ものづくり補助金平成29年度建設業山口県

高品質で信頼されるステンレス配管製作専用工場の開設

原プラント工業株式会社

成果切断速度 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 鉄鋼材と同じ機械でステンレス配管を加工すると鉄などの異種金属が混入し、もらい錆が起きてしまう。
  • 異種金属の混入を防ぐため、ステンレス配管製作専用の第3工場を設置し、新たな生産ライン一式を整えた。
  • 切断速度 1倍→3倍。配管加工ラインが2カ所になり、品質を確保しながら生産能力を倍増できた。

事業者のプロフィール

事業者名原プラント工業株式会社
所在地山口県 周南市
業種設備工事業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数15人
資本金300万円
設立2001年

事業の背景

同社はプラント配管の製作・現場施工を主として、発電・ボイラー、化学プラントを対象に事業を行っている。配管製作では鉄、亜鉛、アルミニウム、ステンレス(SUS材)などを用いるが、耐食性に優れたステンレス材を使うケースが多い。ステンレス材も異種金属のコンタミ(異物混入)があると局部電池反応で錆びるため、精密なプラントでは特に嫌われる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度鉄鋼材と同じ機械でステンレス配管を加工すると鉄などの異種金属が混入し、もらい錆が起きてしまう。
  • 品質・精度鉄鋼材の後に機械や工具を洗浄してからステンレス材を加工していたが、異物の完全な除去は困難で、作業環境の粉じんなどの影響も考えられた。

やったこと

異種金属の混入を防ぐため、ステンレス配管製作専用の第3工場を設置し、新たな生産ライン一式を整えた。切断機はエアープラズマ切断機(ガス切断に比べて切断速度は3倍、ステンレス材の熱変態を防ぐため必須)、エアーコンプレッサー(溶接機への圧縮空気供給と配管洗浄)、バンドソーを導入した。溶接機はポジショナー、2輪独立回転式のターニングロール、直流パルスTIG溶接機(0.5〜500Hzまでのパルスモードが使用可能)、マイコン制御で電圧とワイヤ送給速度を自動調整する半自動溶接機を導入した。仕上げ用に配管内洗浄のコンプレッサーも設けた。

  • 加工機エアープラズマ切断機エアーコンプレッサーバンドソーポジショナーターニングロール直流パルスTIG溶接機半自動溶接機コンプレッサー

事業の効果

  • 切断速度 1倍→3倍
  • 生産能力 1倍→2倍

配管加工ラインが2カ所になり、品質を確保しながら生産能力を倍増できた。顧客の潜在ニーズを掘り起こしたことで説明材料が増え、営業活動をしなくても日本全国からの工事案件の受注が着実に増えている。ステンレス専用化により不良率が下がり歩留まりが向上し、切削工具等も長寿命化して低コスト化にもつながった。第3工場は社員の意識改革と会社全体の成長を後押しするシンボルにもなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性全国の大手企業からの受注実績とIS09001認証を強みとし、ステンレス専用工場で不良率低減・低コスト化につなげ、競争優位を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けステンレス材の錆や混入リスクという顧客側のニーズを整理し、品質を理由に営業なしで全国から受注が増えていると説明している。
  • 4
    新しさ・高付加価値ステンレス専用配管加工ラインは同地域で一般的ではなく、高水準の品質で差別化して高付加価値を狙う内容と読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後の展望は述べられているが、補助事業の遂行スケジュールや中長期の課題検証の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    顧客の潜在ニーズ掘り起こしと品質追求という同社の姿勢を、15年の現場管理経験に基づく取組として一貫して位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国の大手企業からの受注実績とIS09001認証を強みとし、ステンレス専用工場で不良率低減・低コスト化につなげ、競争優位を示している。

  • 課題の認識と解決3

    鉄鋼材との混入によるもらい錆という課題を認識し、専用ラインの設置で解決する計画で、受注増という成果も示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産能力を倍増、切断速度は3倍と目標値が示され、第3工場の設置で実現できる根拠も述べられている。

  • 事業を進める体制3

    従業員15名の企業で、既存工場の運営経験と全国案件の受注実績があり、遂行体制はある程度確認できる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ステンレス材の錆や混入リスクという顧客側のニーズを整理し、品質を理由に営業なしで全国から受注が増えていると説明している。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望は述べられているが、補助事業の遂行スケジュールや中長期の課題検証の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス専用配管加工ラインは同地域で一般的ではなく、高水準の品質で差別化して高付加価値を狙う内容と読み取れる。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    社内の意識改革や会社全体の成長への波及は触れられているが、地域経済や雇用創出への言及は弱い。

  • 費用対効果3

    生産能力の倍増、不良率低減、工具長寿命化によるコスト削減など、投資に対する効果の説明がある。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    山口県周南市の地域企業が全国の大手企業から受注し、地域の技術力で高付加価値を生む事業と読み取れる。

今後の展望

既存取引先との信頼関係を深めながら新規獲得に努める。日々進化する機器のリサーチを進め、従業員がより働きやすい環境を整える。バイオマス発電など環境保全の新しい価値観にも顧客と共に学びながら取り組み、信用による実績を積み重ねて着実な成長につなげる。

事業者の声

お客様の潜在ニーズを掘り起こし、徹底的に品質を追求する。そこに我々の存在意義があります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。