ものづくり補助金平成28年度製造業徳島県

3 次元測定器及び製造機器等を活用した義肢装具製造システム革新事業

株式会社小谷義肢

この事例のポイント

  • 義肢装具の製造は採寸・採型からモデル製作、仮合わせ品製作、仮合わせ、仕上げ、完成まですべて手作業で、時間のロスが大きい。
  • 患者の全身各部位を3次元データで測定し、その データを製品化につなげる製造システムの革新に取り組んだ。
  • 製造プロセスの高効率化と製品の高品質化が図られ、同時に顧客満足度の向上も実現できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小谷義肢
所在地徳島県 徳島市
業種業務用機械器具製造業
技術分野立体造形
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

当社の主力製品は治療用装具で、製造から適合(販売)までを医師の処方に基づいて行っている。装具の製造と適合は専任の義肢装具士が担当し、患者ごとに異なる症状へきめ細やかに対応する必要があるため、製造はすべて手作業で行われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力義肢装具の製造は採寸・採型からモデル製作、仮合わせ品製作、仮合わせ、仕上げ、完成まですべて手作業で、時間のロスが大きい。
  • 品質・精度手作業のため製品の品質にバラツキが生じていた。
  • コスト・採算手作業の工程で材料のロスが発生していた。

やったこと

患者の全身各部位を3次元データで測定し、その データを製品化につなげる製造システムの革新に取り組んだ。導入した設備は、3次元測定機器(スキャナ及び3D-CADソフト)、3次元製造器(3Dプリンタ)、真空成形機、日常生活動作を再現するADL再現機器(階段歩行訓練機)である。これらを組み合わせた独自の製造システムを構築し、採寸から製品化までの工程を効率化した。

検査測定3次元測定機器(スキャナ)
ソフト3D-CADソフト
加工機3次元製造器(3Dプリンタ)
加工機真空成形機
その他ADL再現機器(階段歩行訓練機)

事業の効果

製造プロセスの高効率化と製品の高品質化が図られ、同時に顧客満足度の向上も実現できた。同業他社にない製造システムにより競争優位性を獲得でき、生産性の大きな向上と収益機会の増大が期待できる。これによって経営力の向上につながる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    主力の治療用装具の製造から適合までを行う既存事業との関係は読み取れるが、事業活動の過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    同業他社にはない製造システムで競争優位性を獲得できるとあるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    手作業による時間ロス・品質のバラツキ・材料ロスという課題が挙げられているが、課題の数値や実効性の根拠は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性の飛躍的な向上や経営力向上が期待できるとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    専任の義肢装具士が製造から適合を行う体制は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    患者ごとの症状へのきめ細やかな対応というニーズと、顧客満足度向上という目的は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入機器と今後の取組みは書かれているが、スケジュールや課題の解決方法、中長期の検証内容は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    義肢装具製造に3次元測定・3D-CADを組み合わせる点は同業他社にない独自性として示されるが、市場での認知度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    経営力向上や顧客満足度向上は述べられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的な理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    空き時間やリソースの余裕を創造的業務に振り向けるとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元測定や3Dプリンタ、真空成形機の活用は読み取れるが、地域やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    徳島市の事業者であることは読み取れるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造工程の革新で生まれた空き時間やリソースの余裕は、適合作業の重点化などさらなる高品質化や、顧客満足度向上のためのコンサルティングなどの創造的業務に充てる。従業員全員で必要な知識や情報を共有し(暗黙知の形式知化)、意識改革を進めて経営基盤の底上げを図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。