高濃度有機性廃棄物に有効な小型メタンガス発電プラントの開発循環型社会へのモデルケースを創る

株式会社 ヴァイオス

この事例のポイント

  • 年々処理するし尿・汚泥の量は増えつつあるが、非常に高い有機性を有し処理が難しい廃棄物の依頼が増え、引き合いがあっても受託できず県外に運搬・焼却・埋立処理されていた。
  • 処理が難しい有機性の高い廃棄物に対応するため、メタン生成細菌の代謝を促すメタン発酵設備を導入した。
  • 小型メタンガス発電プラントの完成により、これまで受託できなかった難処理廃棄物の処理が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 ヴァイオス
所在地和歌山県 和歌山市
業種廃棄物処理業
従業員数51人
資本金3億円
設立1967年

事業の背景

同社は和歌山県内で排出されるし尿や廃食油まじりの有機性汚泥の処理を核とし、産業・一般廃棄物のリサイクル業務をメインに、浄化槽管理や点検業務も手掛けている。平成19年に稼働を始めた桃山リサイクルセンターで年間1万5000トンあまりのし尿・浄化槽汚泥や有機性汚泥を処理している。既存得意先からは非常に有機性の高い難処理廃棄物の処理も依頼されるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力年々処理するし尿・汚泥の量は増えつつあるが、非常に高い有機性を有し処理が難しい廃棄物の依頼が増え、引き合いがあっても受託できず県外に運搬・焼却・埋立処理されていた。

やったこと

処理が難しい有機性の高い廃棄物に対応するため、メタン生成細菌の代謝を促すメタン発酵設備を導入した。同時にバイオガス発電・給湯設備も導入し、発生したメタンガスを利用して電力・熱を供給できるようにした。発酵槽、給湯器、発電機、制御盤などすべての装置をコンテナに収納し、設置後すぐに稼働できる小型メタンガス発電プラントとして完成させた。

その他メタン発酵設備
加工機バイオガス発電・給湯設備
その他小型メタンガス発電プラント

新しい製品・サービス:小型メタンガス発電プラント

事業の効果

小型メタンガス発電プラントの完成により、これまで受託できなかった難処理廃棄物の処理が可能になった。バイオガス発電・給湯設備でメタンガスから電力・熱を供給でき、メタン発酵設備の稼働に必要なランニングコストを削減できている。社外からの評価も高まり、ジャパン・レジリエンス・アワード2016の優良賞を受賞し、同社の知名度も急に高まった。今回は自己利用にとどまるが、バイオガス発電によって採算性の向上も期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2007年本格稼働の桃山リサイクルセンターでの汚泥処理を継続し、処理量も増えている点から事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内唯一の有機性汚泥リサイクル施設や多様な設備が充実している点は強みとして読み取れるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    難処理廃棄物を県外で焼却・埋立していた課題を認識し、メタン発酵設備導入で受託可能にする計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    バイオガス発電による採算性向上は期待とされるのみで、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    共同研究や関係会社との連携は触れられるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    難処理廃棄物の処理が可能になる点、災害に強い設置後すぐ稼働のコンテナ型という特徴が示され、選ばれる理由は読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    メタン発酵設備導入後、発電プラントを大型化し全電力を賄う自立型施設にする段階的な方針が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小型メタンガス発電プラントはコンテナ収納型で、同分野での高付加価値性は示唆されるが、普及度の比較は記載されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    循環型社会のモデルケース、ジャパン・レジリエンス・アワード優良賞、JICA関連の評価など社会的意義が具体的に記されている。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増加の数値は書かれておらず、自家発電によるランニング削減のみ触れられている。

  • イノベーションへの貢献4

    バイオガス発電の余熱をハウス加温や食品加工に利用する地域還元の仕組みが示され、地域イノベーションへの貢献が読み取れる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    循環型社会への貢献はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する成長分野としての位置付けは明確に書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    地域の有機性汚泥を堆肥化し地元農家に販売、余剰熱を地域で利用するなど地域特性を活かした事業として具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在はセンター全体の電力をすべて賄うには十分な電力を作れていない。今後はメタンガス発電プラントを大型化し、し尿・浄化槽汚泥や有機性汚泥の処理できる絶対量を増やし、リサイクルセンター全体の電力を賄える自立型施設を目指す。余剰熱をビニールハウスの加温や食品加工に使うシステムも構築し、地域への還元率を高めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。