ものづくり補助金平成28年度製造業兵庫県

今までにないオーダー家具の生産体制の構築と生活を豊かに彩るブランドの確立

株式会社フジイ

この事例のポイント

  • サイズオーダー家具は1点ずつ生産機械の設定変更が必要で、従来の大ロット生産工程では生産性を上げられなかった。
  • 木材を切断した面の処理に、HOMAG社のエッジバンディングマシン「KAL370 Ambition2474/airTec」を導入した。
  • 木口の仕上げ品質が向上し、高品質家具としての「すきまくん」ブランドの確立に向かっている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フジイ
所在地兵庫県 宍粟市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン,機械制御
従業員数34人
資本金2,000万円
設立1989年

事業の背景

従来は住宅メーカー向けの据え付け収納家具や家具店向けの収納家具を見込み生産していた。大手住宅メーカーや家具店向けはロットが大きく売上は安定しやすいが、収益性が著しく低かった。そこで壁面にフィットするサイズオーダー家具「すきまくん」を企画開発し、受注生産に切り替えたことで在庫リスクが大幅に下がり収益性も改善した。大手小売店に専門コーナーを設けるなど好調だが、ブランディングのためにさらなる高付加価値化が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力サイズオーダー家具は1点ずつ生産機械の設定変更が必要で、従来の大ロット生産工程では生産性を上げられなかった。
  • 品質・精度木口の仕上げに接着用の層ができ、時間が経つと黒ずんで見た目の品質が大きく低下していた。
  • 新製品・新技術幅・高さ・奥行きのすべてを変更できる製品の製造には、生産設備のネットワーク化を進める必要があると感じていた。

やったこと

木材を切断した面の処理に、HOMAG社のエッジバンディングマシン「KAL370 Ambition2474/airTec」を導入した。従来の緑貼り機で生じていた接着剤の層が出なくなり、木口の仕上げ品質が向上した。ネット接続可能な本設備を前後の機械とつなぎ、さらなる生産性向上の足がかりとした。設備に材料が戻るリターンシステムは他社の製品を参考に自社で製作し、設備メーカーの類似品より調達コストを数分の一に抑えた。工程レイアウトや製品の流し方も見直し、生産効率の向上を図った。

  • 加工機エッジバンディングマシン「KAL370 Ambition2474/airTec」
  • その他リターンシステムエッジバンディングマシンに接続

新しい製品・サービス:すきまくん3D(幅・高さ・奥行きの3方向オーダーが可能な収納家具)

事業の効果

木口の仕上げ品質が向上し、高品質家具としての「すきまくん」ブランドの確立に向かっている。受注生産が中心になったことで在庫リスクが減り、高収益化が実現した。内製のリターンシステムによって調達コストを大きく抑えられた。今後は生産能力を高め、方向サイズオーダーにも対応できる体制を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性平成18年からのサイズオーダー家具「すきまくん」が売上の多くを担う主力製品と位置付けられ、過去の取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性全国の販売網・物流網と個別・量産対応の生産体制を活かし、在庫リスクを抑えたチャレンジ企画に取り組む強みが具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決収益性の低い見込み生産から受注生産へ移行し在庫リスクを削減した課題認識があり、9年で生産能力を30%程度高める目標も示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出日本の住宅に合う収納家具の開発や受注生産への転換が述べられるが、経済構造転換との関係は薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    平成18年からのサイズオーダー家具「すきまくん」が売上の多くを担う主力製品と位置付けられ、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国の販売網・物流網と個別・量産対応の生産体制を活かし、在庫リスクを抑えたチャレンジ企画に取り組む強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    収益性の低い見込み生産から受注生産へ移行し在庫リスクを削減した課題認識があり、9年で生産能力を30%程度高める目標も示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    9年で生産能力を30%程度高める目標が示され、内製リターンシステムで調達コストを数分の一に抑えた実績も根拠となる。

  • 事業を進める体制3

    社長自らカイゼン活動に取り組み、リターンシステムを内製した実績があり、生産体制を担う人材と事務処理の体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    住宅壁面にフィットするサイズオーダー家具という明確な製品価値があり、木口仕上げの品質向上で高品質家具ブランドとして選ばれる理由を整理している。

  • 事業化までの道筋3

    幅・高さ・奥行きの3方向オーダーへの段階的な発展と個別大量生産への挑戦を方針として示しているが、スケジュールの記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    サイズオーダー収納家具という分野で、木口仕上げを海外製高級家具並みに高める高付加価値化を目指す点が具体的に示されている。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    地域の中小製造業として家具の生産工程を維持し、ユニット家具の体制を整える意義が述べられているが、波及効果の記述は限定的。

  • 費用対効果3

    内製化で調達コストを数分の一に抑え、材料削減によるコストダウンを実現する点が費用対効果の根拠として示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    ネット接続可能な最新エッジバンディングマシンを前後工程とネットワーク化し、生産設備のデジタル連携を進める計画が示されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    日本の住宅に合う収納家具の開発や受注生産への転換が述べられるが、経済構造転換との関係は薄い。

  • 地域経済への波及3

    兵庫県の中小企業として全国へ販売し、住宅に合う日本らしい家具で付加価値を生み出す取組が読み取れる。

今後の展望

個別対応、1個づくり、大量生産の3つに挑戦し、需要にこだわらず家庭内で使う収納家具をフルラインナップで揃えていく方針。全国の販売網と物流網を活かし、チャレンジ的な企画や試行販売にも取り組む予定。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。