ものづくり補助金平成24年度兵庫県

木桶仕込み天然醸造製法と最新製麹設備との融合による醤油醸造方式の導入と新たな海外展開

足立醸造株式会社

成果木桶の容量 6基→7基

この事例のポイント

  • 伝統製法の木桶仕込みでは生産力に限界があり、顧客の需要に応えるための量産体制の構築が課題であった。
  • 木桶を1基増設し、既存の6基と並べて設置した。
  • 木桶の容量 6基→7基。木桶を増設して木桶仕込み天然醸造醤油の増産体制が整い、生産余力のない状態から増産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名足立醸造株式会社
所在地兵庫県 西脇市
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

明治22年創業の醤油醸造会社で、国産の有機大豆・有機小麦を使い、木桶で仕込む天然醸造のオーガニック醤油を主力としている。国内だけでなく海外からの引き合いが増えていた。海外では小麦アレルギーへの関心が高まり、グルテンフリー醤油の需要が急増しつつあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力伝統製法の木桶仕込みでは生産力に限界があり、顧客の需要に応えるための量産体制の構築が課題であった。
  • 生産能力海外からの引き合いが増え、さらなる木桶の増設が必要になっていた。
  • 新製品・新技術海外でグルテンフリー醤油の需要が急速に高まっており、そのニーズに対応する必要があった。

やったこと

木桶を1基増設し、既存の6基と並べて設置した。製造工程の関係で他の場所に置けず、残りのわずかなスペースを使った。木材をスギからヒノキ類に替え、内側に漆を3回塗って液漏れを解消した。グルテンフリー醤油の試作では、発酵中に熱を持つ試作品を冷却する装置を導入した。小麦の代替原料として米、大麦、粟、稗を候補に試作・開発に取り組んでいる。

  • その他木桶高さ4m、直径3m、容量24,000L冷却装置

新しい製品・サービス:グルテンフリー醤油

事業の効果

  • 木桶の容量 6基→7基

木桶を増設して木桶仕込み天然醸造醤油の増産体制が整い、生産余力のない状態から増産が可能になった。液漏れ対策も施された。グルテンフリー醤油は試作・開発を進めており、海外の需要に応える新たな商品として期待されている。有機JAS認証に加え、欧州連合の有機認証と米国の有機認証を取得し、顧客から生産品質管理能力への高い評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性明治22年創業以来の木桶仕込み天然醸造を継続し、4年前の蔵新設・木桶6基導入から今回の増設へ一貫した流れが読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性海外の有機認証(EU・米国)を取得し、海外顧客から高い評価を得ている点や、海外でのグルテンフリー醤油ニーズを踏まえた取組が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決輸出拡大で生産余力がなくボトルネックになっていた課題を認識し、木桶1基増設と漆塗布で増産に対応する計画が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標増産の目標は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載されておらず、実現可能性を判断する数字がない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    明治22年創業以来の木桶仕込み天然醸造を継続し、4年前の蔵新設・木桶6基導入から今回の増設へ一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外の有機認証(EU・米国)を取得し、海外顧客から高い評価を得ている点や、海外でのグルテンフリー醤油ニーズを踏まえた取組が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    輸出拡大で生産余力がなくボトルネックになっていた課題を認識し、木桶1基増設と漆塗布で増産に対応する計画が示されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    増産の目標は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載されておらず、実現可能性を判断する数字がない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人の小規模体制であることはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    有機大豆・小麦を使った木桶仕込み醤油の特長と海外需要は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    グルテンフリー醤油は試作中で、代替原料として米・大麦・粟・稗を候補に検討中と示されるが、スケジュールや解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    木桶仕込み天然醸造の有機醤油で、有機認証を複数取得し同分野で高水準の高付加価値化を図っていることが読み取れる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    海外需要の拡大や小麦アレルギー対応によるグルテンフリー醤油の開発がうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    木桶1基の増設や冷却装置導入の記載はあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    海外需要の高まりや有機・グルテンフリー志向への対応は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及4

    兵庫県多可町の地域の原料や県内特産品の取り扱いに触れ、伝統技法で地域の付加価値を生む事業であることが読み取れる。

今後の展望

グルテンフリー醤油の開発を進めるとともに、海外で需要が高まる「たまり醤油」(原料は大豆のみ)の開発も視野に入れている。今後も難易度が高く高品質で付加価値の高い醤油造りに挑戦し続ける方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。