ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

地の不利を利に替え、過疎地起点の地域連携新商品で地産外商を目指す計画

有限会社もんいまぁじゅ

成果シュー生地の作業時間(1バッチ=320個) 30分→4.83分

この事例のポイント

  • 熊野市は急激な過疎化により商圏が大きく縮小し、既存のケーキ等の洋菓子店・喫茶店では将来が見通せない。
  • 生地づくり工程(加温・撹拌)を自動化するためホットミックス(攪拌機)を導入し、完全自動で生地を製造できるようになったことで製造時間を大幅に短縮した。
  • シュー生地の作業時間(1バッチ=320個) 30分→4.83分。ホットミックスにより生地づくりが完全自動化され、製造時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社もんいまぁじゅ
所在地三重県 熊野市
業種食料品製造業
従業員数6人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

有限会社もんいまぁじゅは熊野市で洋菓子・焼き菓子を製造し、地域No.1店と自負している。東紀州は人口減少地域で、熊野市は急激な過疎化により商圏が大きく縮小している。一方で、橿原市主催の市みやげ物発掘プロジェクトで受賞した商品や伊勢志摩サミットで提供した日本酒メーカー依頼の酒かす商品など、OEM提供の取引も広がっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑熊野市は急激な過疎化により商圏が大きく縮小し、既存のケーキ等の洋菓子店・喫茶店では将来が見通せない。
  • 生産能力現状では生産能力が限界で受注余力がなく、新規の引合いに応えられない。
  • 人手・技能生地づくりや充填の手作業工程が熟練を要し、作業時間がかかっている。
  • 品質・精度手作業のため品質にバラツキがあり、安定化と量産化が課題となっている。

やったこと

生地づくり工程(加温・撹拌)を自動化するためホットミックス(攪拌機)を導入し、完全自動で生地を製造できるようになったことで製造時間を大幅に短縮した。シュー生地(1バッチ=320個)は手作業30分が導入後に4分50秒、フィナンシェ生地(1バッチ=280個)は25分が7分00秒となった。充填工程ではデポジッター(充填機)を導入し、重量の均一性を実現するとともに作業時間を短縮した。デポジッターにより水まんじゅう(1バッチ=110個)は30分が13分53秒、シュー生地は20分が5分24秒となった。両機械とも入力数値を標準化・マニュアル化し、関与するスタッフが新人に教えられる程度の習熟度を達成した。

加工機ホットミックス(攪拌機)
加工機デポジッター(充填機)

新しい製品・サービス:ホットミックスとデポジッターを活用し、菓子業界にとらわれないデザインや厳選素材を使った、歴史性・文化性の高い食品を応用した焼き菓子などの新商品を量産化する。また、酒造メーカーなどとコラボした洋菓子や、日本全国の名産品を活用した製菓商品を開発する。

事業の効果

  • シュー生地の作業時間(1バッチ=320個) 30分→4.83分
  • フィナンシェ生地の作業時間(1バッチ=280個) 25分→7分
  • シュー生地の作業時間(充填、1バッチ=320個) 20分→5.4分
  • 水まんじゅうの作業時間(1バッチ=110個) 30分→13.88分

ホットミックスにより生地づくりが完全自動化され、製造時間が大幅に短縮された。デポジッターにより充填工程の重量の均一性が実現し、作業時間も短縮された。両機械とも入力数値の標準化により品質のバラツキがなくなり、ミキサー作業・終点作業の生産性が大きく向上した。これにより製造原価が削減され、受注余力を生み出して新規の引合いや見込みの受注量に対応できる体制を整えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    地域資源を活かした洋菓子の開発と地産外商を掲げ、橿原市プロジェクトや伊勢志摩サミット商品の実績から一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    東紀州の人口減少と商圏縮小に触れ、強みとして商品開発力やデザイン力を挙げているが、競争優位の定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業工程の課題を挙げ、シュー生地で作業時間30分が5分24秒に短縮されるなど、課題解決と受注余力確保の計画が具体的。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性向上やOEM進出による売上増加を見込むとあるが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    スタッフが新人に教えられる程度の習熟度に達したと記載があるが、補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    地域資源の活用や厳選素材、ストーリー性が特徴として書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    作業効率化の方向性は書かれているが、遂行スケジュールや中長期の課題検証の具体的な記載は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    酒造メーカーなど異業種連携による洋菓子や地方名産品を使った製菓商品という独自性はうかがえるが、高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    過疎地域の商圏縮小に対し、地域資源と県内外事業者連携による地産外商で地域の需要創出に言及している。

  • 費用対効果3

    製造原価の削減や作業時間の大幅短縮は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ホットミックスやデポジッターの導入で機械化を進めるが、先端的なデジタル技術の活用やビジネスモデルの革新は限定的にしか読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    日本全国の名産品を活用した製菓商品の開発という地産外商戦略に触れているが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    熊野市の地域資源を活かし、地元製造の土産品を全国に展開して地域経済を牽引する構想が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ホットミックスとデポジッターの導入による生産性向上とOEM(卸部門)への進出により、開発商品の売上増加を見込んでいる。今後は顧客情報を活用して効率よく商品開発し、ストアロイヤリティの向上とOEM企業としてのブランディングに努める。地産外商戦略により、熊野市製造元の各地方土産が全国の土産物店に並ぶことを期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。