ものづくり補助金平成29年度学術研究、専門・技術サービス業佐賀県

地上型レーザースキャナーの導入による測量精度・生産性・安全性の向上

シマウチエンジニアリング株式会社

成果1秒間に10万点の計測が可能になった

この事例のポイント

  • 樹木が生い茂った山地など上空から地表面が直接見えない場所では、ドローンによる写真測量で地形データが取得できなかった。
  • 地上型レーザースキャナーを導入し、ドローンによる測量データを補完する体制を整えた。
  • 1秒間に10万点の計測が可能になった。山地などで必要だった人的作業による補足が不要になり、安全性向上、作業効率アップ、生産性の拡充を図ることができた。

事業者のプロフィール

事業者名シマウチエンジニアリング株式会社
所在地佐賀県 佐賀市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
技術分野測定計測
従業員数30人
資本金1,250万円
設立1988年

事業の背景

当社は創業以来、建設コンサルタントとしてダム調査から軟弱地盤解析まで地盤関連業務に携わり、調査、試験、解析、地下環境の影響調査などで多くの実績を積んできた。国土交通省が平成28年度から推進する「i-Construction」に合わせ、ドローンを活用した測量技術の効率化を進めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力樹木が生い茂った山地など上空から地表面が直接見えない場所では、ドローンによる写真測量で地形データが取得できなかった。
  • 人手・技能データを補完するための従来の測量作業は計測点を1点ずつ測るため、多くの人員と手間がかかっていた。
  • 納期・工程航空法によりドローンの飛行エリアが制限され、解析に必要な写真データが取得できないこともあった。

やったこと

地上型レーザースキャナーを導入し、ドローンによる測量データを補完する体制を整えた。この機器は樹木の間をすり抜けて地表面まで到達するため、樹木が生い茂った山地でも補足作業が不要になった。1秒間に10万点の計測が可能で、作業時間が格段に短くなり、設置場所も地上のためドローンのような使用場所の制限がない。当社がこれまで築いてきた3次元解析・図化のノウハウを基礎に、写真測量の技術的課題を地上型レーザースキャナーで補完することで、精度の高いデータを取得できるようになった。

検査測定地上型レーザースキャナー

新しい製品・サービス:土木建築用アプリケーション「アテネット」(遠隔臨場に準拠した立会システム。立ち合い業務に必要な機能をタブレット端末1台に集約)

事業の効果

  • 1秒間に10万点の計測が可能になった

山地などで必要だった人的作業による補足が不要になり、安全性向上、作業効率アップ、生産性の拡充を図ることができた。場所の制限なく計測できるようになり、測量精度も向上した。当社の技術とICTの相乗効果により顧客満足度が向上し、十分な市場の開拓および拡大が見込めるようになった。さまざまな現場の要求に応じた測量手法を提案でき、ドローンと地上型レーザースキャナーを使い分けることで価格面でも顧客に満足いただけるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の地盤調査・3次元解析・図化の実績を基礎に地上型レーザースキャナーを導入したと書かれており、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ドローン測量の限界を補い、山地でも補足作業が不要になると述べ、強みを活かす記述はあるが市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    補完作業に多くの人員と手間がかかるという課題を示し、1秒10万点の計測で作業時間が格段に短くなると解決策を具体的に述べている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、実現可能性を判断する目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員30人とあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客満足度の向上、場所の制限なく計測できる点、手法の提案が可能になった点など価値は書かれているが、ターゲットの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として官民建設分野や道路法面などへの展開が挙げられているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3次元データ活用は今後大きく進展する分野と述べられているが、普及度や高価格化の水準を示す数値はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    i-Constructionの推進に合わせた取組で、国が政策として促進する3次元データ活用に関連すると述べられている。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加幅は示されておらず、費用対効果は定量的には読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    ICTの相乗効果による生産性向上や遠隔臨場に準拠したシステム開発の記述があり、建設分野のデジタル化への貢献がうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    i-Constructionに合わせた3次元データ活用という政策分野への進出が書かれており、構造転換への関連はうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    佐賀市の企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3次元データの活用は国が政策として促進している分野で、今後大きく進展し市場の広がりが見込める。本事業の推進により今後さまざまな取り組みで収益拡大をめざす。道路法面や橋梁躯体の高所作業、遺跡発掘箇所の3次元図化、土砂災害時の地形情報の迅速な取得などの事業や、農業など土木建築以外の分野への情報化技術提供も考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。