ものづくり補助金平成28年度製造業群馬県

チタン加工技術及び複合圧接加工技術の構築で次世代産業に参入

株式会社カキモ

成果加工時間 69分→34分

この事例のポイント

  • チタン材は加工が難しく(難削性)、加工に時間とコストがかかる。
  • NC旋盤2工程とマシニング加工2工程からなるドローン用モーターシャフトを、一般鋼からチタン合金(Ti-6Al-4V)へ変更して試作した。
  • 加工時間 69分→34分。チタン加工で試作の加工時間が予想の半減以下となり、圧接技術により素材を80g軽量化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カキモ
所在地群馬県 邑楽郡千代田町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数51人
資本金300万円
設立1983年

事業の背景

当社は既存の一般鋼による加工技術を持つ。新素材として注目されるチタンは軽量化・高強度・高耐食性から航空機や医療分野で採用されている。ドローン向けモーターシャフトのチタン化について電装メーカーからも期待が寄せられていた。当社の既存取引先の70%は自動車分野である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術チタン材は加工が難しく(難削性)、加工に時間とコストがかかる。

やったこと

NC旋盤2工程とマシニング加工2工程からなるドローン用モーターシャフトを、一般鋼からチタン合金(Ti-6Al-4V)へ変更して試作した。チタン加工に最適な設備を導入し、加工具や切削液を選定して加工条件を設定した。選定した切削水を高圧で噴射して冷却性を上げた。一般鋼での予想加工時間69分20秒に対し、目標は30%減の48分33秒とした。試作の結果、加工時間は34分20秒となり目標を大きく上回った。圧接技術により80gの軽量化に成功した。

加工機チタン加工に最適な設備(NC旋盤・マシニングセンタ)

新しい製品・サービス:ドローンのモーター用チタン製シャフト

事業の効果

  • 加工時間 69分→34分
  • 80gの素材軽量化
  • 1個当たり920円のコスト削減

チタン加工で試作の加工時間が予想の半減以下となり、圧接技術により素材を80g軽量化した。1個当たり920円のコスト削減を達成した。試作を継続して実用化に向けた目処がつき、ドローン分野や航空・宇宙、次世代産業への参入を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の加工技術を生かしチタン加工へ展開する流れは読めるが、過去の取組との一貫性を示す具体的記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ドローン業界の軽量化需要や電装メーカーからの取引要望と、既存の圧接技術による80g軽量化など強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    一般鋼比で加工時間を30%減とする目標を掲げ、34分20秒を実績とし課題の難削性に対応した点が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標48分33秒に対し実績34分20秒、2020年に売上5倍を想定と数値目標があり、実現可能性は示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数51人との記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ドローン向けモーターシャフトの軽量化と耐食性向上、材料比較表による強度と軽さの根拠が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    ドローン、航空・宇宙、次世代産業の3分野について参入時期を2021年や3年目と示し、市場調査の方法も書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    チタン加工は難削材で参入障壁が高く、一般鋼比で加工時間を大幅削減した高付加価値な取組として書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    ドローン普及や次世代産業への参入による地域経済の波及が述べられているが、国が補助する積極的理由の記述は限定的である。

  • 費用対効果4

    加工時間が1個当たり約920円のコスト削減、80g軽量化など投入に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    独自の圧接技術と異種金属接合の融合が示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    成長分野のドローン・航空宇宙へ進出する点は示されるが、日本経済の構造転換に資する記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    埼玉県(邑楽郡)の企業で地域の産業振興に触れる記述はあるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ドローン分野では既存取引先から評価を得ており、2020年にはスタート時の5倍の売上を想定している。自動車分野では2021年からの参入を目指す。航空・宇宙分野では3年目からの参入を目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。