ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

自立型表示装置等のリチウムイオン電池充放電制御システムの試作開発

株式会社東和技研

成果リチウムイオン電池の電圧精度 50mV→10mV

この事例のポイント

  • リチウムイオン電池セルごとの蓄電容量にばらつきがあり、ユニット全体の電池寿命が短くなっている。
  • 太陽光発電の自動計測制御機能とリチウムイオン電池の充放電制御機能を一つのマイコンにプログラムし、充放電システムの小型化とローコスト化を図った。
  • リチウムイオン電池の電圧精度 50mV→10mV。充放電制御システムにより、リチウムイオン電池の電圧精度が向上し、目標値をクリアして電池寿命が1.2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東和技研
所在地京都府 京都市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数19人
資本金1億円
設立1995年

事業の背景

当社は1995年に IC 基板の設計・製作を主な事業として設立し、現在は計測器やICテストの業務請負に加え、太陽光発電表示システムとLED表示板を主力事業としている。2009年発売の発電計測表示パネル「ソルビスタ」は累積6百台以上を販売している。自立型の太陽光発電システムでは蓄電装置として主にリチウムイオン電池が使われているが、低電圧のリチウムイオン電池は電池寿命が短く、メンテナンスを含めた高コストが問題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度リチウムイオン電池セルごとの蓄電容量にばらつきがあり、ユニット全体の電池寿命が短くなっている。
  • コスト・採算電池の充放電バランスの管理やメンテナンスに高いコストがかかっている。

やったこと

太陽光発電の自動計測制御機能とリチウムイオン電池の充放電制御機能を一つのマイコンにプログラムし、充放電システムの小型化とローコスト化を図った。カスタマイズ仕様に合わせて希望の値を数値入力できるよう設定した。変動する太陽光発電量に対して充放電電圧精度を短時間で評価するため、太陽電池とリチウムイオン電池のエミュレータをそれぞれ製作した。一日の太陽光発電量の変化を1/10の時間で模擬的に試験できるエミュレータと、1週間で行われる充放電を1時間で模擬試験できる双方向コンバータ技術を用いたリチウムイオン電池評価のエミュレータを製作した。自動計測制御機能付き電池の充放電制御システムを試作し、開発した両エミュレータで評価した。

その他充放電制御システム(試作機)
検査測定太陽電池・リチウムイオン電池エミュレータ

新しい製品・サービス:自動計測制御機能付き電池の充放電制御システム(ソルビスタの充放電制御システム化)

事業の効果

  • リチウムイオン電池の電圧精度 50mV→10mV
  • 電池寿命 1倍→1.2倍
  • 現場で確認できメンテナンスコストが最大50%削減可能。
  • 太陽光発電量の変化を1/10の時間で模擬試験、1週間の充放電を1時間で模擬試験できるようになった。

充放電制御システムにより、リチウムイオン電池の電圧精度が向上し、目標値をクリアして電池寿命が1.2倍になった。電池システムの信頼性と安全性が向上し、省力化の効果が実証できた。現場で確認でき、メンテナンスコストは最大50%削減が可能になった。エミュレータにより評価時間を大幅に短縮できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1995年設立のIC基板設計から太陽光表示板へ展開した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    IC テスト技術と計測器設計の強み、太陽光表示板の累積6百台販売など、自社の経営資源と市場の関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    電池寿命の短さやメンテナンスコスト増という課題を明示し、充放電制御システムで解決する方針が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    電池寿命1.2倍、メンテコスト最大50%削減、電圧精度±50mVから±10mVなど、目標値と成果が数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    開発体制や人材の記述は少ないが、従業員19人規模で試作開発を行ったことは読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害用自立型表示装置や街路灯という顧客ニーズと、カスタマイズ対応による選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    エミュレータで1/10の時間に短縮して評価する方法や、展示会・試験運用による製品化のステップが示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    太陽光発電計測表示システムを自社ブランド化し、累積6百台販売と高水準の製品を扱う点が示されている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    災害対策や街路灯など公共インフラ向けの自立型システムで、南海トラフ地震への備えという公益性が示されている。

  • 費用対効果3

    メンテナンスコストの削減率は示されるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    双方向コンバータを用いたエミュレータや充放電の一体制御により、電池の信頼性・安全性向上に貢献する技術が示されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境関連や自立型表示装置への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    大阪の企業が京都の施設を実施場所とする点はうかがえるが、地域の経済成長への牽引は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作機を製品サンプルとして総合電機などメーカーに試験運用してもらい製品化を図る。コロナ収束後は環境関連や電気装置の展示会に出展し販路開拓を目指す。南海トラフ巨大地震などに備え、災害用の自立型表示システムとして社会に貢献していきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。