ものづくり補助金平成28年度建設業岐阜県

運転免許返納後の高齢者が安全かつスタイリッシュに乗れる小型モビリティの試作開発

高橋製瓦株式会社

成果9項目のうち6項目が適合

この事例のポイント

  • 免許返納後の高齢者が乗れる小型モビリティは、製品化に向けて設計を見直す必要があった。
  • 免許返納後の高齢者の使用を想定し、従来製品よりコンパクトで誰でも簡単に操作でき、車椅子を感じさせないデザインの小型モビリティを開発した。
  • 9項目のうち6項目が適合。「SCOO(スクー)」を平成30年10月から販売開始し、テーマパーク、スーパー、福祉用具販売店との商談が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名高橋製瓦株式会社
所在地岐阜県 岐阜市
業種職別工事業
技術分野デザイン
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1954年

事業の背景

同社は昭和29年設立で60年以上屋根工事業を行ってきた。平成21年からベビーカー「CURIO」を製造販売し、全国30か所の取扱店で累計4,000台を販売した。この経験と協力工場のネットワーク、百貨店との販路を生かし、新たな小型モビリティ事業に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術免許返納後の高齢者が乗れる小型モビリティは、製品化に向けて設計を見直す必要があった。
  • 品質・精度試作1号車では、モーターのパワーが足りず、路面からの衝撃を緩和するサスペンションも付いていなかった。

やったこと

免許返納後の高齢者の使用を想定し、従来製品よりコンパクトで誰でも簡単に操作でき、車椅子を感じさせないデザインの小型モビリティを開発した。三次元造型機で加工部品を作り、1号車と2号車の2タイプの試作車を製作した。1号車は平成29年7月に完成し、最適なタイヤ位置やタイヤ幅、シートの取り付け場所を検証した。2号車はデザイン性を重視して同年10月に完成させた。2台目を電動車いすの公的検査機関でJIS規格の性能試験にかけたところ、9項目中6項目が適合し、3項目は不適合だった。外部モニターによる試走の5段階評価も実施した。

加工機三次元造型機

新しい製品・サービス:免許返納後の高齢者向け小型モビリティ「SCOO(スクー)」

事業の効果

  • 9項目のうち6項目が適合

「SCOO(スクー)」を平成30年10月から販売開始し、テーマパーク、スーパー、福祉用具販売店との商談が進んだ。発売直後に購入者もおり、エンドユーザーから直接の問い合わせもあった。台湾のパートナー企業を通じた海外展開も進み、ドイツとオーストリアの企業から受注した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    ベビーカー開発・販売の実績(累計4,000台、30か所の取扱店)から小型モビリティへ展開する一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    百貨店への直接販路や協力工場ネットワークを強みとして挙げ、自社の経営資源と市場機会の関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    試走評価で量産化への課題が明確になったと書かれるが、解決策や高付加価値化の数値目標は具体的に示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、販売開始後の商談進展がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    試作の段階で設計や製作を進めた経緯や長男の入社経緯は読み取れるが、事業遂行の人員体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    免許返納後の高齢者向けに安全でスタイリッシュな乗り物を目指す点と、JIS性能試験の9項目中6項目適合が示される。

  • 事業化までの道筋4

    JIS試験の不適合3項目を持ち帰って改善し、2台の試作と量産体制づくりという段階的な計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    電動車いすとシニアカーの中間となる小型モビリティで、既存の普及製品が少ない分野への挑戦が示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    免許返納後の高齢者の移動手段という社会課題はうかがえるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    累計4,000台の販売実績は書かれるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数値は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献2

    三次元造型機の活用は書かれるが、デジタル技術によるサプライチェーンや地域への貢献までは読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岐阜市の企業で県内の車椅子メーカーに発注した縁が書かれるが、地域の特性を活かした成長や雇用の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自転車や小型モビリティの展開にも力を入れる方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。