ものづくり補助金平成30年度建設業香川県

3Dスキャナ・ドローンを導入したIoT情報化施工体制の構築

山根建設株式会社

この事例のポイント

  • 受注が大幅に増加したが、測量・設計工程の能力が不足し、顧客の工事依頼に応えきれず受注機会を逃していた。
  • 竣工前の工事現場で『3Dレーザースキャナ』により測量を実施した。
  • 現場での作業時間が短縮され、作業が簡素化されたうえ、確認機能により高い精度も確認できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名山根建設株式会社
所在地香川県 高松市
業種総合工事業
技術分野測定計測
従業員数13人

事業の背景

平成28年より、いち早くICT化に取り組んできた当社は、短納期化や高品質化が高く評価され受注が大幅に増加した。中四国地区などでの相次ぐ災害や物流工事・宅地開発の隆盛により、地元の中堅土木工事会社の多くは受注余力がなくなっていた。そうした中で当社には多くの引き合いが集まったが、人材不足も重なって受注機会を逃していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が大幅に増加したが、測量・設計工程の能力が不足し、顧客の工事依頼に応えきれず受注機会を逃していた。
  • コスト・採算測量・設計工程は地元測量会社へ外注しており、納期の融通がつけにくく、コストもかかっていた。
  • 人手・技能人材不足もあり、人員を増やさずに生産性を高める方法が必要だった。
  • 納期・工程短納期化と工事品質の向上を図る必要があった。

やったこと

竣工前の工事現場で『3Dレーザースキャナ』により測量を実施した。計測データは手元のコントローラに自動的に表示されるため、その場で成果物を確認できる。データを送った事務所のPCで自動合成され、3D図面が完成する。広大な測量には無人航空機(ドローン)と、設計工程に用いる写真解析ソフトを導入し、3次元測量と3次元データ作成のテスト測定を行って性能を検証した。その結果、ドローンと写真解析ソフトでも3Dレーザースキャナと同様の高い効率と精度が確認でき、いずれも実測値に近いものが得られた。

事業の効果

現場での作業時間が短縮され、作業が簡素化されたうえ、確認機能により高い精度も確認できるようになった。新人でもモニターを見ながら熟練工と同じ仕事ができ、丁張や検測も不要になったため人手がかからず、工期は半分になった。作業効率や安全性が評価され、大型案件の依頼も増えてきた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決測量・設計工程の外注によるコスト増と納期の課題を明示し、3Dスキャナ・ドローン・写真解析ソフトで内製化する具体的な対策が書かれている。
  • 4
    イノベーションへの貢献3Dスキャナ、ドローン、写真解析ソフトを組み合わせ、ICT化で地域の土木工事の生産性向上に取り組む点が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。工期が半分になったという効果は記載があるが、目標値としての設定ではない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    ICT化に平成28年から取り組んできたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けまでは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    短納期化・高品質化の評価で受注が大幅に増えた一方、測量・設計工程の能力不足で受注機会を逃したとあり、強みと弱みの記述はあるが定量的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    測量・設計工程の外注によるコスト増と納期の課題を明示し、3Dスキャナ・ドローン・写真解析ソフトで内製化する具体的な対策が書かれている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。工期が半分になったという効果は記載があるが、目標値としての設定ではない。

  • 事業を進める体制3

    新人でもモニターを見ながら熟練工と同じ仕事ができると書かれ、人材面の見通しはあるが、体制の具体的な人数や役割までは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客からの引き合いや大型案件の依頼増が書かれ、選ばれる理由として短納期化・品質が挙げられているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    ICT化の実施順序や段階は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法を検証した形跡は限定的である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ICT建設機械や3Dスキャナ活用は地元土木会社との比較で差別化の材料になっているが、普及度や高水準の高価格化についての記述は薄い。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    災害や物流工事・宅地開発の隆盛で地元業者の受注余力がなくなっていると書かれ、地域の需要に応える理由はうかがえる。

  • 費用対効果3

    工期が半分になり人員増なしで生産性を高めたと書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナ、ドローン、写真解析ソフトを組み合わせ、ICT化で地域の土木工事の生産性向上に取り組む点が具体的に書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    ICT建設や3D測量の導入が書かれるが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    中四国地区での災害や宅地開発による地域需要と、地元中堅企業の受注余力低下が書かれ、地域特性との関連がうかがえる。

今後の展望

トータルでのIoT化を進めて、さらなる差別化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。