ものづくり補助金平成28年度製造業兵庫県

淡路島産の玉葱を活用した新たな付加価値の創造事業“B to B”のその先へ、“B to C”へ

有限会社都冷蔵

成果凝縮率 30%→15%

この事例のポイント

  • 淡路島産玉ねぎを使い、高凝縮(15%)かつ高糖度(58度)の生食可能なソテーオニオンを製品化するには、おいしさの実現が課題である。
  • 蒸気ニーダー釜を導入し、下処理によって玉ねぎ7個分を1個分へと凝縮する高凝縮(15%)・高糖度(58度)のソテーオニオンを試作した。
  • 凝縮率 30%→15%。玉ねぎ7個分を1個分へ凝縮する高凝縮・高糖度のソテーオニオンの試作に成功し、具体的な凝縮率を表示できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社都冷蔵
所在地兵庫県 洲本市
業種食料品製造業
従業員数14人
資本金515万円
設立1972年

事業の背景

創業は玉ねぎの卸売で、その後冷蔵保管業、一次加工業へと広がり、現在は高付加価値なソテーオニオンの製造が主力事業となっている。ソテーオニオンは有名食品会社や外食産業で使われるようになったが、商社を複数経由する商流のため、品質は高く評価される一方で薄利多売の状況が続いている。取引先からはさらなる高付加価値化への要望が出ており、既存顧客への単価向上と新規顧客開拓による収益性改善を目指している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度淡路島産玉ねぎを使い、高凝縮(15%)かつ高糖度(58度)の生食可能なソテーオニオンを製品化するには、おいしさの実現が課題である。
  • 生産能力生食可能にするには質量が15%程度になるまで水分を飛ばす必要があるが、既存設備の直火釜では30%程度までしか実現できない。
  • 新製品・新技術既存の業務用出荷品は冷凍が最も品質が安定しているが、一般消費者が買いやすくするには常温での保管や持ち運びができる製品にする必要がある。

やったこと

蒸気ニーダー釜を導入し、下処理によって玉ねぎ7個分を1個分へと凝縮する高凝縮(15%)・高糖度(58度)のソテーオニオンを試作した。炒め用油の使用量を他社の半分以下に抑え、スライスカットで形状が残る丁寧な炒め方により、油っぽさをなくしつつ甘さを引き出す工夫をした。レトルト殺菌機を導入し、常温で保管・持ち運びができるパッケージを開発した。蒸気ボイラーで両設備を稼働させ、新工程を構築した。これにより加工時間の短縮と光熱費の削減も実現し、コストダウンにつなげている。

  • 加工機蒸気ニーダー釜レトルト殺菌機蒸気ボイラー

新しい製品・サービス:淡路島産玉ねぎを使った高凝縮(15%)・高糖度(58度)の常温流通ソテーオニオン

事業の効果

  • 凝縮率 30%→15%
  • 玉ねぎ7個分を1個分へ高凝縮を実現している

玉ねぎ7個分を1個分へ凝縮する高凝縮・高糖度のソテーオニオンの試作に成功し、具体的な凝縮率を表示できるようになった。レトルト殺菌により常温保管可能な製品を開発し、淡路島の土産として一般消費者にも販売できる見込みである。加工時間の短縮と光熱費の削減によりコストダウンにも貢献する新生産工程が完成した。数値目標は達成しており、現在もおいしさの向上に向けて試作開発を続けている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.6 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及淡路島産玉ねぎを島内で加工し、島内農産物の高付加価値化と島内経済の向上を目指すと明確に記載されている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性玉ねぎの卸売から冷蔵保管、一次加工、ソテーオニオン製造へと高付加価値方向へ事業を変遷させたと記載があり、一貫性がうかがえる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性玉ねぎ加工に長年の経験があり、島内産の材料と熟練作業者、農家との関係を強みとして挙げている。薄利多売の課題も示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献トレーサビリティ体制は示されるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    玉ねぎの卸売から冷蔵保管、一次加工、ソテーオニオン製造へと高付加価値方向へ事業を変遷させたと記載があり、一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    玉ねぎ加工に長年の経験があり、島内産の材料と熟練作業者、農家との関係を強みとして挙げている。薄利多売の課題も示されている。

  • 課題の認識と解決4

    薄利多売の課題を認識し、高凝縮・高糖度で単価向上と新規顧客開拓につなげる計画が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    凝縮率は既存設備の約30%から約15%への目標が示され、数値的な目標は達成と記載。ただし付加価値額の増加率などの数値目標は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    製造工場、熟練作業者、トレーサビリティ体制は書かれるが、補助事業の実施体制や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高凝縮の具体的な凝縮率を表示できる点や、土産向け常温保管レトルト品という顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    おいしさ、高凝縮、常温保管の3課題と解決手段は示されるが、中長期のスケジュールや課題解決の詳細な進め方は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    高凝縮・高糖度のソテーオニオンは7個分を1個分にする独自性があり、他社では困難な高水準の高付加価値化を図るとされる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    島内加工により島内で多くの付加価値を創出し、島内経済へ貢献するという地域経済への波及効果が明確に述べられている。

  • 費用対効果3

    加工時間の短縮や光熱費削減によるコストダウンが示されるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    トレーサビリティ体制は示されるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及はわずかにうかがえる程度。

政策面5.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及5

    淡路島産玉ねぎを島内で加工し、島内農産物の高付加価値化と島内経済の向上を目指すと明確に記載されている。

今後の展望

数値的な目標は達成しており、現在もおいしさを向上させるため日々試作開発を重ねている。

事業者の声

淡路島の玉ねぎは良いものだが、そのまま島外へ販売するより、加工して流通させたほうが島内で多くの付加価値が創出されることになり、島内経済への貢献も多い

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。