ものづくり補助金平成28年度製造業富山県

自社ブランド商品「すずがみ」の高品質均等化と生産供給能力向上事業

有限会社シマタニ昇龍工房

成果錫板の最大延ばし幅 30cm→40cm

この事例のポイント

  • 受注が伸びる中で、従来の圧延機では延ばせる幅が30cmまでで、製品のサイズは最大24cmに限られ、それ以上のサイズの受注に応えられなかった。
  • 補助金で、錫を何度も薄くのばし強度を上げる圧延作業を自社で行うための圧延機を導入した。
  • 錫板の最大延ばし幅 30cm→40cm。新しい圧延機により、錫板を最大40cmまで延ばせるようになり、従来より長い幅30cmの「すずがみ」の生産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社シマタニ昇龍工房
所在地富山県 高岡市
業種非鉄金属製造業
技術分野デザイン,精密加工,立体造形
従業員数13人
設立1909年

事業の背景

有限会社シマタニ昇龍工房は明治42年に高岡で創業し、寺院用のりんを作り続けてきた。戦後の特需の後、50〜100年にわたりりん製造は右肩下がりとなっていた。そこで平成25年に自社ブランド「syouryu」を立ち上げ、銅製のコースターや灰皿を作ったが、起爆剤とはならなかった。その後、錫を食器として使う発想から鍛金技術と錫を組み合わせた「すずがみ」が誕生した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が伸びる中で、従来の圧延機では延ばせる幅が30cmまでで、製品のサイズは最大24cmに限られ、それ以上のサイズの受注に応えられなかった。
  • 生産能力錫を何度も薄く延ばして強度を上げる圧延作業を自社で行えず、金箔製造工程で使われていた圧延機を外部の工房から譲り受ける必要があった。

やったこと

補助金で、錫を何度も薄くのばし強度を上げる圧延作業を自社で行うための圧延機を導入した。導入した圧延機は錫の板を最大40cmまで延ばせ、従来より6cm長い幅30cmの「すずがみ」の生産を可能にした。従来の圧延機では約0.7mmまでだった厚みを、約0.4mmまで薄くできるようになった。また、2つの圧延機を併用することで、繰り返し行う圧延作業の効率化を図った。

加工機圧延機

新しい製品・サービス:薄く、折り紙のように簡単に曲げ伸ばしができる新たな「薄すずがみ」

事業の効果

  • 錫板の最大延ばし幅 30cm→40cm
  • すずがみの生産幅 30cm→36cm
  • すずがみの厚み 0.7mm→0.4mm

新しい圧延機により、錫板を最大40cmまで延ばせるようになり、従来より長い幅30cmの「すずがみ」の生産が可能になった。厚みも約0.4mmまで薄くでき、折り紙のように曲げ伸ばしできる「薄すずがみ」が生まれ、製品の幅が広がった。2つの圧延機の併用で生産供給能力が格段に増し、ヨーロッパの大型食器需要にも応えられるようになった。ハサミで切れるほど薄くなったことで、アクセサリー材料など新たな用途も生まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治42年創業の伝統技法と錫製品の経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ヨーロッパでは大きな食器が好まれるとあり市場認識はうかがえるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    受注が伸びる中で幅30cm・製品最大24cmの制約を課題とし、圧延機導入で40cm・0.4mmに対応した具体的な解決が書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    市場を広げたいとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    若手職人が活躍し4代目が製品開発を進めたとあるが、補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    食器・花器・アクセサリー等の用途と、ヨーロッパ向け大型食器の需要に応える点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    新しい圧延機を導入し今後市場を広げるとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    錫の鍛金で薄く柔らかい金属「すずがみ」を生み出し、鋳物の錫では不可能な高付加価値品を実現している。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    伝統技術の継承や若手職人の育成に触れているが、国が補助する経済波及効果の記述は限定的。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加に関する数値は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高岡の伝統産業である錫・りん製造を活かした取組で地域性は読み取れるが、雇用や地域成長の数値は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

全国での実演販売やニューヨーク近代美術館のミュージアムショップでの取り扱いにより市場が広がっている。今後は新たな圧延機でヨーロッパ向けに大きな食器を展開し、さらに市場を広げたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。