ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

回転機械の性能を支えるメカニカルシールの大径化に欠かせない研削技術の高度化

三和工機株式会社

この事例のポイント

  • 電力会社から必要とされるメカニカルシールの大径化に対応する生産体制・設備が確立できていなかった。
  • 作業テーブル径が大型化された最新の精密片面ラップ盤を導入した。
  • 大径品の生産体制が構築され、小径品の生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名三和工機株式会社
所在地奈良県 大和郡山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工

事業の背景

石油化学、繊維、化学工業の分野で培った実績とノウハウをもとに電力業界との取引を開始した。大径メカニカルシールの需要が増え、大型品の生産体制・設備の確立が必須となっていた。近年は従来の液体向けにとどまらず粉体向けのシールも開発し市場を開拓している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力電力会社から必要とされるメカニカルシールの大径化に対応する生産体制・設備が確立できていなかった。
  • 品質・精度製品の生命である摺動面のラッピング仕上げは外部委託が困難で、ノウハウの流出防止の面からも自社で大型のラッピングマシンを導入することが不可欠となっていた。

やったこと

作業テーブル径が大型化された最新の精密片面ラップ盤を導入した。50年以上の実績を持つ当社の技術・ノウハウを組み合わせ、大径品の研磨加工及び小径品の大量研磨加工を可能にした。精密な研磨加工が可能な専用の精密片面ラップ盤により、大径メカニカルシールへの対応と従来品の一括加工が可能となり、作業能率の向上を始め研磨加工技術の高度化に取り組んだ。

加工機精密片面ラップ盤(作業テーブル径が大型化された最新機)

新しい製品・サービス:ニコデシール®(装置の分解不要で取付可能、ロックパッキン®内蔵で安定したシール性)、ジェルデシール®(特許取得、シール技術にジェルを用いて粉体・液体・気体のシールを可能に)

事業の効果

大径品の生産体制が構築され、小径品の生産効率が向上した。生産効率の向上により修理品の短納期化が実現し、修理待ち時間の短縮によって顧客満足度の向上にも寄与した。優位性を確立し、業界に先駆けた公式ユーチューブ配信などで業界全体のボトムアップも図っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    50年以上の実績と創業者の理念「新技術・新材料・新製品」が示され、メカニカルシールの専門メーカーとしての位置付けは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ポンプメーカーから分離独立し製品需要の大半を占めるポンプの状態を理解できる点や、軸・軸受けまで設計製作できる強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    大径品の需要増と生産体制の確立が必須という課題認識は書かれているが、高付加価値化・成長に結びつく定量的な計画までは読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産効率向上や修理の短納期化が示されるが、高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    ノウハウ流出防止のため外部委託が困難と書かれる程度で、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記載は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大径メカニカルシールへの電力業界からの需要、修理品の短納期による顧客満足度向上など、ニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    大型ラップ盤導入による大径品対応という方向性はうかがえるが、中長期の検証やスケジュール、課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    従来品の一括加工が可能となり大径品対応を実現し、他社が手を出さない新分野の開発やジェルデシールの特許取得など高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    電力業界からの大径品需要に応えるという背景は書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に読み取れない。

  • 費用対効果2

    生産効率の向上や修理品の短納期化が示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    公式ユーチューブによる配信で業界を盛り上げる取組はうかがえるが、デジタル技術の活用による業界全体のイノベーション貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県大和郡山市に所在することは書かれるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への寄与は具体的に読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。