ものづくり補助金平成28年度製造業滋賀県

最新型NC機器の導入による大型空調機部品の開発・量産体制の構築

株式会社大橋鉄工

成果耐摩耗性 1倍→1.5倍

この事例のポイント

  • 空調機の大型化に伴い、プーリーを現行品の2倍の径にしても精度を保つことが求められていた。
  • 最新鋭の立形CNC旋盤を新たに導入し、安定加工、大面積加工、重量物薄物加工、異形物加工を可能にした。
  • 耐摩耗性 1倍→1.5倍。最新のCNC旋盤の導入により、同一製品では保有設備の2倍のスループットが実現し、顧客の短納期要望に応えられるようになっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大橋鉄工
所在地滋賀県 長浜市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数33人
資本金1,500万円
設立1954年

事業の背景

当社は摩擦圧接を応用した接合技術と高精度金属加工技術により、エンジン・事務機器・金型・医療機器・自動車などの部品を製造している。プーリーやカップリングは動力の高伝達特性、低雑音性、耐摩耗性で定評があり、大手エンジンメーカーや空調メーカーに納入している。海外観光客の増加や東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う宿泊施設などの建設により、大型エアコン用室外機向けにプーリー径400mm化の要望があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力空調機の大型化に伴い、プーリーを現行品の2倍の径にしても精度を保つことが求められていた。
  • 品質・精度径が大きくなると、現行品と同じ精度(内径公差・平行度30μm以内)を実現することが難しかった。
  • 生産能力保有しているCNC旋盤では、プーリーの大型化と高精度化を安定して両立させることが難しかった。
  • 品質・精度使用環境から、現行品より高い耐摩耗性が求められていた。

やったこと

最新鋭の立形CNC旋盤を新たに導入し、安定加工、大面積加工、重量物薄物加工、異形物加工を可能にした。異種金属の加工と、加工時の歪み・熱膨張による変形を考慮した加工条件を、これまでのノウハウを活用して設定した。耐摩耗性を高めるため、400mmプーリーの本体には一般鋼材を用い、駆動部のみステンレス鋼を用いる異種金属構造とし、接合部の仕上げを最新のCNC旋盤で高速加工した。試作評価では、内径公差と平行度が目標範囲内に収まり、工程能力指数Cpは1.33以上を示した。

加工機立形CNC旋盤

新しい製品・サービス:径400mmの大型空調機用プーリー(異種金属構造)

事業の効果

  • 耐摩耗性 1倍→1.5倍
  • スループット 1倍→2倍

最新のCNC旋盤の導入により、同一製品では保有設備の2倍のスループットが実現し、顧客の短納期要望に応えられるようになった。400mmプーリーは目標範囲内の精度と工程能力を安定して示し、生産品質を保つことができるとわかった。異種金属適用により耐摩耗性も現行品の1.5倍に向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    鋳物プーリーの加工やエアコン向け部品の製造実績は読めるが、経営戦略上の位置付けは記載がなく、過去の取組との一貫性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    異種金属接合技術と高精度加工の強みに触れ、空調機の大型化という市場動向を挙げて競争優位性との関係を示している。

  • 課題の認識と解決4

    現行プーリー径200㎜から400㎜への大型化で精度を保つ課題を明示し、最新立形CNC旋盤導入で解決すると記載している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    工程能力指数Cp1.33以上、耐摩耗性1.5倍、スループット2倍など数値目標と試作結果が示され、実現可能性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    加工ノウハウを活用したとあるが、人材配置や事務処理体制、遂行体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    空調メーカーや大手エンジンメーカーに使われ、低雑音・耐摩耗性で定評がある点と、短納期要望への対応が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    自動車含む汎用エンジンへの展開を検討すると今後の方針があるが、スケジュールや遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    異種金属接合による耐摩耗性を現行品の1.5倍にし、同分野で高水準の高付加価値化を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    宿泊施設建設や海外観光客増加に伴う大型空調機需要に触れるが、雇用や波及効果の定量的記述は薄い。

  • 費用対効果4

    耐摩耗性向上で消費電力ロス削減が見込まれ、2倍のスループットで生産性向上も示されている。投資額との比較は読めない。

  • イノベーションへの貢献2

    異種金属接合技術は独自性があるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献の記載はわずかにうかがえる程度。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    空調機分野から自動車含む汎用エンジンへの展開を図るとあり、成長分野への進出がうかがえるが構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県長浜市の企業だが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大型プーリーの生産が可能になったことを生かし、空調機分野にとどまらず、異種金属接合技術とあわせて自動車を含む汎用エンジンへの展開を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。