ものづくり補助金平成28年度製造業山梨県

複雑な形状にも即応できる高品質で革新的な金型製造技術の確立

有限会社宝永金型製作所

この事例のポイント

  • 高まるニーズに応えられる技術の確立が必要だった。特に複雑な形状の金型製造に対応できる技術が求められていた。
  • ワイヤ放電加工機を導入し、複雑な形状の金型製造にも対応できる技術の確立に取り組んだ。
  • 入子と埋子のどちらも工程を削減でき、加工時間を大幅に減らすことに成功した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社宝永金型製作所
所在地山梨県 都留市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
資本金500万円
設立1982年

事業の背景

昭和55年に創業した同社は、車載ヘッドライト、ヒートシンク、エンジン、コンピュータ基盤、ボックスカバー、ロボット工作機のカバーなどのアルミ製品や亜鉛製品を鋳造するためのダイカスト金型の設計、製作を手掛けている。取引の7~8割は自動車部品である。近年は自動車の燃費向上や軽量化を目指してアルミが多く使われるようになり、鋳造技術の高度化が求められている。また最終製品のモデルチェンジ期間が短くなり、金型製造にも短納期化が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術高まるニーズに応えられる技術の確立が必要だった。特に複雑な形状の金型製造に対応できる技術が求められていた。
  • 生産能力入子の加工に32時間、埋子の加工に36時間かかり、形状が複雑になるほど加工時間が加算されるため、加工時間の低減が大きな課題だった。
  • 納期・工程入子と埋子の加工にはそれぞれ7つの工程が必要で、工程が多く手間がかかっていた。

やったこと

ワイヤ放電加工機を導入し、複雑な形状の金型製造にも対応できる技術の確立に取り組んだ。まず基本的なプログラミングと操作方法を習得した。その後、さまざまな加工条件でテスト加工を行い、最適な加工条件を導き出した。さらに実際の図面に基づいて入子と埋子の加工を行い、寸法値の検証と工程時間削減の確認を行った。若手社員が中心となって取り組み、ワイヤ放電加工機を使用した加工工程では、入子について必要な工程を5工程に減らすことができた。

加工機ワイヤ放電加工機

事業の効果

入子と埋子のどちらも工程を削減でき、加工時間を大幅に減らすことに成功した。これにより複雑な形状の金型にも対応できる技術を確立した。加工時間が減ることで納期を短縮でき、コストも抑えられるため、価格面での優位性が生まれた。性能面でも優位性のある製品をつくれるようになり、企業としての競争力が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のダイカスト金型設計・製作を基盤に、ワイヤ放電加工機導入で複雑形状対応を広げる流れが読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品が受注の7~8割を占め、小規模ゆえの小回りを強みとしている点が書かれ、競争優位の源泉がうかがえる。

  • 課題の認識と解決5

    入子・埋子の加工が7工程、入子32時間、埋子36時間かかっていた課題に対し、加工時間の大幅削減を実現したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工程削減による加工時間の大幅削減は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    若手社員が中心となって導入に取り組んだことや、基本操作を習得した経緯が書かれ、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    複雑な形状の金型への短納期ニーズに応える点、自動車部品の高精度要求など顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    テスト加工で最適条件を導き、実図面で寸法検証と工程時間削減の確認を行ったと手順は書かれるが、中長期の計画は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ダイカスト金型の高度化や複雑形状対応は書かれるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    短納期化の要望や自動車燃費向上などの社会的背景にわずかに触れるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    加工時間削減によるコスト抑制と価格的優位性が語られるが、補助金額に対する効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山梨県都留市の企業であることは書かれるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はワイヤ放電加工機を使いこなしながら、新たな仕事にも積極的に取り組んでいく方針である。

事業者の声

当社のような零細企業では、新しい設備の導入になかなか踏み出すことができなかったんです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。