ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

廃棄物の再資源化と生コン二次製品の新たな製品開発

伊賀小野田レミコン株式会社

成果再使用可能な水の量(上層水の再利用率) 0%→100%

この事例のポイント

  • 生コンの売上は地域の建設需要に左右されるため、外部環境の変化で大きく変動し、収益面の圧迫要因となっていた。
  • 資源循環型残水処理機(掻き揚げ式残水処理システム硬まるくん)を導入し、戻りコンの残水・ドラム洗浄水・BP洗浄水を自社内で再資源化する仕組みを整えた。
  • 再使用可能な水の量(上層水の再利用率) 0%→100%。再使用可能な水の量は再利用率0%から100%となり、戻りコンを100%再利用できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名伊賀小野田レミコン株式会社
所在地三重県 伊賀市
業種窯業・土石製品製造業
従業員数7人
資本金1,500万円
設立1974年

事業の背景

同社は昭和49年に生コンの製造・販売を目的に操業し、50年に日本工業規格の許可を取得、平成17年に新工場でコンクリート二次製品の分野に進出した。現在の売上構成は生コンが70%、二次製品が30%である。生コンは受注生産で顧客が地域内の土木・建築関係者に限られ、地域の建設需要に売上が大きく左右される一方、二次製品は県外にも供給でき、努力次第で伸ばせるため今後重点的に強化すべき分野と考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑生コンの売上は地域の建設需要に左右されるため、外部環境の変化で大きく変動し、収益面の圧迫要因となっていた。
  • コスト・採算近年は産業廃棄物の処理に伴う費用が増加傾向にあった。
  • その他工事現場で余って産業廃棄物として処分される戻りコンの問題を、事業者の責任として改善する必要があった。
  • 品質・精度硬化したコンクリートくずは強度が不足し、ブロック用の骨材に再生するには無理が生じていた。
  • 新製品・新技術再利用するには未水和スラッジの強度を確保する工程の開発が必要で、強度を要しない製品開発にも取り組む必要があった。

やったこと

資源循環型残水処理機(掻き揚げ式残水処理システム硬まるくん)を導入し、戻りコンの残水・ドラム洗浄水・BP洗浄水を自社内で再資源化する仕組みを整えた。太平洋セメント(株)と連携し、戻りコンの状態を分析する基礎研究として一定期間のデータを収集し、製品化した場合の強度を中心とした試験を実施して二次製品化する場合の制約条件を確定させた。その結果をもとに製品化できる分野や用途を洗い出し、再生資源を活用した二次製品として「旗立ブロック」と「防災ベンチ」の2品目の試作を行った。導入する機械設備は最大でも10kW未満で稼動する設計となっている。

その他資源循環型残水処理機(掻き揚げ式残水処理システム硬まるくん)

新しい製品・サービス:再生資源を活用した生コン二次製品(旗立ブロック、防災ベンチ)

事業の効果

  • 再使用可能な水の量(上層水の再利用率) 0%→100%
  • スラッジの再利用率 0%→100%
  • 再生製品の製品試作は実績なしから2品目の製作実績を確保することができた。

再使用可能な水の量は再利用率0%から100%となり、戻りコンを100%再利用できるようになった。産業廃棄物の処分費、処分場への運搬費、外注費が大幅に削減され、リサイクル砕石や二次製品を競合他社より低価格で提供できる価格優位性を発揮できるようになった。産業廃棄物処理場への運搬作業が減ったことでCO2排出量を抑制でき、機械設備は最大でも10kW未満で稼動するため地域の環境負荷低減にも寄与する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    生コン製造の蓄積技術を活かし二次製品へ進出した経緯や、戻りコン問題の認識は書かれるが、経営戦略上の明確な位置付けは示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地域外にも供給可能な二次製品の強化と、処分費削減による競合より低価格で提供できる価格的優位性が具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    産業廃棄物処理費の増加という課題を認識し、残水処理機導入と二次製品開発で解決を図る計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    目標として2品目以上の製作実績や再利用率100%が挙げられ、達成結果は示されるが、付加価値や賃上げの数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    技術者の保有や太平洋セメント社との連携が書かれるが、人員や事務体制の具体的な確保状況は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    箱型土留めブロックなど試作依頼の実績があり、地域のグリーン購入需要や価格優位性など顧客ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    基礎研究から製品開発へ進む段階や今後の破砕機導入など中長期の課題は書かれるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    再生資源を用いた二次製品の開発は新分野とされるが、普及度や高水準の高価格化を示す具体的数値は乏しい。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    産業廃棄物削減によるCO2抑制や、戻りコンの再資源化により地域経済へ波及させる効果が具体的に述べられている。

  • 費用対効果3

    処分費や運搬費の削減効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    資源循環型の再資源化による環境負荷低減と新ビジネスモデル構築は述べられるが、デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    環境配慮型の再資源化は時代の方向性と合うがうかがえる程度で、構造転換への明確な言及はない。

  • 地域経済への波及4

    地域の戻りコン問題を解決し、地域の供給者のグリーン購入意識を高め地域経済へ波及させると明記されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引先からは再生資源を活用した「箱型土留めブロック」などの新たな試作依頼も受けている。一方で品質面(コンクリート強度)とコスト面(コストダウン)の要求を満たし量産化に対応するには課題が残っている。今後は二次製品の品質向上、再資源化の処理能力向上、生産性向上に向けて、新たな破砕機や選別機を導入し骨材の破砕工程のリノベーションに取り組んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。