ものづくり補助金平成29年度学術研究、専門・技術サービス業埼玉県

地上レーザースキャナー技術の導入による高精度・高効率測量の実現

株式会社ヤマホン

この事例のポイント

  • 従来の光波測距儀による測量は1点ずつ測るため、機械を操作する人と測点のミラーを設置する人の2人が必要だった。
  • 補助金を活用して地上レーザースキャナー(TLS)を導入した。
  • 地上レーザースキャナーの導入により、現場作業に要する時間が従来の3分の1〜4分の1程度に短縮できる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマホン
所在地埼玉県 秩父市
業種技術サービス業
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

株式会社ヤマホンは秩父市で測量を主力とし、道路や河川、上下水道などの設計、土地の開発造成設計や農地転用などの開発・調査も行っている。従業員は6人で、建設業と貨物運送業の3社とグループ企業を組んでいる。秩父という山間地の土地柄から、がけ地や急斜面、冬場の凍結地での測量が多い。国土交通省のi-Construction(アイ・コンストラクション)の取り組みにより、ICT施工が広がる流れがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能従来の光波測距儀による測量は1点ずつ測るため、機械を操作する人と測点のミラーを設置する人の2人が必要だった。
  • 生産能力山間地のがけ地や急斜面、冬場に地面が凍る場所では測量に時間がかかり、危険な箇所に立ち入る必要があった。
  • 新製品・新技術国土交通省が建設現場の全プロセスにICT施工を進めており、ICT施工の指定が増える可能性があるため、対応できる測量技術が必要になっていた。

やったこと

補助金を活用して地上レーザースキャナー(TLS)を導入した。TLSはレーザーを発して周囲の空間位置情報を大量の点群データとして一度に取得し、取得したデータは3D表示できる。測定間隔はミリ単位の段階から選べ、所定の場所に設置すれば自動で測量できるため、最少1人で作業ができる。現場作業に要する時間は従来の3分の1〜4分の1程度に短縮できる見込みである。TLSを使うことで危険な箇所に立ち入らずに測量を行える。

検査測定地上レーザースキャナー(TLS)

事業の効果

地上レーザースキャナーの導入により、現場作業に要する時間が従来の3分の1〜4分の1程度に短縮できる見込みである。最少1人で測量でき、従来の2人体制の負担が減る。危険な箇所に立ち入らずに測量できるため、安全に作業を進められるようになる。点群データを活用してICT施工に対応できるため、今後の受注拡大につながることが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2019年にものづくり補助金でTLSを導入したとあり、測量から設計、開発造成まで手がける事業の延長線上の取組と読める。ただし一貫性を示す記述は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    TLSは危険箇所に立ち入らず測量でき、ICT施工の指定増加が見込まれると書かれている。強みと外部環境の関係は示されるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    光波測距儀は2人が必要で、冬場の凍結地や急斜面での作業が課題と具体的に述べられ、TLSでその解決を図る流れが読める。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    現場作業時間が従来の数分の一程度に短縮できると書かれているが、数値目標は読み取りにくく、実現可能性の根拠も示されていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員6人の会社で、TLSは所定の場所に設置すれば最少人数で自動測量できると記され、人員体制と業務の対応が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    i-Constructionの取組を推進し、ICT施工の指定増加を見込んでいると書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入の動機やTLSの活用場面は述べられているが、今後の遂行スケジュールや課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    測量分野でTLSを導入した事例だが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述はほぼない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    国土交通省が建設現場の全プロセスでICT施工を進めていると書かれ、国の施策との関連が読み取れる。

  • 費用対効果2

    現場作業時間が従来の数分の一程度に短縮できるとわずかに示されるが、補助金額に対する効果の数値は記載がない。

  • イノベーションへの貢献4

    TLSで収集した大量の点群データを、i-Constructionの根幹として道路設計や土量算出、重機への入力に活用する具体的な内容が書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    国のICT施工推進に沿い、測量と設計を結ぶ建設DXの流れに乗る取組と読める。ただし構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    秩父の山間地や急斜面、冬場の凍結といった地域特性に触れており、地域の課題に対応する事業と読めるが、経済成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。