ものづくり補助金平成30年度建設業福井県

3D計測と3D処理の機能向上・コストダウンで、新たな空間計測サービスを提供する

株式会社ニシオ設備工業

この事例のポイント

  • 新規案件が減少する一方で、バブル期の建造物を中心としたリニューアル案件が増えていた。
  • 2017年に、現場を3次元データにできる地上型3Dレーザースキャナー FARO社製Focuss150を導入した。
  • 手計測から3Dレーザースキャナーによる計測に変わり、一般的な空調設備は1か所8分程度で計測でき、作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ニシオ設備工業
所在地福井県 福井市
業種設備工事業
従業員数2人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

空調設備・衛生設備の設計・施工を手掛ける会社で、近年は新規案件が減少していた。その一方で、バブル期の建造物を中心に設備や機械の入れ替えを行うリニューアル案件が増えていた。リニューアル計画には図面が必要だが、設置当初の図面が残っていないことも多かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑新規案件が減少する一方で、バブル期の建造物を中心としたリニューアル案件が増えていた。
  • 人手・技能設置当初の図面が紛失などで使えず、現物をメジャーで手計測してスケッチを描き、3DCADで図面を起こす必要があった。
  • 生産能力手計測は時間がかかり、測り漏れがあると再度現場へ赴くことになり、効率が悪かった。

やったこと

2017年に、現場を3次元データにできる地上型3Dレーザースキャナー FARO社製Focuss150を導入した。本機はレーザー光を対象物に照射し、照射光と反射光の時間差から各点の3次元(XYZ)座標を取得し、毎秒約90万点を取得できる。測定範囲は150m先まで、写真撮影も可能で、取得した座標値を3DCADの設計モデルに取り込み、写真の色を再現した3D点群データを作成する。通常は複数箇所で座標を取得し、一つの図面に合成する。計測精度は誤差が±1mmとされ、一般的な空調設備なら1か所8分程度で計測できる。

事業の効果

手計測から3Dレーザースキャナーによる計測に変わり、一般的な空調設備は1か所8分程度で計測でき、作業時間が大幅に短縮された。計測漏れに伴う現場への再往復もなくなり、作業効率が一挙に上がった。計測距離の誤差も±1mmと精度が大きく高まった。スキャンデータと3DCADの3D画像をVR体験に使うことで、顧客の工事内容への理解が深まり、受注につながることが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手計測の時間がかかり測り漏れで再往復していた課題を示し、1か所8分程度、誤差±1mmという数字で解決を示している。
  • 4
    費用対効果導入で1か所8分程度に計測時間が短縮され、再往復がなくなったと具体的な効率化効果が書かれている。投入額との比較は示されていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋公共施設やオフィスビル、研究施設への活用を考えたいとあるが、スケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    バブル期建造物のリニューアル案件が増加し、3Dレーザースキャナー導入で対応したと読める。ただし経営戦略として明確に位置付けた記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    新規案件減少とリニューアル増加という外部環境に触れ、精度向上や効率化を強みとして示している。競争優位としての具体性はやや薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手計測の時間がかかり測り漏れで再往復していた課題を示し、1か所8分程度、誤差±1mmという数字で解決を示している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1か所8分程度の計測時間や誤差±1mmなど効果の数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    VRによる施工後の空間体験で顧客理解を深め受注につなげる狙いと、公共施設やオフィスビルへの展開が書かれている。ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    公共施設やオフィスビル、研究施設への活用を考えたいとあるが、スケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dレーザースキャナーと3DCAD・VRを組み合わせた空調設備の計測・提案は、同分野で高付加価値化を図る取組とうかがえる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の設備工事会社の取組で、公共施設や研究施設への展開を述べるが、経済波及や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果4

    導入で1か所8分程度に計測時間が短縮され、再往復がなくなったと具体的な効率化効果が書かれている。投入額との比較は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元点群データとVRを設備工事の提案に活用する点は先端的デジタル技術の活用といえるが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    福井市の企業で地域の空調設備を手掛けるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

今後の展望

利用のメリットをPRし、公共施設やオフィスビルなどの案件受注を目指すとともに、研究施設など幅広い分野での活用を考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。