ものづくり補助金平成25年度製造業埼玉県

UVインクジェット機による生産性向上と高付加価値製品の供給

株式会社デサン

この事例のポイント

  • 従来の溶剤型プリンターは刷り上がったフィルムをファンで乾かし、さらに一晩乾燥させる工程が必要だった。
  • 2014年9月にUVインクジェットプリンターを導入した。
  • 紫外線照射で瞬時に乾燥できるようになり、従来必要だった一晩の乾燥工程が不要になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社デサン
所在地埼玉県 さいたま市北区
業種印刷・同関連業
技術分野表面処理
資本金3,000万円
設立1981年

事業の背景

同社はマーキングフィルム加工で国内の草分け的存在である。前身は1960年に東邦特殊自動車工業の外注下請けとして設立された藤池塗装工業所で、蓮田工場・営業所、栗橋工場などの拠点を持つ。早くからデジタルサイネージ事業にも取り組んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の溶剤型プリンターは刷り上がったフィルムをファンで乾かし、さらに一晩乾燥させる工程が必要だった。

やったこと

2014年9月にUVインクジェットプリンターを導入した。紫外線硬化型のインクを吹き付けた後に紫外線を照射し、瞬間的に固める。幅1600ミリまでの大判印刷に対応し、発色や仕上がりの美しさは全くそん色ないとされる。導入したUVインクジェットプリンターでの印刷物には、最長6年間の保証プログラムを設けている。指定のインクを使用し、同社の印刷技術者が製作することで高品質なグラフィックを実現している。東京五輪キャラクターをデザインしたラッピングバスの施工に活用し、1日1台のペースで施工をこなした。

その他UVインクジェットプリンター

事業の効果

紫外線照射で瞬時に乾燥できるようになり、従来必要だった一晩の乾燥工程が不要になった。そのため生産性が非常に高くなった。東京五輪キャラクターのラッピングバスを1日1台のペースで施工できた。印刷物には最長6年間の保証を付けられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1981年設立、1960年創業の塗装工業所が前身と読め、マーキングフィルム加工で国内の草分け的存在とある。過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    社内で一気通貫して請け負えること、サイネージとの連動を視野に入れていることが書かれ、強みは読み取れる。ただ市場動向との対比は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    従来の溶剤型は一晩の乾燥工程が必要だったと課題が示され、UVインクジェットで瞬時に乾燥する点が解決策として書かれている。事業計画としての詳細は不明。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。1日1台の施工ペースや4〜5割を占めるとの記述はあるが、目標値とは言えない。

  • 事業を進める体制2

    同社の印刷技術者が製作する点、東京支店開設などがうかがえるが、人材や事務処理能力の確保について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ラッピングバスやホスピタルアートなど顧客用途が具体的に示され、高品質なグラフィックと発色・仕上がりの美しさが選ばれる理由として書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    マーキングフィルムからデジタルサイネージとの連動を視野に入れるという中長期の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    マーキングフィルムのUVインクジェット製品が全体の4〜5割を占めるまでになり、乾燥工程の短縮による高付加価値化が具体的に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    東京五輪・パラリンピックの街のにぎわいや広告展開への言及はあるが、波及効果や雇用創出などの公的補助の必要性を示す記述は薄い。

  • 費用対効果3

    最長6年の保証プログラムや1日1台の施工ペースなど生産性に関わる数字はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    UVインクジェットによる瞬間乾燥やデジタルサイネージとの連動が記載され、デジタル技術の活用は読み取れるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    デジタルサイネージ事業への取組が書かれ、成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及3

    さいたま市北区に本社を置き、蓮田工場や栗橋工場などの拠点を持つ地域事業者として書かれている。地域の経済成長への牽引までは読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はマーキングフィルムとデジタルサイネージ(電子看板)との連動を視野に入れている。サイネージと一体的な視覚効果を持たせた広告展開を提案していく。

事業者の声

東京五輪・パラリンピックが開催される2020年には街のあちこちで見かけるようにしたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。