ものづくり補助金平成28年度漁業茨城県

キャビア・チョウザメ生肉の加工低温保管の増設整備による合理化計画

有限会社つくばチョウザメ産業

この事例のポイント

  • 生肉や肉加工品、キャビアの加工・解体を養殖場から10km離れた加工場で行っており、生魚の搬送が効率と作業の両面で大きなネックとなって生産効率を大きく下げていた。
  • 養殖水槽に隣接して加工場を新設整備し、解体や加工を養殖場で行えるようにした。
  • 加工場を養殖水槽の隣に設けたことで、生魚を10km先まで搬送する必要がなくなり、生産効率が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社つくばチョウザメ産業
所在地茨城県 つくば市
業種水産養殖業
従業員数2人
資本金7,100万円

事業の背景

2010年につくば市で養殖を始め、その後桜川市真壁町に養殖場を移転して現在4,000尾を飼育している。2014年から雄を肉缶詰(1缶1,000円)として販売しているが、少量の販売では採算が取れていなかった。キャビアは生後7〜8年以上かかるため、2018年から2019年にかけて初めて出荷でき、本格的な生産にはあと1〜2年が必要な状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生肉や肉加工品、キャビアの加工・解体を養殖場から10km離れた加工場で行っており、生魚の搬送が効率と作業の両面で大きなネックとなって生産効率を大きく下げていた。
  • 生産能力製品や中間品を低温保管する容量が不足しており、計画的な生産ができなかった。
  • 納期・工程需要が増えても対応できず、販路の拡大に結びつけられなかった。

やったこと

養殖水槽に隣接して加工場を新設整備し、解体や加工を養殖場で行えるようにした。本補助事業で大型の冷凍庫と冷蔵庫を導入し、冷蔵・冷凍で管理できる体制を整えた。これにより、以前の小型冷蔵庫では保管できなかった生肉をストックできるようになり、同業他社との差別化を図った。メスは卵が最も良い状態のときに加工するため、注文がなくても解体して肉を冷凍保存し、後に味付けして販売できるようにした。

その他大型冷蔵庫
その他大型冷凍庫

事業の効果

加工場を養殖水槽の隣に設けたことで、生魚を10km先まで搬送する必要がなくなり、生産効率が上がった。大型の冷蔵・冷凍設備により、生肉やキャビアを計画的にストックして生産できるようになり、需要増に対応する体制が整った。生肉を味付けして販売する展開や、ホテルや催事向けの販売も広がった。この結果、ふるさと納税の返礼品にも採用され、年150セット程度を販売している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2010年からの養殖事業やキャビア出荷など過去の取組の流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    首都圏ホテル・レストランへの高級食材販売や同業他社との差別化に触れるが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    生魚搬送10km問題や低温保管容量不足を課題として挙げ、加工場新設と大型冷蔵庫導入で解決する計画が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値増加や賃上げの数値目標は書かれていないが、年150セットの販売実績がうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    従業員2名で養殖から販売まで行っていることは読めるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高価値商品として高級食材市場を狙い、ふるさと納税返礼品やホテル催事での採用実績など顧客と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    古民家レストランの開業準備や廃校プールでの養殖計画など今後の展開は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本金7,100万円の記載はあるが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    チョウザメのキャビアは国内で認知度が低い高付加価値品で、高級食材としての高価格販売を図る点が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    チョウザメ食文化の普及やまちおこし、特産品のない町への波及に触れるが、国が補助する理由としての経済波及効果は数値で示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていないが、生産効率向上の狙いはうかがえる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    桜川市の廃校プールや真壁石の加工場跡など地域資源を活かし、まちおこしと地域経済への貢献が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はキャビアを首都圏のホテル・レストランへ高級食材として販売し、高収益事業を確立したいと考えている。桜川市ではチョウザメ料理を提供する古民家レストランの開業準備を進めており、廃校のプールでの養殖も計画している。

事業者の声

栄養価の高いチョウザメの食文化を広げるため、安心安全な肉やキャビアを提供していきたいです。チョウザメは、土地と水があれば養殖できるので、農家のサイドビジネスとしても最適です。チョウザメ産業のすそ野を広げるためにも、成功例をつくりたいと考えています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。