(LiDAR)を搭載した。ネットワーク型RTK-GNSS(リアルタイム位置補正測位システム)を用いて正確な位置情報を取得し、リアルタイムでデータ解析できるようにした。機体と地上の基準局をネットワークに接続し、飛行中に取得した3次元カラー点群データを操作用PCでリアルタイムに確認できるようにした。地上の操作用PCをデータ通信網によるIoT接続で、遠く離れた事務所からも計測中のデータを確認できるようにした。

  • 加工機業務用無人航空機UAV・ドローン
  • 検査測定測量計測用レーザーLiDARネットワーク型RTK-GNSS
  • ソフト専用解析ソフト

新しい製品・サービス:UAV-LiDARシステム(無人航空機測量計測レーザー)を用いた三次元航空測量

事業の効果

UAV-LiDARシステムにより、想像以上のスピードで精度の高いデータを取得できるようになった。取得データの解析も専用ソフトで必要な精度のデータを作成でき、i-Construction対応の出来型管理図等を規定通りに作成して成果品として納品できるようになった。断面計測、3Dモデリング、遺跡調査、災害状況調査などの測量作業もでき、精度を確保しながら正確な情報を取得でき、生産性向上に有効な成果を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    イノベーションへの貢献ネットワーク型RTK-GNSSやloT接続でリアルタイム解析を実現し、i-Construction対応の成果品作成まで具体的に記述されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性創業53年の総合建設コンサルで測量・設計を手がけ、UAV写真測量や地上型レーザーの導入経緯は書かれるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。
経営戦略との整合性2.3
  • これまでの取組との一貫性2

    創業53年の総合建設コンサルで測量・設計を手がけ、UAV写真測量や地上型レーザーの導入経緯は書かれるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    人手不足や生産性向上の要請は背景に書かれるが、市場動向や自社の強み・弱みを踏まえた競争優位の記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    写真測量の解析時間、データ容量、草木伐採など事前準備の課題が具体的に挙げられ、LiDAR導入で解決を図る流れが読み取れる。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されず、生産性向上が有効だったとの記述にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    従業員48名の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    断面計測、3Dモデリング、遺跡・災害調査など用途は挙げられるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的でない。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として研究開発や人材育成への取組が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    UAVレーザー測量はUAV写真測量が主流との記述があり、新分野であることはうかがえるが、普及度の数値は示されない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    災害現場や危険箇所での測量を担う点や、建設業界の人手不足解消への貢献が国の施策と結びつけて述べられている。

  • 費用対効果2

    スピードや精度の向上は書かれるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ネットワーク型RTK-GNSSやloT接続でリアルタイム解析を実現し、i-Construction対応の成果品作成まで具体的に記述されている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    i-Constructionの推進やUAVレーザー測量の普及に触れ、建設分野の生産性向上への寄与がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    山形県寒河江市の企業として地域に貢献する方針が述べられるが、地域特性を活かした付加価値の具体的記述は薄い。

今後の展望

UAV-LiDARのリアルタイム解析と高精度な点群データを活用できる業務を広げ、建設業や行政機関と連携して新たな技術分野の研究開発を進める。災害現場や立ち入りが困難な危険箇所でも地形を立体的に捉えられ、安全性と生産性の向上に有効な技術として、人材確保と育成に力を入れ、地域に貢献できる企業を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。