ものづくり補助金平成28年度製造業東京都

伝統製法国産豚肉ハム・ソーセージの生産性・品質向上による国内外販路拡大

株式会社大多摩ハム小林商会

成果従来の倍以上の生産能力を発揮できる体制が整った。

この事例のポイント

  • 3Dソーセージは1つずつ手作業で行うため時間がかかり、贈答品や一般店頭向けの需要増加に従来設備では生産量が間に合わなくなっていた。
  • 加工スピードと鮮度維持の鍵を握るチョッパー・カッターを入れ替えて生産性を向上させるとともに、3D金型を使った自動充填を試みた。
  • 従来の倍以上の生産能力を発揮できる体制が整った。原料加工のリードタイムが短縮され、全体の作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大多摩ハム小林商会
所在地東京都 福生市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,立体造形
従業員数70人
資本金3,000万円
設立1932年

事業の背景

当社は昭和7年創業のドイツ伝統製法によるハム・ソーセージ製造会社で、直火式燻煙と自然熟成にこだわり、加水増量せず添加物を加えない製品で本物志向の消費者やアレルギーを持つ人から支持を得ている。百貨店やスーパー、香港の大手輸入食材店などで販売され、国内外にファンを持つ。近年は安全な食への関心の高まりから需要も増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力3Dソーセージは1つずつ手作業で行うため時間がかかり、贈答品や一般店頭向けの需要増加に従来設備では生産量が間に合わなくなっていた。
  • 人手・技能原料を整形してから出来上がるまで約2週間かかる職人による手作業工程が、生産性を制約していた。

やったこと

加工スピードと鮮度維持の鍵を握るチョッパー・カッターを入れ替えて生産性を向上させるとともに、3D金型を使った自動充填を試みた。導入設備は、株式会社長沼製作所製の『多段式チョッパー』(肉を必要以上に潰さず鋭利に挽き、加工温度の上昇を防ぎ味と食感をよくする3段挽き)と、株式会社ヒガシモトキカイの『サイレントカッター』(バキューム機能付きで真空状態を作りながら肉をペーストにする)である。3Dソーセージの金型は、アルミ金型の内側にシリコンを装着し、そこに自動で材料を詰める方式である。バラの形状は複雑で一定の密度で肉を詰める必要があり、手作業の方が仕上がりがよいという結論に至ったが、文字を造形する金型を開発し、一文字一文字の細部まで表現できる製法を確立した。

加工機多段式チョッパー(株式会社長沼製作所製)
加工機サイレントカッター(バキューム機能付き、株式会社ヒガシモトキカイ製)
金型3D金型(アルミ金型にシリコンを装着した自動充填用金型)

新しい製品・サービス:3Dソーセージ(特許取得済み、バラや文字の形状に造形したソーセージ)

事業の効果

  • 従来の倍以上の生産能力を発揮できる体制が整った。

原料加工のリードタイムが短縮され、全体の作業効率が向上した。従来の倍以上の生産能力を発揮できる体制が整った。文字を造形する金型により一文字一文字の細部まで表現できる製法を確立した。3Dソーセージは国外からの引き合いも多く、諸外国の食品安全に関する法律等を調べながら海外への販路拡大を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のドイツ伝統製法や無添加製品へのこだわりが書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    無添加や本物志向の消費者・アレルギー層の支持、百貨店や香港の輸入食材店での販売など強みは書かれているが、競争環境との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    手作業で約2週間かかる工程や生産量不足という課題が示され、設備導入で対応したとあるが、高付加価値化の計画としての記述は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    設備導入後に従来の倍以上の生産能力を発揮できる体制が整ったとあるが、目標値や賃上げの数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    創業以来の職人技や衛生基準の認証歴は書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力への言及は限定的である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    3Dソーセージの特許や贈答品・一般店頭向けの需要増、バイヤーからの要望など、ターゲットとニーズの裏付けが具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の海外販路拡大について諸外国の食品安全法を調べながら目指すとあるが、遂行方法やスケジュールは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    特許取得済みの3Dソーセージを開発し、金型で文字やバラの形を造形する点は、同分野で独自性と高付加価値を示している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国産豚肉や畜産業振興という目的は示されているが、雇用創出や波及効果の定量的な説明は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産能力が従来の倍以上になったとあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    自動充填を試みる金型やバキューム付きカッターの導入は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    東京都地域特産品に認証された「TOKYO-Xハム」など地域性は書かれているが、雇用や地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3Dソーセージは国外からの引き合いが多く、諸外国の食品安全に関する法律等を調べながら販路拡大を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。