ものづくり補助金平成28年度製造業栃木県

ダブルモールド金型部品の6面研磨加工の生産性向上

有限会社那須金型製作所

成果平均的な部品で固定治具の制作時間が削減され、およそ1.5時間(約23%)の大幅な削減が可能となった。

この事例のポイント

  • 傾斜面のある金型部品加工をもっと効率的に行いたいという課題があった。
  • 砥石の縦方向の可動範囲が大きい精密成形研削盤PFG500DXPLⅡ(Okamoto)を新たに導入した。
  • 平均的な部品で固定治具の制作時間が削減され、およそ1.5時間(約23%)の大幅な削減が可能となった。傾斜面の標準的な加工部品について、固定治具の制作時間が削減されたことで研磨加工の工数が約1.5時間(約23%)削減でき…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社那須金型製作所
所在地栃木県 那須烏山市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数3人
資本金500万円
設立1982年

事業の背景

1982年の創業当初はブラウン管などの電子機器向け金型を主力にしていたが、やがて多種多様な業界向けの金型製造に携わるようになった。様々な金型製造を通じて超精密加工技術が培われ、それが同社の強みとなっている。自動車部品向けダブルモールド金型部品の6面研磨加工の依頼が増えており、異材質を一体成形するダブルモールドは組立作業が発生しないため海外との価格競争に対抗でき、需要が増加していると思われる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力傾斜面のある金型部品加工をもっと効率的に行いたいという課題があった。
  • コスト・採算研磨加工の工数を見直し、業務効率化を図る必要があった。
  • 人手・技能職人技を伝承していくことが求められていた。

やったこと

砥石の縦方向の可動範囲が大きい精密成形研削盤PFG500DXPLⅡ(Okamoto)を新たに導入した。これまで傾斜面の加工では角度固定治具を都度作っていたが、回転傾斜式テーブルを導入して前後方向の角度を随時変更できるようにし、さらにその上に角度プレートを載せて左右方向の角度も随時変更できるようにした。部品の固定はクランプによる締付けではなく磁力を用いたマグネット固定式とし、着脱の工数も削減した。これにより、あらゆる傾斜面の依頼に治具レスで対応できるようになった。

加工機精密成形研削盤 PFG500DXPLⅡ(Okamoto)
その他回転傾斜式テーブル
その他角度プレート
その他マグネット固定式の部品固定方式

事業の効果

  • 平均的な部品で固定治具の制作時間が削減され、およそ1.5時間(約23%)の大幅な削減が可能となった。

傾斜面の標準的な加工部品について、固定治具の制作時間が削減されたことで研磨加工の工数が約1.5時間(約23%)削減でき、当初の目標値を達成した。治具レスで多様な傾斜面に対応できるようになり、部品着脱の工数も減った。加工ノウハウの指導により従業員の技術が向上し、生産力の拡大につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1982年創業以来の金型製造と超精密加工の蓄積が強みとして述べられ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品向けダブルモールド金型の6面研磨依頼増加と、組立作業不要による海外との価格競争への対抗が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    角度固定治具の製作が工数の負担だったことを示し、回転傾斜式テーブル等の導入で治具レス化する具体的な改善策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    研磨加工の工数を約1.5時間(約23%)削減し、当初の目標値を達成したと数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員3名で、従業員への加工ノウハウ指導や後継者への技術継承が述べられているが、体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ダブルモールド部品の需要増と、磁力マグネット固定による着脱工数削減など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    技術継承を今後も継続すると述べ、アルミ・銅など非磁性素材への対応が迫られる課題にも触れているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ダブルモールド金型の6面研磨加工という分野で、治具レスの傾斜面加工に取り組むことが書かれているが、高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車の軽量化に伴うプラスチック部品の市場拡大に触れているが、波及効果や雇用創出についての記述はわずかである。

  • 費用対効果4

    約1.5時間(約23%)の工数削減と目標達成が数字で示され、投入額に対する効果の一端がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    マグネット固定や治具レス化による工程改善は述べられるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車の電動化・軽量化による市場変化に対応する方向性がうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    栃木県那須烏山市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車向けプラスチックの市場は拡大が続くと考えられる。ハイブリッド車や電気自動車の伸長で自動車の軽量化が進み、金属からプラスチック部品への置き換わりが進んでいる。研磨加工する素材もアルミニウムや銅など磁気性のない素材への対応が迫られており、本事業を契機に蓄積した技術力にさらに磨きをかけ、次の世代へ伝承して事業発展につなげたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。