ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

人の手に触れないダイアライザー用容器の生産方式確立

昭和化成工業株式会社

この事例のポイント

  • 製造過程の検査作業と梱包作業が人の手による作業で、傷、焼け、ウェルド、形状などを目視で確認しているため、厳しい検査基準をクリアしても不良品の流出がゼロではなかった。
  • AI技術による画像処理機能を搭載した「自動箱詰めロボット付画像処理装置」を導入した。
  • 不良品の流出がほぼなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名昭和化成工業株式会社
所在地奈良県 葛城市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,測定計測

事業の背景

当社は筒形状の樹脂製品製造に特化しており、人工透析装置で使用される「ダイアライザー」用樹脂部品の製造事業は主力事業の一つとして成長を続けている。製造過程のうち検査作業と梱包作業は人手によって行われていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製造過程の検査作業と梱包作業が人の手による作業で、傷、焼け、ウェルド、形状などを目視で確認しているため、厳しい検査基準をクリアしても不良品の流出がゼロではなかった。
  • 品質・精度製品を人が触ることで細菌や埃などが付着するリスクがあり、それを下げることが求められていた。

やったこと

AI技術による画像処理機能を搭載した「自動箱詰めロボット付画像処理装置」を導入した。カメラで製品の全箇所を撮影して検査することで、傷・焼け・変形などを短時間で発見できるようになった。AIが学習することでより精密な検査が可能になった。さらにすべての工程を機械化し、細菌や埃などの付着を減らして要求基準(10CFU以下)を大きく下回るようにした。

検査測定自動箱詰めロボット付画像処理装置

事業の効果

不良品の流出がほぼなくなった。すべての工程を機械化したことで細菌や埃などの付着が減少し、要求基準(10CFU以下)を大きく下回るようになった。これによりお客様の品質向上に寄与し、信頼の向上を得ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去のクリーン成型や成型技能士の育成に触れるが、今回の検査・梱包機械化との関係は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療機器・ダイアライザー用容器に強みがあると読めるが、市場動向との比較や競争優位の数値は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    検査・梱包を人手から機械化する課題認識と、不良品流出ゼロの目標が書かれ、導入による解決の方向性が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良品流出ゼロや品質向上の目標は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    成形技能士が特級1名、1級4名、2級9名在籍し、勉強会や資格取得補助を行うと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ダイアライザー用容器の細菌や埃の付着リスク低減が選ばれる理由として示されるが、顧客ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    半数のラインに設置済みで今後増やす方針はあるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    AI画像処理と全工程機械化による人が触れない生産方式が特徴として書かれるが、分野の普及度との比較は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    温室効果ガス実質ゼロの新分野への挑戦に触れるが、雇用や経済波及効果の具体的記述はない。

  • 費用対効果3

    不良品流出がほぼなくなったと結果が書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    AI画像処理装置とカメラによる全個所撮影検査を導入し、AIが学習して検査精度を高めたと具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    温室効果ガス実質ゼロを目指す新分野に挑むとあるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    奈良県葛城市に所在すると分かるが、地域特性を活かした雇用や成長への記述はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

画像検査機は今後も導入を増やし、品質向上と不良品流出率ゼロを目指す。温室効果ガス実質ゼロを目指す世の中で、製作技術が求められる新しい分野にも最新技術で挑んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。