ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

IoTを活用したライン監視システム構築による生産体制の高度化と最新生産ライン敷設

ユニクラフトナグラ株式会社

この事例のポイント

  • 自動車部品や機械部品の加工現場では、コスト低減の要求から加工能率の向上が求められている。
  • 主要取引先に供給するスターターシャフトの生産ラインにおいて、ライン全体の設備・ロボット・計測機・搬送装置をすべてネットワーク環境に接続し、集中管理できるIoT生産ラインを構築した。
  • ライン全体の設備・ロボット・計測機のネットワーク化により、自社でのIoTを活用した生産ラインの構築を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名ユニクラフトナグラ株式会社
所在地静岡県 湖西市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金6,750万円
設立1951年

事業の背景

当社は昭和32年に創業し、自動車部品や家電部品の精密加工を手掛けるほか、精密加工に必要な計測機やロボットシステムの開発・製作も行っている。品質と独創性を支える『一貫生産』『新工法開発』『FAライン』を強みとしている。世界の完成車メーカーでは海外現地調達化の流れが止まらず、日本の製造業は付加価値を高めることが生き残りのポイントとなっている。ドイツが先行する「インダストリー4.0」に日本の中小企業も追従することが急務となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算自動車部品や機械部品の加工現場では、コスト低減の要求から加工能率の向上が求められている。
  • コスト・採算新興国の技術発展により海外企業とのコスト競争が厳しくなり、従来のやり方では太刀打ちできなくなってきている。
  • 人手・技能外観検査を人の目視に頼っており、省人化が課題となっていた。

やったこと

主要取引先に供給するスターターシャフトの生産ラインにおいて、ライン全体の設備・ロボット・計測機・搬送装置をすべてネットワーク環境に接続し、集中管理できるIoT生産ラインを構築した。保守面では社内ネットワーク上から設備へアクセスし、プログラム選択や設備異常・刃具交換情報などをモニターできるようにした。従来は機械1台ごとに行っていた払い出しを、ボタン1つでライン内の全製品を払い出せるように制御した。これまで人の目視に依存していた外観検査は、ロボットと画像処理で行い省人化を図った。

検査測定外観検査装置「悠遊ゲート」
ソフトライン監視システム

事業の効果

ライン全体の設備・ロボット・計測機のネットワーク化により、自社でのIoTを活用した生産ラインの構築を実現した。段取り性の向上(時間短縮)、生産能力の向上(製造量増加)、生産性(保守性)の向上が図られた。外観検査の省人化も実現し、自社のIoT技術のレベルアップにつながった。さらに、このIoT化した生産ラインの構築はロボットシステム事業の拡販にもつながることが期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    「自社完結型生産性ノウハウ」や「FAライン」など強みを掲げ、IoT生産ライン構築を事業の延長として位置付けているが、経営戦略上の位置付けは文章で明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外とのコスト競争や多品種少量生産への対応という外部環境と、3つのコア技術という強みに触れている。ただし競争優位性の具体的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    段取り性・生産能力・保守性の向上を課題解決の方向として挙げ、ライン全体のネットワーク化により生産効率とコスト削減を目指すと書かれている。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社内ネットワークや自社でのIoT化の実現に触れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    顧客の多品種少量生産ニーズに触れるが、製品価値や顧客ターゲットの整理、選ばれる理由の具体的記述は乏しい。

  • 事業化までの道筋3

    ライン監視・集中管理・外観検査のロボット化という導入内容は示されるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    自動車部品の精密加工で高付加価値化を図る方針は触れられるが、分野の普及度や高価格化の水準を示す数字はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    日本の中小企業がインダストリー4.0に追従する急務性に触れるが、波及効果や雇用創出への言及は見られない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    ライン全体をネットワーク接続しIoT化する先端的な取組で、ロボットシステム事業の拡販やIoT化技術の販売への展開も期待されると書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    ものづくりの技術革新と製造業の付加価値向上に触れるが、日本経済の構造転換への具体的な寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

『世界で愛される名品創り』を目指し、自社完結・一貫生産をキーワードとしたものづくり会社としての更なる成長が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。