ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

コーヒー飲料業界初の窒素ガス混合脱酸素システムの開発・導入

京都飲料株式会社

成果珈琲総生産 100%(前年=100)→125%(前年=100)

この事例のポイント

  • 飲料製品の最大の課題は酸化による劣化で、特に珈琲は香りと風味が酸化によりすぐに劣化する。
  • 株式会社ノリタケカンパニーリミテドの気液混合装置を珈琲で使えるように共同開発を進めた。
  • 珈琲総生産 100%(前年=100)→125%(前年=100)。窒素混合により溶存酸素を低減し、鮮度維持、酸化防止、賞味期限延長が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名京都飲料株式会社
所在地京都府 京都市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数14人
資本金100万円
設立1962年

事業の背景

業務用シロップ、氷みつ、珈琲を中心に自社ブランドのマミー製品を300アイテム製造し、全国の食品問屋に卸している。主要取引先は主要都市の酒食品問屋や自家焙煎店である。H25年事業で一貫生産ラインを設置して生産性と衛生面を向上させた結果、自家焙煎珈琲店へのOEM生産の顧客は150社から300社へ倍増した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度飲料製品の最大の課題は酸化による劣化で、特に珈琲は香りと風味が酸化によりすぐに劣化する。
  • 品質・精度自家焙煎珈琲店へのOEM生産では美味しさが強みであり、酸化への対応と珈琲の味の向上が差別化のために必要だった。
  • 新製品・新技術添加物の投入、窒素ガス充填、液体窒素滴下といった他社の脱酸素の取組は風味が変わる、設備が大掛かりになるなどの理由で採用が難しかった。

やったこと

株式会社ノリタケカンパニーリミテドの気液混合装置を珈琲で使えるように共同開発を進めた。この装置は飲料の液体の中に窒素ガス(無味無臭、人体影響なし)を吹き込み、瞬時に撹拌混合して溶存酸素を低減する仕組みである。主要装置の特殊インラインミキサーは全長60cmくらいの小型で、溶存酸素濃度の測定試験とインラインミキサーの設計から始めた。窒素混合により溶存酸素濃度を4パターン試作し、自家焙煎珈琲店の社長や珈琲鑑定士に試飲を依頼した。牛乳での実証実験の結果も参考に、弊社の珈琲に合った仕様を検討した。

加工機気液混合装置
加工機特殊インラインミキサー

新しい製品・サービス:窒素ガス混合脱酸素システム(珈琲脱酸素装置)

事業の効果

  • 珈琲総生産 100%(前年=100)→125%(前年=100)
  • 珈琲瓶総生産 100%(前年=100)→154%(前年=100)
  • 窒素充填数 100%(前年=100)→159%(前年=100)
  • 溶存酸素濃度 0.55ppm→0.3ppm

窒素混合により溶存酸素を低減し、鮮度維持、酸化防止、賞味期限延長が可能になった。飲料分野の安心・安全や旨みの増加に関する消費者ニーズの高度化目標に対応し、製品の品質の均一化、高品質・高付加価値の付与、旨み・香りのロス低減を実現した。珈琲総生産、珈琲瓶総生産、窒素充填数はいずれも前年より増加し、ネット販売を含めた新規取引先も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年事業の一貫生産ライン導入からOEM顧客が150社から300社へ倍増したと書かれ、事業の流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット生産ネルドリップ方式という独自の強みと、OEM顧客が150社から300社へ倍増した点から競争優位性が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    飲料の最大課題を酸化による劣化と特定し、窒素混合脱酸素で解決して売上拡大を目指す流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    珈琲総生産125%増、珈琲瓶総生産154%増、窒素充填数159%増と数値目標に近い実績が示されている。ただし売上目標は前年比5%UPとしか書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    ノリタケカンパニーとの共同開発や研究体制の記載はあるが、人材や事務処理能力を確保した体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは自家焙煎珈琲店で、味の評価や一流ホテル利用など選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    溶存酸素濃度を4パターン試作し試飲評価を行い、0.3ppm前後が最適と検証した手順が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    コーヒー飲料業界初の窒素ガス混合脱酸素システムとして、同分野で高付加価値化を図る取組であることが具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    食の安全や品質向上、衛生面の向上が書かれ社会的意義はうかがえるが、雇用や経済波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    珈琲総生産125%増などの成果は読み取れるが、補助金額と付加価値増加の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は書かれていないが、サプライチェーンの高品質化に関する記述がわずかにうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都市南区の事業者であることは読み取れるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

スペシャリティ珈琲のブームを背景に、認証珈琲やオーガニック珈琲豆を扱うCSRに力を入れる自家焙煎珈琲店へ高品質な製品を納入し、売上向上に貢献していく。全体の売上目標は前年より5%増とし、コロナ禍を踏まえてBtoCのネット販売も検討しており、ショッピングサイトを備えたHPの制作も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。