ものづくり補助金平成24年度岡山県

高効率で低価格なマイクロ水力発電装置の試作及び現地実証試験

タマデン工業株式会社

成果同期発電機の採用により、誘導発電機と比較して発電効率が5%以上改善される。

この事例のポイント

  • 当社の制御技術を活かし、需要が伸びているマイクロ水力発電プラントを企画から製作・メンテナンスまで一括受注できる体制を作る必要があった。
  • マイクロ水力発電の候補地を岡山県新見市で6か所選定し、水量調査と測量を行った。
  • 同期発電機の採用により、誘導発電機と比較して発電効率が5%以上改善される。高効率で低価格なマイクロ水力発電装置の試作と現地実証試験が完了し、良好な結果を得た。

事業者のプロフィール

事業者名タマデン工業株式会社
所在地岡山県 玉野市
業種電気機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数75人
資本金1,000万円
設立1966年

事業の背景

当社は創業以来半世紀にわたり制御盤・配電盤の設計・製作と、オリジナルボードコンピュータを使った制御システムの開発を行ってきた。お客様からの評価は高く、特に波力発電の制御実績は世界No.1である。近年は需要が伸びているマイクロ水力発電に事業を広げることを考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術当社の制御技術を活かし、需要が伸びているマイクロ水力発電プラントを企画から製作・メンテナンスまで一括受注できる体制を作る必要があった。
  • 新製品・新技術小水力発電は不安定な電力源とみなされ、低圧系統連系が原則認められないため、多くは高圧連系で誘導発電機を直結しており、効率や低コスト化に課題があった。

やったこと

マイクロ水力発電の候補地を岡山県新見市で6か所選定し、水量調査と測量を行った。普通河川であること、工事用道路と三相動力線が近いこと、低圧系統連系の上限となる50kW以下であることの3要件で3か所に絞り、神郷釜村の三坂川で事業を行うことを決めた。維持管理団体としてNPO法人神郷水力発電の会を設立し、法的手続きを行った。発電機は同期発電機を用い、インバーターによるトルク制御と水量調整を連続的に行うことで、水量変化に対して高効率な領域を広げる方式とした。2015年1月に土木工事、取水機器・配管・発電機の設置、配線と系統連携、現地調整を終えた。同年2月から評価テストを行い、計画水量160リットル/秒で計画発電量15〜16kWを得た。

新しい製品・サービス:高効率で低価格なマイクロ水力発電装置

事業の効果

  • 同期発電機の採用により、誘導発電機と比較して発電効率が5%以上改善される。
  • 2015年3月より平均出力15.5kWで営業運転を行っている。

高効率で低価格なマイクロ水力発電装置の試作と現地実証試験が完了し、良好な結果を得た。同期発電機の採用で発電効率が誘導発電機より5%以上改善する見込みである。インバーターにより発電電力が安定し、低圧での系統連系が可能となり、メンテナンスを含めたコスト低減につながる。岡山県内2か所、県外1か所から新たな設置の引き合いがあり、タイ王国への海外展開も計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    地域経済への波及岡山県新見市の河川を活用し、NPO法人や地元住民と連携して発電事業を行う地域特性を活かした取組が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数75人とあるが、補助事業を遂行する人員配置や事務処理体制の記載は読み取れず、NPO法人との連携がうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来半世紀の制御盤・制御システム開発の実績と、波力発電の制御実績が書かれ、マイクロ水力への展開が既存事業の延長として読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    近年需要が伸びているマイクロ水力と、インバーター制御など自社の制御技術の強みを結びつけている。ただし市場規模や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    課題は発電機の誘導型・高圧連系の制約として示され、インバーター制御で低圧連系・コスト低減を図る方向が書かれている。事業計画の具体的な数値目標は乏しい。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    発電効率5%以上の改善や平均出力15.5kWの実績、3年後に累計10台以上の受注を視野にとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数75人とあるが、補助事業を遂行する人員配置や事務処理体制の記載は読み取れず、NPO法人との連携がうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    低圧系統連系と低コスト化という特長、岡山県内外からの引き合いが書かれており、顧客ニーズの裏付けがややうかがえる。ターゲット顧客の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    候補地選定から設置、評価テスト、営業運転、海外展開計画までの段階が時系列で示され、遂行方法とスケジュールは比較的明確である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    マイクロ水力は需要が伸びている分野と書かれるが、普及度や高価格化の水準を示す記述は乏しく、新市場性は部分的にうかがえる程度である。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    再生可能エネルギーによる地域の発電と海外展開(JICA事業)への言及があるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    発電効率5%以上改善、平均出力15.5kWという数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献3

    インバーターによるトルク制御と連続的な水量調整で、低圧系統連系を可能にする技術的な新規性が書かれている。地域やサプライチェーン全体への波及は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギー分野への進出と書かれているが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    岡山県新見市の河川を活用し、NPO法人や地元住民と連携して発電事業を行う地域特性を活かした取組が具体的に書かれている。

今後の展望

マイクロ水力発電装置は今後需要が見込めるため、3年後に累計販売10台以上の受注を視野に入れて取り組みを継続する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。