ものづくり補助金平成28年度製造業兵庫県

免疫機能を向上させたアガリクスエキスの開発

ビーエイチエヌ株式会社

この事例のポイント

  • アガリクスの既知の効果は研究されてきたが、体温上昇(熱産生)の機能は明らかになっておらず、新たな健康食品原料として切り口を広げる必要があった。
  • 褐色脂肪細胞の熱産生に関わるUCP-1遺伝子の発現を評価するため、購入したリアルタイムPCRおよび周辺機器により社内の遺伝子検査体制を強化した。
  • アガリクス茸のエキスが熱産生遺伝子UCP-1の発現を上昇させることが確認され、これまで研究されていなかったアガリクスの体温上昇機能を明らかにできた。

事業者のプロフィール

事業者名ビーエイチエヌ株式会社
所在地兵庫県 東京都千代田区
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数93人
資本金8,000万円
設立1999年

事業の背景

当社は創業以来50年以上にわたり素材を加工し、健康・美容関連企業に原料を提供するOEM大手である。アガリクス茸は取り扱う素材の一つだが、2006年に中国産アガリクスによる肝障害などの健康被害が報告されて市場は急激に減少した。その後、他社製品の安全性は確認され健康被害は報告されていないものの、風評被害の影響は今も続いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力アガリクスの既知の効果は研究されてきたが、体温上昇(熱産生)の機能は明らかになっておらず、新たな健康食品原料として切り口を広げる必要があった。
  • 新製品・新技術アガリクスの新たな機能を解明し、新しい健康食品原料として開発する必要があった。
  • 人手・技能社内の遺伝子検査体制が不足しており、試験に必要な測定機器が不足していたため、褐色脂肪細胞を用いた遺伝子発現の評価ができなかった。

やったこと

褐色脂肪細胞の熱産生に関わるUCP-1遺伝子の発現を評価するため、購入したリアルタイムPCRおよび周辺機器により社内の遺伝子検査体制を強化した。培養した褐色脂肪細胞にアガリクスを添加し、UCP-1遺伝子の発現を測定した。予備試験として細胞培養条件、RNA抽出、cDNA作成、リアルタイムPCRによる遺伝子評価の条件を設定した。複数の抽出方法を比較し、熱産生遺伝子の発現が最も高いエキスの抽出方法を確立し、凍結乾燥によりパウダー状にした。

新しい製品・サービス:熱産生効果が確認されたアガリクス抽出物を粉末状にした健康食品原料

事業の効果

アガリクス茸のエキスが熱産生遺伝子UCP-1の発現を上昇させることが確認され、これまで研究されていなかったアガリクスの体温上昇機能を明らかにできた。遺伝子発現が最も高いエキスの抽出方法を確立し、凍結乾燥によりパウダー状にして今後の製品化につながる状態となった。アガリクスの見直しのきっかけになることが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち10観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値アガリクス茸の体温上昇機能はこれまで研究されておらず、これまでにない切り口の新原料開発と明記されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性中国産アガリクスの健康被害後に市場が急減した外部環境は触れられているが、自社の強みとの関係は細胞技術の保有程度でしか書かれていない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来50年以上素材を加工し健康・美関連企業に提供してきた実績があり、アガリクス研究はその延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    中国産アガリクスの健康被害後に市場が急減した外部環境は触れられているが、自社の強みとの関係は細胞技術の保有程度でしか書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    アガリクス市場の減少という課題認識と、体温上昇機能の解明による新原料開発という方向性は読み取れるが、事業計画の具体的な収益目標は書かれていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    細胞関連に精通した知識や技術があると書かれ、測定機器の不足を本事業で補う体制は読み取れるが、人材数などの具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    健康食品原料としての新しい切り口は述べられているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    予備試験から細胞培養、RNA抽出、cDNA作成、リアルタイムPCRへの工程が示され、遂行方法は読み取れるが、期間の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    アガリクス茸の体温上昇機能はこれまで研究されておらず、これまでにない切り口の新原料開発と明記されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    アガリクス市場の減少という業界課題の解決に向けた取組とされ、雇用や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    遺伝子検査体制の社内強化や海外拠点への展開はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面判断できません
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

アガリクスが見直されるきっかけになればとし、素材の研究・開発からOEM・ODMの展開を目指している。タイ・バンコク近郊にIS0、GMP、ハラル認定の製造・販売拠点を築き、海外進出の拠点としての利用を呼びかけている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。