ものづくり補助金平成24年度徳島県

多品種、小ロット部品における高精度、短納期加工を目指した高速加工の実現

有限会社天野鉄工所

成果主軸回転速度 1倍→10倍

この事例のポイント

  • 大型加工に特化してきたが、リーマンショック以降は高硬度・複雑形状の多品種小物・小ロット品の要望が増えた。
  • マシニングセンター(MC機)を導入し、小径エンドミルによる高速加工を行う体制をつくった。
  • 主軸回転速度 1倍→10倍。導入機は主軸回転速度が大きく上がり、早送りや切削送りが増えて高速加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社天野鉄工所
所在地徳島県 徳島市
業種はん用機械器具製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数17人
設立1984年

事業の背景

徳島市東沖洲の工業団地に進出した当初は、他社との差別化のため大型加工に特化したものづくりを目指していた。リーマンショック以降は、高硬度材や複雑形状品などの小物の要望が増えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型加工に特化してきたが、リーマンショック以降は高硬度・複雑形状の多品種小物・小ロット品の要望が増えた。
  • 納期・工程残業増や2交代制で対応してきたが、設備や納期の問題で受注できないこともあった。
  • コスト・採算既存設備のみで小物を加工すると本来の加工単価と請求単価が合わず、小物受注が増えるほど全体の加工単価が下がっていた。

やったこと

マシニングセンター(MC機)を導入し、小径エンドミルによる高速加工を行う体制をつくった。従来機と加工能力、適性形状、加工時間などを比較して導入機を決め発注した。導入機の仕様と自社の経験・設備状況を照らし合わせ、加工対象と工具・加工条件を検討した。従業員2名がMC機の操作とプログラミングの教育訓練を受け、受講者が他の従業員へ内容を報告した。受注品を実際に加工し、面精度・加工時間・加工条件の関係を把握した。

加工機マシニングセンター(MC機)

新しい製品・サービス:操作型MC機による小径エンドミルの高速加工

事業の効果

  • 主軸回転速度 1倍→10倍
  • 加工時間 1倍→0.1倍
  • チップツーチップ7.0秒の工具交換になった。
  • 移動量が従来機よりX軸で67.4%増した。
  • 移動量が従来機よりY軸で100%増し、倍になった。
  • 移動量が従来機よりZ軸で46.7%増した。
  • 加工重量 1,000kg→1,500kg
  • 新規取引の拡大により売上げを30%増加させる予定。
  • 収益を10%増加させる予定。

導入機は主軸回転速度が大きく上がり、早送りや切削送りが増えて高速加工が可能になった。自動工具交換により加工外の交換時間が減り、交換作業がなくなって加工完了まで自動化された。移動量が増えて中型のワークまで対応できるようになり、加工重量の上限も上がった。MS主軸とギヤ主軸を選べるため幅広い材料に対応できる。習熟が進めば加工時間は従来機を上回る見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    大型加工に特化してきた過去の取組から小物高速加工へ展開する流れは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    リーマンショック後の小物・高硬度材の需要増と、門型加工機中心の設備制約が書かれ、外部環境と自社の強みの関係はうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    残業増や2交代制では受けられない小物受注や加工単価低下という課題を明示し、MC機による高速加工で解決する計画になっている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    売上30%増、収益10%増という数値目標があり、加工時間は理想的に従来の1/10になるとも書かれている。ただし実績は導入直後で未達。

  • 事業を進める体制3

    従業員2名への教育訓練と、その報告による他従業員への共有が書かれているが、体制の詳細や事務処理能力は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小物から中型までの加工対応や高硬度材・複雑形状への対応が示されているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    教育訓練、試加工による条件把握、習熟による将来の作業速度向上など段階的な進め方は書かれているが、スケジュールは明記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高硬度材・複雑形状の小物を小ロットで高速加工する点は示されているが、分野の普及度や高付加価値化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域進出や雇用に関する記述はあるが、川上川下への波及効果や国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間が理想的に1/10になるとの記載や従来機比の移動量増加は示されているが、投資額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CAM活用やMC機による自動化は書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献までは述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    徳島市の地域企業であることや四国・関西市場への展開はうかがえるが、地域の経済成長への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大型加工と導入MC機による小物の高精度・短納期加工を柱に、四国や関西市場での新規取引を目指し、売上げを30%、収益を10%増加させる。得た収益は従業員等の給与に反映させる。

事業者の声

「自社本来の大型から今回導入のMC機による小物まで高精度、短納期加工」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。