ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

難削材高機能部品市場への進出による事業領域の拡大

株式会社電研端子製作所

成果無人化により、既存設備に対しておよそ3倍の作業が可能となった。

この事例のポイント

  • 難削材の加工時に切りくずが刃具に巻き付き、品質がばらつく。
  • 最新の高圧クーラント付き低周波振動切削機械を導入した。
  • 無人化により、既存設備に対しておよそ3倍の作業が可能となった。高圧クーラント付き低周波振動切削機械の導入により、切りくずの排出がスムーズになり、無人での作業が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社電研端子製作所
所在地奈良県 奈良県生駒市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工,複合・新機能材料
設立1961年

事業の背景

IT産業や医療機器市場では装置の高機能化が進み、軽量・高強度・高耐熱性といった付加価値のある難削材を部品に使うケースが増えていた。当社は超微細加工を主力とし、ICや各種センサー、安全ヒューズ、コネクター、エアバッグセンサーなどの部品を提供してきたが、事業領域の拡大と収益の安定化のため、精密加工技術を活かせる成長市場の難削材高機能部品分野への進出を考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度難削材の加工時に切りくずが刃具に巻き付き、品質がばらつく。
  • 生産能力加工対象物の硬度が高いため切削速度を落とす必要があり、生産性が低下している。
  • コスト・採算工具への負担が増えて工具寿命が短く、工具コストの負担が大きい。

やったこと

最新の高圧クーラント付き低周波振動切削機械を導入した。この機械は切削中に空振りの時間を設けることで切りくずを細かく断続的に排出させる。クーラントは加工対象物と工具の表面に油膜をつくり、潤滑・冷却・洗浄の役目を果たす。導入後は切りくず排出がスムーズになり、無人での作業が実現した。また本事業で難削材の切削加工条件を把握し、細孔・深穴・超薄肉の加工技術の開発にも成功した。対象材料は直径0.1〜16mmの銅線、特殊合金、レアメタルである。

加工機高圧クーラント付き低周波振動切削機械

事業の効果

  • 無人化により、既存設備に対しておよそ3倍の作業が可能となった。

高圧クーラント付き低周波振動切削機械の導入により、切りくずの排出がスムーズになり、無人での作業が実現した。これにより作業量はおよそ3倍となり、品質の安定化と生産性の向上につながった。また難削材の加工技術が強化されたことで技術的な差別化が可能になり、難削材を含む一連の発注に対応できるようになって新たな市場開拓と営業の幅の拡大にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来60年以上のリードピン製造実績と難削材への進出という流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    難削材ニーズの高まりと既存機械の課題が書かれ、強みとして精密加工技術に触れているが、競合との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    切りくず巻き付き、切削速度低下、工具寿命短縮という課題を挙げ、高圧クーラント付き低周波振動切削機で対応した流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    無人化、作業量約3倍、品質安定と生産性向上が書かれているが、賃上げや付加価値額の数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    60年以上の技術継承と体制構築に触れているが、人材や事務処理能力の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    難削材高機能部品の成長市場とIT・医療機器のニーズは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の技術開発・提携を進める方針はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法の具体的記述は見られない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    細孔・深穴・超薄肉加工の技術的差別化や、難削材高機能部品という高付加価値分野への進出が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    IT・医療機器の高機能化や難削材の需要増には触れるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は見られない。

  • 費用対効果2

    作業量約3倍や生産性向上は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高圧クーラント付き低周波振動切削という新しい設備の導入はあるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IT産業や医療機器など成長市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    奈良県生駒市の所在は分かるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は見られない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。