ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

AIネットワーク参入による機械故障の予防保全と生産性向上

株式会社第一製版印刷

成果厚紙印刷の対応可能な厚さ 0.3mm→0.5mm

この事例のポイント

  • 印刷機が故障した際の復旧が都市部の同業者に比べて遅く、売上機会を損失して短納期を望む顧客の信頼を失う可能性があり、修理費用も高額である。
  • Alが搭載された最新モデルの菊半裁四色刷オフセット印刷機(小森コーポレーション製、GL-426)を導入した。
  • 厚紙印刷の対応可能な厚さ 0.3mm→0.5mm。導入した印刷機が自ら学習して生産性を高め、機械の停止やエラーを自動集計することで印刷トラブルを未然に防いだり解決したり…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社第一製版印刷
所在地和歌山県 和歌山市
業種印刷・同関連業
技術分野情報処理
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

同社は県下の印刷業界で事業基盤を築き、県内唯一のチラシ専用オフセット輪転印刷機を保有して他社との差別化を図っていた。さらなる業績の安定と向上を目指す必要があった。和歌山市周辺は雑貨業が盛んで梱包材などがよく使われるが、域内で厚紙を印刷できる同業者は少なく、参入のメリットは大きいと考えられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程印刷機が故障した際の復旧が都市部の同業者に比べて遅く、売上機会を損失して短納期を望む顧客の信頼を失う可能性があり、修理費用も高額である。
  • 生産能力現存機械の生産性が低い。
  • 新製品・新技術厚紙印刷は0.3mm未満までしか対応できず、現状のままでは取扱商品を増やせない。

やったこと

Alが搭載された最新モデルの菊半裁四色刷オフセット印刷機(小森コーポレーション製、GL-426)を導入した。この印刷機はクラウドシステムを利用した自己診断・自己学習の機能を備え、日本全国の最新型印刷機から印刷の時間や枚数、通電時間などのデータを蓄積して、最適な印刷方法や状態を自動で選出し、生産性を高める。機械の停止やエラー・異常も自動集計され、印刷トラブルの未然防止や解決に役立つ。厚紙印刷については検証を繰り返した結果、0.5mmまで問題なく印刷できることが分かった。県下で初めての導入となったため、メーカーおよび代理店の研修で操作や保守点検の方法を習得した。

  • 加工機菊半裁四色刷オフセット印刷機小森コーポレーション製、GL-426

新しい製品・サービス:厚紙印刷サービス

事業の効果

  • 厚紙印刷の対応可能な厚さ 0.3mm→0.5mm

導入した印刷機が自ら学習して生産性を高め、機械の停止やエラーを自動集計することで印刷トラブルを未然に防いだり解決したりできるようになった。厚紙印刷は0.5mmまで対応可能となり、取扱商品を増やせるようになった。これにより厚紙印刷を新たな事業として展開する基盤が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性昭和45年創業以来の県下での事業基盤を背景に、AI搭載印刷機で厚紙対応や生産性向上を図り、既存の取扱い拡大の延長にある取組と読める。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性県内唯一のチラシ専用輪転機や全国対応の印刷通販サイトを強みに、厚紙印刷で県内同業者が少ない市場へ参入する優位性を示している。
  • 4
    課題の認識と解決故障復旧の遅さ・修理費・生産性の低さ・厚紙対応の3課題を明示し、導入機でこれらが解決し0.5mmまで印刷可能と実証している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性向上や新規事業展開の意向は触れているが、付加価値額や賃上げにつながる具体的な数値目標は記載がない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和45年創業以来の県下での事業基盤を背景に、AI搭載印刷機で厚紙対応や生産性向上を図り、既存の取扱い拡大の延長にある取組と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内唯一のチラシ専用輪転機や全国対応の印刷通販サイトを強みに、厚紙印刷で県内同業者が少ない市場へ参入する優位性を示している。

  • 課題の認識と解決4

    故障復旧の遅さ・修理費・生産性の低さ・厚紙対応の3課題を明示し、導入機でこれらが解決し0.5mmまで印刷可能と実証している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上や新規事業展開の意向は触れているが、付加価値額や賃上げにつながる具体的な数値目標は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーおよび代理店による研修で操作や保守点検のノウハウを習得し、導入機を県下で初めて運用する体制を整えている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    和歌山市周辺の雑貨業で梱包材需要があり、域内に厚紙印刷設備を持つ同業者が少ない点とレーザー加工機による小ロット対応を選ばれる理由として示している。

  • 事業化までの道筋3

    厚紙印刷は検証を繰り返して0.5mmまで対応できることを確認し、印刷通販サイトへの追加という展開方法を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    厚紙印刷は域内で対応できる同業者が少なく、同じ分野で他社との差別化を図る取組として位置づけられている。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    地場産業の雑貨業で梱包材需要があり、厚紙印刷サービスの展開で地域の取引先や需要に波及する可能性がある。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    クラウドで全国の印刷機データを蓄積し自己学習・自己診断するAI搭載印刷機を県下で初めて導入し、地域での先進的な取組となっている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    和歌山市周辺の地場産業(雑貨業)の需要を取り込み、厚紙印刷で地域の事業者に選ばれる体制を築こうとしている。

今後の展望

厚紙印刷サービスを同社運営の全国対応印刷通販サイトに追加し、他サイトとの差別化を図る予定である。レーザー加工機を活用した小ロット対応やサンプル作成も強みとして展開する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。