ものづくり補助金平成28年度サービス業(他に分類されないもの)岐阜県

調色システムを導入した調色技術の高度化とリードタイム短縮による新しい塗装修理施工サービスの開発

成果乾燥時間 2日→0.67日

この事例のポイント

  • 水性塗料では補修時に微妙な色の違いを合わせる調色技術が構築できておらず、塗装修理の品質に課題があった。
  • AIカラーシステム(デジタル調色システム)を導入し、AIカメラを車体にあてるだけで色を読み取れるようにして、調色作業を数値化した。
  • 乾燥時間 2日→0.67日。水性塗料の調色技術を確立し、メタリック、ホワイトパール、カラークリアーの3色で求める品質を出せるようになった。

事業者のプロフィール

所在地岐阜県 岐阜市
業種自動車整備業
従業員数6人
設立1998年

事業の背景

当社は設立以来自動車整備業を営み、国産車・輸入車など幅広い車種の鈑金塗装修理に対応している。新車の塗装に多く用いられる水性塗料は補修時の調色が難しく、同業他社と比べて修理期間が長いことなどが課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度水性塗料では補修時に微妙な色の違いを合わせる調色技術が構築できておらず、塗装修理の品質に課題があった。
  • 納期・工程一部の塗装作業工程を外注しており、車の移動や外注先での待機時間が発生して、同業他社では約4日のところ平均約6日かかっていた。
  • 集客・繁閑対応しきれずにお客様からクレームを受けたり修理依頼を断ったりする事案が多数発生し、顧客獲得の機会を逃していた。

やったこと

AIカラーシステム(デジタル調色システム)を導入し、AIカメラを車体にあてるだけで色を読み取れるようにして、調色作業を数値化した。読み取った色の配分を細かく分析し、テストピースに塗った上で色の再現性を検証した。乾燥工程の内製化のため、給気ターボファン、排気ターボファン、乾燥用バーナーを導入し、専用ブースの中で温度と湿度をコントロールする「プッシュプル式」で短時間の完全乾燥を実現した。乾燥時間と温度の組み合わせを12パターン設定し、最適な乾燥ポイントを検証した。

ソフトAIカラーシステム(デジタル調色システム)
検査測定AIカメラ(調色カメラ)
加工機給気ターボファン
加工機排気ターボファン
加工機乾燥用バーナー

新しい製品・サービス:AIカラーシステムを用いた新しい塗装修理施工サービス(AI調色を含む)

事業の効果

  • 乾燥時間 2日→0.67日
  • メタリック、ホワイトパール、カラークリアーの3色について、テストピースに塗るまでの調色時間が約40分で行える技術を構築した

水性塗料の調色技術を確立し、メタリック、ホワイトパール、カラークリアーの3色で求める品質を出せるようになった。乾燥工程を内製化し、乾燥時間は従来の2日から約40分に短縮された。取引先3社の評価では総合評価で高い評価を得た。AIカメラにより作業時間が大幅に短縮され、経験の浅い若手でも塗装できる体制が整い、経年劣化による塗装変色に悩む顧客に短納期かつ高品質な修理を提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは事例で明示されていない。事業は設立以来の自動車整備業の延長として書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同業他社は4日程度に対し平均6日かかるという比較と、水性塗料の微妙な色の違いを合わせる独自調色ノウハウの構築が書かれており、強みと差別化が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    調色技術が構築できないこと、塗装工程の一部外注による待機時間が課題と整理され、乾燥装置導入で従来の1/2に短縮する方策が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    乾燥時間を2日から約40分に短縮、調色時間約40分と具体的な数値が示されている。ただし付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    AIカメラで若手でも塗装できる体制を築くとし、担い手育成に触れているが、人材の数や事務処理体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    経年劣化で修理の痕跡が浮く問題や、塗装がはがれて修理に出された車の90%を新車時に近い色にする目標が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    12パターンの乾燥条件検証や取引先3社の評価は書かれているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    水性塗料の微妙な色の違いを合わせる調色技術を構築し、代表的な3色で求める品質を出したとあり、同分野での高水準の差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    住宅や飛行機、船舶など他分野への展開を検討とあるが、国が補助する必要性を示す波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    短納期化や作業効率化の成果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    AIカメラによる色の読み取りと、AI調色の提供というデジタル技術の活用が書かれているが、業界全体へのイノベーション貢献は示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岐阜市の事業者である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

塗装の技術は住宅や飛行機、船舶などでも生かせるため、自動車以外の分野への進出も検討している。

  • 目標:修理期間 6日→4日

業種と困りごとが近い成果事例

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。