ものづくり補助金平成28年度製造業滋賀県

近江牛を使用した本格的肉料理介護食の開発及び量産体制の構築

株式会社徳志満

この事例のポイント

  • 咀嚼能力が低下した高齢者でも楽しめる本格的な肉料理の介護食を、量産できる体制がなかった。
  • 各作業工程に応じた要求性能の目標値を設定し、相見積による適正価格で設備を購入した。
  • 導入した設備はすべて目標性能をクリアし、近江牛介護食用のハンバーグ、テリーヌ、成形ステーキの連続生産が可能であることを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社徳志満
所在地滋賀県 湖南市
業種食料品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

株式会社徳志満は近江牛の生産・販売、近江牛を用いた食材・食料品の企画製造販売、近江牛を用いたレストランを事業としている。口の中で溶ける良質の脂の近江牛の極上部位を使った「ひとくちステーキ」などを高齢者向けに提供してきた。ますます高齢化が進み介護食の需要が急増する一方、画一的なメニューが大半を占めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術咀嚼能力が低下した高齢者でも楽しめる本格的な肉料理の介護食を、量産できる体制がなかった。
  • 人手・技能介護食を開発する企業の多くはセントラルキッチン方式の画一的なメニューが中心で、高級志向の高齢者に応える商品が不足していた。
  • 新製品・新技術介護食とは意識させない高級肉料理の量産には、種々の調理設備と保管設備が必要だった。

やったこと

各作業工程に応じた要求性能の目標値を設定し、相見積による適正価格で設備を購入した。各専門業者が合同打合せで作成したスケジュールに従い、機械を順次設置した。テスト的に肉料理介護食を試作し、目標性能の検証と評価を行った。近江牛介護食用のハンバーグ、テリーヌ、成形ステーキの連続生産運転試験を実施した。

加工機肉料理介護食の生産設備一式(各作業工程用の調理・成形設備)
その他保管設備

新しい製品・サービス:近江牛を使用した本格肉料理介護食(ハンバーグ、テリーヌ、成形ステーキ)

事業の効果

導入した設備はすべて目標性能をクリアし、近江牛介護食用のハンバーグ、テリーヌ、成形ステーキの連続生産が可能であることを確認した。肉の味を保ったまま、歯のほとんどない人でも咀嚼して飲み込める柔らかさを確認した。特別な日の本格肉料理として大手介護事業者2社への提供を1年目から開始する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来の近江牛の生産・販売や牛肉商としての取組が背景にあり、高齢者向け商品の提供実績も記載されているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    介護食は画一化されたメニューがほとんどとの市場認識と、近江牛の極上部位を使う自社の強みが示されているが、競争優位性を数値で示す記述はない。

  • 課題の認識と解決3

    高齢者の食事の課題(咀嚼低下でも食べたい)を認識し、大手介護事業者2社への提供開始を計画しているが、売上や付加価値の目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    設備選定から試運転、連続生産試験までの工程と、専門業者との合同打合せによる段取りは示されているが、人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは余生を楽しむ高級志向の高齢者、大手介護事業者2社からの依頼という需要の裏付けがあり、選ばれる理由として近江牛の味と柔らかさを挙げている。

  • 事業化までの道筋4

    設備発注、設置、試運転、連続生産試験の順序が示され、1年目からの提供開始と改良、そして課題としてネーミングや品揃えの方向性が整理されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    介護食は画一化された市場が大半との認識のもと、近江牛の極上部位を使ったひとくちステーキなど高水準の本格肉料理で差別化を図っている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化による介護食需要の急増や高齢者の尊厳ある食生活という社会的背景は記されているが、波及効果や雇用創出の数値はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    高齢化の進展に対応して介護食需要に応える点は示されるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    滋賀県の近江牛を活かした地域の食文化貢献が理念として書かれているが、雇用や地域経済成長の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大手介護事業者2社への提供を開始し、意見を聞きながら改良するとともに他の商品開発も進める。最終的には全国の高齢者に向けた商品提供方法を模索している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。