ものづくり補助金平成28年度建設業群馬県

山留め資材の再利用を可能とするリサイクル方法の構築

英重機工業株式会社

成果再使用率 20%→89.3%

この事例のポイント

  • 橋脚等の耐震工事で山留め資材の費用が増大し、利益を圧迫している。
  • 山留め資材の寸法が高さ300mm・幅300mmまで切断できる型鋼帯鋸盤と、曲がった資材を修正する矯正機を新規導入した。
  • 再使用率 20%→89.3%。使用済み山留め資材を矯正・切断・溶接してリユースすることで、再使用率が約2割から89.3%に上がり、山留め工事の資材調…

事業者のプロフィール

事業者名英重機工業株式会社
所在地群馬県 太田市
業種総合工事業
従業員数15人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は地盤改良工事・公共杭打ち抜き工事を中心に事業を行い、鋼矢板やH形鋼の打ち込み専用機を有して山留め工事を得意としている。打ち込み時に地中の石や硬い岩盤にぶつかって変形した資材は再使用できず、新たな購入が必要になる。国土基盤ストックの維持管理・更新費は2030年には現在の約2倍になると予測されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算橋脚等の耐震工事で山留め資材の費用が増大し、利益を圧迫している。
  • コスト・採算打ち込み時に変形した資材は再使用できず、新たな購入が必要となり赤字仕事になる場合もある。
  • 納期・工程変形資材を修理して再利用するリユースの仕組みが求められている。

やったこと

山留め資材の寸法が高さ300mm・幅300mmまで切断できる型鋼帯鋸盤と、曲がった資材を修正する矯正機を新規導入した。新品資材の寸法許容差と使用済資材の廃棄基準をもとに、鋼材レンタル業者の引き取り基準を超える厳しい矯正基準を社内で定めた。矯正装置で変形したH形鋼を油圧ピストンで加圧して修正し、修正不能な部位は切断除去して短いサイズを溶接でつなぎ合わせ製品に仕上げた。矯正装置の限界を見極める実験は意味がなくなったため中止し、導入装置の矯正実力把握実験を行った。

加工機型鋼帯鋸盤
加工機矯正機(鋼材矯正装置)

新しい製品・サービス:使用済み山留め資材の矯正・リユースによる再生品の販売・レンタルサービス

事業の効果

  • 再使用率 20%→89.3%
  • 材料費 239万円→183万円
  • 営業利益 291万円→347万円
  • 利益率 23.3%→27.8%

使用済み山留め資材を矯正・切断・溶接してリユースすることで、再使用率が約2割から89.3%に上がり、山留め工事の資材調達コストを削減できる。橋脚補強工事1件あたりの材料費は239万円から183万円となり、利益率は23.3%から27.8%へ上昇する見込みである。地域の同業者やゼネコンへの販売・レンタルにより地域の利益にもつなげ、利益率向上に伴い2018年に1人、2020年に1人、2021年に2人の雇用を予定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    地盤改良・杭打ち抜きを中心とした既存事業の延長で山留め資材の再利用に取り組む点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    打ち込み専用機と打ち込み技術のノウハウを持つ点や、同業者が追従しても優位と記述され、強み・外部環境への言及が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    山留め資材費の増大で利益率23.3%が圧迫されると課題を示し、再使用率89.3%、利益率27.8%への改善と数字で解決策を示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    営業利益291万円から347万円、利益率23.3%から27.8%、材料費239万円から183万円と数値目標と根拠が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制3

    矯正・切断の実験を行い新規導入機器を使ったことは書かれるが、人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    同業者・ゼネコンへの販売・レンタルという顧客と、厳しい矯正基準によるニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    矯正基準の決定や実力把握実験など段階的な手順は書かれるが、中長期のスケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資金調達や財務状況の記述はなく、利益率の改善はうかがえるが、資金面の裏付けは読み取れない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    山留め資材の再利用は業界で類例がないと記載されるが、市場の普及度や高付加価値化の度合いを示す数値は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    国土基盤ストックの維持管理・更新費が2030年に約2倍になるという総務省予測を挙げ、社会的な必要性が示されている。

  • 費用対効果4

    材料費を239万円から183万円に減らし、資源の有効活用と廃棄低減に触れており、費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    先端的なデジタル技術の活用は書かれていないが、資材のリユースによる資源循環にはうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国土基盤の維持管理・更新需要への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換に言及する記述はない。

  • 地域経済への波及3

    地域の同業者へ資材を販売し地域の利益につなげる点と2018年以降の雇用計画が書かれているが、地域経済への効果は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国土基盤ストックの維持管理・更新需要の拡大に対応し、同業者が追従しても、打ち込み技術のノウハウによるコスト面・技術面の優位性を保てると見込んでいる。2018年1人、2020年1人、2021年2人の雇用を行う予定。

業種と困りごとが近い成果事例

福島県建設業平成26年度

福島県産造作材の生産計画

油圧ハンドシリンダーとコンセプトモルダーを導入し、県産の八溝杉の良い部分を柾目に重ねて貼り合わせる幅の広い集成材を製作できる環境を整えた。

効果:集成材の加工可能な長さ 2,500ミリ→4,000ミリ

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。