ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

5軸仕様微細加工機の導入により超高精度複雑切削加工を実現させる事業

株式会社中川製作所

成果XYZ軸の機械的位置精度 2μ→0.1μ

この事例のポイント

  • 微細穴加工は平面的穴あけが中心で、立体的(斜め・交差)穴あけの相談や受注は少しずつ増えているが、対応できる業者が限られている。
  • 5軸仕様の超高精度高速微細加工機を導入した。
  • XYZ軸の機械的位置精度 2μ→0.1μ。傾斜治具を製作せずに立体的穴あけ加工に取り掛かれるようになり、加工部位を変えるたびのチャッキングが不要になったことで、…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中川製作所
所在地三重県 津市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金2,600万円
設立1938年

事業の背景

同社は1938年に創業し、紡績針(コーム)を国内外の紡績機械メーカーや紡績会社に出荷してきた。紡績業界の縮小を受けて平成18年に金属加工業界へ新規参入し、現在は直径0.02mmの小径穴を位置精度±0.005mm以内で加工する技術で、医療、分析機器、液晶、半導体製造装置向け部品などの取引先から穴あけのスペシャリストとして認知されている。顧客からは電子部品や医療機器などの小型化・高度化に伴い、斜めや交差する穴あけの要望が寄せられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程微細穴加工は平面的穴あけが中心で、立体的(斜め・交差)穴あけの相談や受注は少しずつ増えているが、対応できる業者が限られている。
  • 納期・工程立体的穴あけは毎回個別に治具(傾斜治具)を製作する必要があり、顧客の短納期の要望に応えられず失注することがある。
  • コスト・採算立体的穴あけは加工単価が高いものの治具製作やプログラム作成の難易度が高く、加工者が平面的穴あけを好むため、受注体制の確立が必要である。
  • 品質・精度交差穴の接続部に除去しづらいカエリバリが発生し、顧客の求める品質に応える加工・仕上げが難しい。

やったこと

5軸仕様の超高精度高速微細加工機を導入した。導入機は既存の微細加工機の進化版で重量は同クラスの2倍あり、精度と剛性が高い。社内LANで3DCAMと接続して複雑な加工データを入力できるようにし、加工機メーカーのモニタリングシステムでデータをクラウドに上げ、メーカーのモニタリングセンターで機械の監視や保守、分析を行う体制とした。試作評価では、XYZ軸の機械的位置精度を現状±2.0μ以内から±0.1μ、XY軸の熱変位量を±2.0μ以内から±0.4μに改善し、目標を達成した。斜め穴加工ではアルミ材の直方体側面45°傾斜への穴あけで直径0.12mmから0.08mmを達成し、交差穴加工ではチタン材で直径1.5mmから0.8mmを達成した。

加工機5軸仕様超高精度高速微細加工機
ソフトモニタリングシステム

事業の効果

  • XYZ軸の機械的位置精度 2μ→0.1μ
  • XY軸の熱変位量 2μ→0.4μ
  • 斜め穴加工の直径 0.12mm→0.08mm
  • 交差穴加工の直径 1.5mm→0.8mm

傾斜治具を製作せずに立体的穴あけ加工に取り掛かれるようになり、加工部位を変えるたびのチャッキングが不要になったことで、リードタイムが大幅に短縮された。製造コストは治具製作費が5%、バリとり費用が10%、合計15%削減された。精度面ではチャッキングによる精度ロスや掴み傷のリスクがなくなり、納入後の不具合発生の確率も極めて低く、顧客から高い評価を得ている。

今後の展望

超高精度な斜め穴・交差穴の加工が可能となり、高品質を維持したままリードタイムを短縮できる高付加価値の事業が展開できる。事業が順調に進めば数年以内にさらなる設備投資が可能になると見込まれ、海外市場への技術の売り込みも目指している。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。