ものづくり補助金平成28年度建設業奈良県

溶接ロボットの導入による、コンバージョン向け事業の生産体制構築

株式会社針田鉄工所

成果生産性が10%以上向上した。

この事例のポイント

  • 工場全体の生産量が限界を超えており、コンバージョン向けの鉄骨製作依頼を断らざるを得ない状況があった。
  • 課題解決のため、溶接ロボットを導入した。
  • 生産性が10%以上向上した。溶接ロボットの導入により高品質・高均一性の溶接工程が実現し、後行程のケレン作業が軽減されて生産性が10%以上向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社針田鉄工所
所在地奈良県 桜井市
業種職別工事業
技術分野接合・実装
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

2013年以降の建設需要の急激な増加により、当社も新規取引を開始するなど好影響を受けた。特に2015年より既存建築物の用途変更(コンバージョン)向けの鉄骨製作依頼が増加した。当社は1935年創業、1988年に法人化し、10t〜50tの少量生産を得意としている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力工場全体の生産量が限界を超えており、コンバージョン向けの鉄骨製作依頼を断らざるを得ない状況があった。
  • 人手・技能溶接技能者の人手不足が深刻化していた。
  • 品質・精度組立・溶接工程の能力増強と品質の均質化が課題となっていた。

やったこと

課題解決のため、溶接ロボットを導入した。これにより高品質・高均一性の作業工程が実現し、従来に比べて鋼材表面に付着する溶滴が少なくなった。そのため後行程の溶接部ケレン作業が軽減された。経験の浅い作業者でも高品質な溶接が可能になったため、熟練工を複雑・繊細な作業に配置できるようになった。

ロボット溶接ロボット

事業の効果

  • 生産性が10%以上向上した。

溶接ロボットの導入により高品質・高均一性の溶接工程が実現し、後行程のケレン作業が軽減されて生産性が10%以上向上した。経験の浅い作業者でも高品質な溶接が可能となり、熟練工を効率的に配置できるようになった。これにより未経験者の地域雇用やベトナムからの外国人技能実習生の受け入れなど、人材確保も実行できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1935年創業・1988年法人化の歴史があり、2015年からのコンバージョン向け鉄骨増加に対応して工場・ヤードを増設した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建設需要増加の外部環境に対し、10t~50tの少量生産とMグレード取得を強みとして示し、多品種・小ロットに即応する点を挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    生産量の限界で依頼を断っていた課題を認識し、溶接ロボット導入で生産性が10%以上向上したと具体的な成果を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    既に実現した生産性10%向上は示されているが、付加価値額や賃上げの将来目標値は記載されておらず、実現可能性の判断は難しい。

  • 事業を進める体制3

    従業員10名の体制と未経験者採用、外国人技能実習生の受け入れは書かれているが、補助事業を遂行する事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ゼネコンや地元の小さな工務店との取引、柔軟な対応力は書かれているが、顧客ターゲットの裏付けや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋2

    今後の方針として受注間口を広げ事業継続を目標とする記述はあるが、中長期のスケジュールや課題解決の進め方は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円と従業員数のみ記載があり、財務状況の健全性や資金調達の見込みについての記述は見当たらない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    10t~50tの少量生産を最も得意とし、敬遠されがちな多品種・小ロット製作に対応する点は書かれているが、高付加価値化の数字は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    未経験者の地域雇用やベトナムからの技能実習生受け入れにより、新たな雇用を生んだ点が事例に具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    生産性10%向上という効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    溶接ロボットの導入で品質の均一化を実現したとあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルがサプライチェーンに与える波及は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    建設需要の増加やコンバージョン向け受注の拡大は書かれているが、日本経済の構造転換に資するという観点の記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及4

    地域密着型の鉄工所として地元企業や工務店との関係を重視し、地域雇用の創出につなげている点が事例に具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地域密着型の鉄工所として地元企業や小さな工務店との関係を大切にし、採算重視の事業拡大ではなく、施工図作成から加工・組立・溶接に至る全工程のバランスを目指す。受注間口を広げて事業を継続していくことを目標としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。