ものづくり補助金平成28年度建設業兵庫県

IT技術導入による「i-Construction」システムの構築

光洋建設株式会社

成果工期(3次元データ作成) 13日→4.5日

この事例のポイント

  • 団塊世代の作業者や機械オペレーターが定年退職を迎え、熟練労働者の大量不足が予見されている。
  • 無人航空機で空撮した画像を画像解析システムで解析し、3次元設計データを作成する体制を社内に構築した。
  • 工期(3次元データ作成) 13日→4.5日。無人航空機と画像解析による測量で、測量工期が13日から4〜5日程度に短縮され、現地作業も減って作業負荷が大幅に改善され…

事業者のプロフィール

事業者名光洋建設株式会社
所在地兵庫県 兵庫県淡路市
業種総合工事業
技術分野機械制御,情報処理,測定計測
従業員数21人
資本金3,000万円
設立1996年

事業の背景

当社は河川ため池・治山・災害復旧などの公共工事と土地造成・建築などの民間工事を行う総合建設業である。淡路島は建設業が主要な産業の一つで、建設業の不振は島内経済全体に影響する。建設業は作業環境が厳しいというイメージから担い手が減少し、従業員の高齢化が業界全体で進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能団塊世代の作業者や機械オペレーターが定年退職を迎え、熟練労働者の大量不足が予見されている。
  • 人手・技能淡路島全体で過疎化・少子高齢化が進み、「3K」といわれる建設業の人材難は深刻である。
  • 生産能力建設業は島内の主要産業であり、その不振は島内経済全体に影響する問題である。

やったこと

無人航空機で空撮した画像を画像解析システムで解析し、3次元設計データを作成する体制を社内に構築した。測量設計ソフトで作成した3次元設計データをICT建機へ送信し、GNSS機器と連携した施工・検査が行える現場ネットワークを構築した。ICT建機にはGPSが組み込まれ、自機の位置に応じた操作ガイダンスが表示されるようになった。これにより丁張りや標識の設置が不要となり、やり直しもなくなった。

事業の効果

  • 工期(3次元データ作成) 13日→4.5日
  • 施工能力 1倍→2.3倍

無人航空機と画像解析による測量で、測量工期が13日から4〜5日程度に短縮され、現地作業も減って作業負荷が大幅に改善された。ICT建機のガイダンス表示により標識設置とやり直しが不要になり、施工能力が2〜3倍に向上した。作業者の危険や身体的負担も減り、将来の人材不足への不安の緩和が期待される。また、施工経験を通じて作業者の習熟とデータ蓄積が進み、近隣工事会社からの測量の引き合いも生まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決熟練測量士の不足や人材難を課題として示し、測量工期を13日から4-5日に短縮、施工能力を2-3倍向上させた数字がある。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性測量を内製化し、近隣工事会社から測量の引き合いがあると書かれ、自社の強みを活かした競争優位が具体的に読み取れる。
  • 4
    新しさ・高付加価値地域で画像解析による3次元設計を実用化している企業は少ないと書かれ、普及度の低さが読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋データの蓄積と振り返りで高精度化を目指すとあるが、中長期のスケジュールや検証方法は書かれていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    無人航空機やICT建機の導入を先行して進めてきたと書かれ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    測量を内製化し、近隣工事会社から測量の引き合いがあると書かれ、自社の強みを活かした競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    熟練測量士の不足や人材難を課題として示し、測量工期を13日から4-5日に短縮、施工能力を2-3倍向上させた数字がある。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    工期短縮や施工能力向上の実績はあるが、将来の付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    自社施工で技術習得を進め、作業者の習熟を図ると書かれているが、人員体制や事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客から高精度データが好評と書かれるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    データの蓄積と振り返りで高精度化を目指すとあるが、中長期のスケジュールや検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    地域で画像解析による3次元設計を実用化している企業は少ないと書かれ、普及度の低さが読み取れる。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用4

    建設業の不振が島内経済全体に影響するとし、若年労働者獲得や地域経済への貢献が明確に述べられている。

  • 費用対効果3

    工期短縮や施工能力向上の効果はあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    無人航空機、画像解析、ICT建機、GNSSを連携させた現場ネットワークで、建設現場のデジタル化に取り組むと明記されている。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    i-Constructionという国の施策に沿った取組とされ、建設業の変革に資する方向性はうかがえるが、構造転換の論理は薄い。

  • 地域経済への波及4

    淡路島の人口減少と建設業の重要性に触れ、地域の雇用と経済を支える事業として位置付けられている。

事業者の声

建設業をより魅力のある仕事にしていき、地域経済の活性化に貢献をしていきたいと考えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。