ものづくり補助金平成28年度製造業茨城県

最新型製缶複合加工機による鉄道車両向け冷却装置製缶品の従来比200%の高効率生産システムの実現

株式会社中村自工大成製作所

成果冷却装置の生産量が従来比200%(年間目標120台)に向上

この事例のポイント

  • ディーゼル気動車の更新需要に対し、年間約120台の冷却装置が必要となる一方、同社の生産能力は年間約60台にとどまっていた。
  • 冷却装置の主部品である製缶フレームの加工に、「レーザ・タレットパンチング複合加工機」を導入した。
  • 冷却装置の生産量が従来比200%(年間目標120台)に向上。製缶フレームの加工コストおよびリードタイムが大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中村自工大成製作所
所在地茨城県 高萩市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数42人
資本金4,500万円

事業の背景

同社は、JRなど鉄道事業各社および車両メーカーに対し、ディーゼル気動車の内燃機関を冷却する銅製熱交換器を提供する国内唯一のメーカーである。鉄道事業各社では昭和50年代前半に導入したディーゼル気動車のうち約800両が耐用年数30年を超えており、2018年から年間80両ずつ新車へ置き換える更新計画が進んでいた。さらに既存車両の内燃機関更新、ミャンマー向けODAの新車および中古車改造計画もあり、年平均約120台の冷却装置が必要となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ディーゼル気動車の更新需要に対し、年間約120台の冷却装置が必要となる一方、同社の生産能力は年間約60台にとどまっていた。
  • コスト・採算製缶フレームの加工では、裁断や穴開けなどの前準備を含め工程ごとに専任作業者が必要で、生産時間と労務費削減のネックとなっていた。
  • 生産能力従来の機械は外形・穴抜きのみの単機能で、寸法割出やプログラム作成に手間がかかり、部品サイズごとに切り板を都度用意する必要があった。

やったこと

冷却装置の主部品である製缶フレームの加工に、「レーザ・タレットパンチング複合加工機」を導入した。CADデータを利用して規格定尺板に部品を自動配置し、裁断・穴開け・タップまでを一気に行うため、切り板をサイズごとに用意する必要がない。プログラム作成から加工までを1人のオペレーターで行えるようになり、設計から部品加工までのワンストップ化を実現した。銅製熱交換器は平成24年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金で放熱フィンの量産化を済ませており、今回は製缶フレームの製造能力向上を図った。

加工機レーザ・タレットパンチング複合加工機(製缶複合加工機の最新モデル)

事業の効果

  • 冷却装置の生産量が従来比200%(年間目標120台)に向上
  • 生産スピード 1倍→2.5倍

製缶フレームの加工コストおよびリードタイムが大幅に削減された。冷却装置の生産量は従来比200%となり、2018年から10年間、課題であった約1200台の冷却装置を納入できるようになった。品質(放熱性能、耐目詰まり性能、振動耐久性)の確保とコスト削減も達成した。今後はグループ企業が外注していた作業を内製化し、グループ全体の稼働率向上を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の放熱フィン量産化の取組(平成24年度補助金)に続く課題として製缶フレーム能力向上に取り組んだと読める。経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内唯一のメーカーでシェアはほぼ100%、ディーゼル気動車の更新需要が年間120台で生産能力60台を補う、と強み・外部環境が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力年間約60台に対し必要120台という課題を明示し、複合加工機導入で生産量200%アップという解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間目標120台に対し生産スピード2.5〜3倍、年間120台を大きく超える量産化、コスト削減達成と数値目標と結果が書かれている。

  • 事業を進める体制2

    プログラム作成から加工まで1人のオペレーターで可能になったとあるが、体制や人材確保の計画は詳述されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国内唯一のメーカーであり鉄道事業各社のニーズに応える点、各社独自のスタイルへの対応は書かれるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の成果と今後の計画(グループ企業の外注作業の内製化)は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鉄道車両用冷却装置の分野で国内唯一のメーカーとあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    ディーゼル気動車の更新計画で約800両が耐用年数超過とあり、鉄道事業の安定運行という公的な必要性が具体的に読み取れる。

  • 費用対効果3

    生産量200%アップやリードタイム削減は読み取れるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザ・タレットパンチング複合加工機の導入は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献やデジタル技術の波及は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    茨城県高萩市の本社工場とあるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

グループ内の工場が導入した複合加工機を利用し、これまで外注していた作業を請け負うことを計画しており、内製化の向上とグループ企業全体の稼働率向上を目指していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。