ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

メーカー独占の高度な加工が必要な最新鋭刃物の再研磨市場に研磨事業者が参入

丸北研磨株式会社

成果段取り時間 44分→21分

この事例のポイント

  • ヘリカルダイヤ刃物の再研磨には高額な刃物用放電加工機の導入が必要だった。
  • ダイヤモンド工具放電加工機(フォルマー社 GM-eco型)を導入した。
  • 段取り時間 44分→21分。新設備の導入により、ヘリカルダイヤ刃物を新刃に近い性能で再研磨できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名丸北研磨株式会社
所在地三重県 桑名市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
資本金1,000万円

事業の背景

当社は15年ほど前からダイヤ研磨の研究を行い、国内では再研磨業者として上位の取り扱い実績と検査機などの体制を持っていた。全国でヘリカルダイヤ刃物を再研磨できる事業所はほぼなく、刃物メーカーが独占している。木工業界ではダイヤ刃物からヘリカルダイヤ刃物への切り替えが進み、再研磨ニーズが高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ヘリカルダイヤ刃物の再研磨には高額な刃物用放電加工機の導入が必要だった。
  • 人手・技能加工技術を持つスタッフが十分におらず、通常のダイヤ製品の再研磨体制を組み直す必要があった。
  • 新製品・新技術ヘリカルダイヤ刃物を再研磨できる設備がなく、刃物メーカーが独占する市場に参入できなかった。

やったこと

ダイヤモンド工具放電加工機(フォルマー社 GM-eco型)を導入した。機械装置の納入後、交代でテストピースの検査と取り外し研修を2週間にわたり実施した。海外製のため日本製のような詳しいマニュアルがなく、当社職員とメーカーが協力して独自の社内操作マニュアルを作成した。この作業で職員が機械操作を理解し、試運転や性能評価を円滑に行えるようになり、2D-CADの操作も二人で行えるため社内研修が進んだ。

加工機ダイヤモンド工具放電加工機(フォルマー社 GM-eco型)

新しい製品・サービス:ヘリカルダイヤ刃物の再研磨加工

事業の効果

  • 段取り時間 44分→21分
  • 検査従事者数 2名→7名
  • 研磨従事者数 2名→7名
  • 外周精度 0.02mm→0.01mm
  • 面相度 1μ→0.3μ
  • 加工スピード(対ワイヤーカット) 0.2mm/min→5.7mm/min

新設備の導入により、ヘリカルダイヤ刃物を新刃に近い性能で再研磨できるようになった。研磨作業が平準化され、品質の均一化とコスト削減が実現した。メーカー依存だった外注費を削減でき、個々のユーザーの仕様にも対応できるため受注での競争力が高まった。段取り時間は44分から21分になり、加工スピードや精度も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性93%
  • これまでの取組との一貫性4

    従来のダイヤ刃物からヘリカルダイヤへの切り替えが進むユーザー需要を受け、再研磨事業へ参入すると明記されており、既存のダイヤ研磨研究の延長として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    刃物メーカーが独占する市場に参入し、シェアを獲得すると明記。15年のダイヤ研磨研究、国内上位の取扱実績を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決5

    課題(高額設備・再研磨体制)を明示し、放電加工機導入と社内人材育成で解決する手法を示している。段取り時間は44分から21分へ短縮と数値で示されている。

事業の実現可能性76%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    外周精度を0.02mmから0.01mm以内へ、加工スピードを0.2mm/minから5.7mm/minへ、段取り時間を44分から21分へ数値目標と実績を示している。

  • 事業を進める体制5

    検査従事者を2名から7名へ、研磨従事者を2名から7名へ増やす目標と、研修会を2週間実施した具体的な体制が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    新刃と同等の切れ味と耐久性を訴求し、ユーザー企業の切り替え需要や小回りの利く受注対応を選ばれる理由として挙げている。

  • 事業化までの道筋4

    機械操作の研修、独自の社内操作マニュアル作成、メーカーとの協力など遂行方法が書かれ、今後は航空機・自動車向けへの展開も示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ヘリカルダイヤ刃物の再研磨は刃物メーカーが独占し、国内で加工できる事業所がほぼないと書かれており、新市場への参入として高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    木工業界全体のコストダウンへの貢献や航空機・自動車向けへの新規開拓の可能性は書かれているが、雇用創出などの波及効果は具体的に示されていない。

  • 費用対効果3

    外注費削減やコスト低減、生産効率向上が書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加額などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ダイヤ刃物のCFRPなど新規素材への応用可能性にふれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機・自動車業界への参入可能性にふれているが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    三重県桑名市の地域企業であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長の記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

木工用刃物が中心だが、航空機・自動車業界向けのダイヤ刃物への参入可能性が開けた。非鉄金属やCFRPなど新素材への応用も将来的に見据えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。